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第25回 | 次はどこ行く?プレミアムな大人の旅行

旅程と予算は?──豪華客船にっぽん丸を愉しみ尽くす

世界には300隻を超える豪華客船が就航している。そうしたメガシップにパートナーとともに乗船し、世界のリゾート地をゆっくり巡る。まさしく大人ならではの贅沢な時間だ。しかし、多忙な40代には、そこまでの時間はなかなか取れないのも事実。もう少し気軽に愉しみたいなら、国内随一の豪華客船「にっぽん丸」がおすすめだ。今回から4回にわたり、旅ライター熊山准による「にっぽん丸ラグジュアリークルーズガイド」をお届けする。

国内最高峰のにっぽん丸は、誰もが心に思い描くラグジュアリーな豪華客船そのもの

豪華客船と聞いてあなたは何を思い浮かべるだろう。レオナルド・ディカプリオの出世作『タイタニック』? それとも地方港に寄せては爆買いする訪日外国人観光客の姿だろうか。

近ごろは比較的短期間で利用できる海外メガクルーズ船のツアーも増えてきたが、働き盛りで忙しい40代男性には、優雅な豪華客船の旅はまだまだ遠い世界の話と思っている人が多いかもしれない。

しかし、ここ日本にも気軽に利用できる豪華客船がある。そのひとつで、国内最高峰と誉れ高い豪華客船が、商船三井客船の運航する「にっぽん丸」だ。

約2万2500トンの船体は、10万〜20万トンといった巨大マンションのようなメガシップが当たり前となった現在においては小ぶりな部類に入るが、堂々とした風貌と細やかなしつらえは、誰もが心に思い描くラグジュアリーな豪華客船そのもの。定員約400名の乗客に対してクルーが200名と、およそ2人に1人のきめ細やかなサービスも評判の理由だ。

そんなにっぽん丸だが、多忙なビジネスマンでも利用できる3日から5日程度のコースも用意しており、実際に40代の利用者も少なくないという。

お値段45.5万円からのスイートクラスは専用バトラーによるスペシャルサービス付き

筆者は今回、実際ににっぽん丸に乗船してクルーズを体験してきた。

筆者が旅したのは「飛んでクルーズ九州〜九州一周〜」。にっぽん丸初の九州7県をすべてまわるコースで、全行程ともなれば10日間ほどかかってしまうところだが、多忙な40代ビジネスマンの実状に合わせ、前半の5日間コースをチョイスした。

内容は、初日に博多港を夕刻に出港し、別府港、宮崎港、徳之島港(鹿児島県奄美諸島)と1日ごとに各県に寄港し、鹿児島港で下船するというもの。各港には朝に着港し夕方に出港するため、日中オプショナルツアーや自由行動を愉しむこともできる。もちろんずっと船内に滞在しのんびりと過ごすことも可能だ。

予算は、スタンダードステートの17万円(2名1室)から、グランドスイートの82万円(同)まで客室に応じて異なる。非日常な豪華客船気分を堪能したいのであれば、ぜひ専用のバスタブが付いたデラックスツイン(31.5万円)や、専用バルコニーが付いたデラックスベランダ(34.5万円)以上のクラスを選んでほしい。

とりわけスペシャルなサービスを受けられるのが、45.5万円からのスイートクラス。宿泊者しか入れないスイートエリアには、専任のバトラーが付き、いつなんどきでもあなたの要望に応えてくれる。

にっぽん丸の屋外デッキは、カーフェリーでは到底味わうことのできないリュクス

客室以外にも、船内には様々な設備が用意されている。巨大な2つのダイニングに寿司カウンター、ラウンジバーといった飲食設備をはじめ、プール、ジム、スパ&サロン、ホール。さらには、映画館、カジノゲームで遊べるラウンジ、図書室、サウナ付きバスなどなど。滞在中にすべてを愉しみ尽くせないほどだ。

なかでも筆者が気に入ったのは、開放感たっぷりの屋外デッキ。床板はもちろん、手すりまで木製という温かみは、カーフェリーでは到底味わえないリュクス。船体に車両積み込み用のハッチがないため、デッキ後方に流れてゆく航跡を心ゆくまで堪能できる。

客船の旅のなによりもの魅力は、洋上を移動しながら過ごす時間そのものだが、となると気になるのが「食事」だろう。料金には朝昼晩のみならず、アフタヌーンティーや夜食までが含まれているが、次回は「食のにっぽん丸」「美食の船」とも称される同船のグルメ事情をお届けしたい。

Text&Photography by Jun Kumayama

Series:にっぽん丸ラグジュアリークルーズガイド

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第32回 | 次はどこ行く?プレミアムな大人の旅行

SUPヨガからニシタチまで──夏の宮崎を味わい尽くす

夏の宮崎は、LCCを賢く利用すれば贅沢なリゾート地となりうる穴場だ。訪れたいスポットや食の愉しみも多岐にわたる。たとえば、宮崎県南部のパワースポット、さまざまなマリンアクティビティが用意されたビーチパーク、宮崎の美しい海と滋味あふれるグルメ、そして日本最大級のスナック数を誇る歓楽街・ニシタチ。深淵なる宴遊の世を旅ライターの熊山准がお届けする。

「奇岩怪礁、紺碧の海、波状岩に砕ける白波」と謳われる日南市の鵜戸神宮

ある人が言っていた。「旅の始まりはその土地土地の神様にご挨拶をしてから」と。なるほど、朝一番に旅先の氏神に参るのは、その土地に「お邪魔します」と断りを入れ、同時に旅の安全を祈願するのにもってこいだ。そもそも神社を訪れるなら午前がよい。

県南の日南市にある鵜戸神宮は、ローカルからは「鵜戸さん」と呼ばれ親しまれる。「奇岩怪礁、紺碧の海、波状岩に砕ける白波」と謳われる通り、日向灘すれすれのエクストリームなロケーションに建つ古社である。

宮崎ならでは空と海の深い青色に、門や社の鮮やかな朱色のコントラストが美しい境内で、ひときわ目を引くのが洞窟内に鎮座する御本殿。その神秘的なたたずまいから、県内有数のパワースポットとしても知られている。

また、岩のくぼみに向かって玉を投げ入れる「運玉」もなかなか楽しい。旅の運勢を占ってみるのも一興だろう(筆者は外したが)。

青島でハンモックに揺られ、話題のSUPヨガやマリンアクティビティを愉しむ

鵜戸神宮からクルマで日南海岸を北上すると、波状に続く「鬼の洗濯板」が現れる。迷スポット好きなら、その途中にある、世界で唯一、イースター島公に特別許可を得て完全復刻したモアイ像が建ち並ぶ「サンメッセ日南」も訪れておきたい。

宮崎市郊外まで戻ってきたら、県内有数のサーフスポットにある青島ビーチパークでランチにしよう。ビーチパークは春から秋までの期間営業(2018年9月30日まで)で、エスニックフード、カリフォルニアロール、ハンバーガーといった真夏のビーチにぴったりの飲食店が点在し、海を見ながら食することができる。

食後はハンモックに揺られてのんびり波の音に耳を傾けるもよし、陸続きになった青島の青島神社を散策するもよし。また、近くの青島アクティビティセンターでSUPヨガなどのマリンアクティビティを愉しむもよしだ。

宮崎随一のグルメスポットでもあるニシタチで味わう宮崎牛の絶品ステーキ

青島で存分に海を堪能したら、宮崎市街でクルマを返却し、人口10万人あたり日本一のスナック数をほこる歓楽街・ニシタチへ。とはいえ、同エリアはスナックだけでなく宮崎随一のグルメスポットでもあり、数多の名店がひしめき合う。

宮崎牛を味わうのならステーキの名店「アパス」がおすすめだ。宮崎牛特選ロース100gのコース(5000円)は、口のなかでほろほろとトロける甘みたっぷりのサシが身上。デザートのチョコがけトーストもオーダーしておきたい。

また、宮崎といえば鶏肉も外せない。プロ野球・読売巨人軍の宮崎キャンプシーズンになると行列ができる「丸万焼鳥本店」は、豪快にあぶる炭火焼が絶品。あえて地鶏にこだわらず、生後1年以上の成鳥の旨味を追求した「もも焼き」(1200円)は、弾けるような食感と熟成された香りが癖になる。

肉のはしごの後はうどんで締めたい。宮崎うどんは最近流行りの柔らか系で、濃厚ないりこ出汁につける釜揚げうどんスタイルが定番。市民に愛される「釜揚げうどん 織田薪(おだまき)」は、これからスナック街へと繰り出す客から、スナック帰りの酔客まで、夜遅くまで賑わう。事実どんなに満腹であってもするすると胃に入ってしまうのだ。

女性が一緒なら、宮崎特産のマンゴーをふんだんに使ったシメパフェもおすすめである。ニシタチの中心部にある「フルーツ大野」では県産マンゴーをあしらったパフェをはじめ、数々のフルーツパフェがラインナップ。男性も思わず笑みがこぼれてしまうことだろう。

もちろんスナック巡りが楽しいのは言わずもがな。とりわけニシタチは良心的で、3000円もあれば飲み放題というのが通例となっている。1万円あれば数軒をハシゴできてしまうとか。これだけ安ければ、スナックを愉しむだけのために宮崎まで飛んでしまいたくなる。

LCCのジェットスターを賢く利用すれば、成田〜宮崎間が片道5990円の安さ

そんな贅沢な旅も、賢くLCCを利用してこそ。今回利用したジェットスターなら成田〜宮崎間が片道5990円(公式サイト及びモバイルアプリからの購入がもっとも安い)と、フルサービスキャリアに比べると高コストパフォーマンス。もっとも、運賃は空席連動型で、予約は早ければ早いほど、また平日ほど安くなる可能性が高くなるので、早めの予約をおすすめしたい。

あわせて現在、宮崎市では県外からの観光客を対象に先着1000名で宿泊費が1人1滞在2000円/泊オフになるキャンペーンを実施中だ。7月初旬現在、まだまだ余裕があるとのことなので、LCCとあわせて上手に利用し、宮崎の夜を愉しんでいただきたい。

Text&Photography by Jun Kumayama
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)

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