長崎県佐世保市の佐世保共済病院で、院内の複数のパソコンがコンピューターウイルスに感染し、新規患者と救急患者の受け入れができないなど、診察に支障を来していることが2019年5月31日までに分かった。現在も状況は変わっておらず、原因の特定を急いでいる。
担当者によると、5月28日の午後5時過ぎに、放射線検査の機器につながるパソコンがウイルスを検知。そのほかのパソコンも調べたところ、電子カルテにつながるパソコンなどを含め約5台がウイルスに感染していることが分かった。
感染の拡大を防ぐために、28日の夜にパソコンや検査機器をつなぐネットワークをすべて遮断。そのため電子カルテに診察内容を反映できず診療に時間を要するため、翌29日からは新規や救急の患者は原則受け入れをやめた。現在も予約患者の診察のみ対応しているという。
病院によると、パソコンはインターネットに接続していないことから外部からのサイバー攻撃の可能性はないという。ウイルス感染にいたった経緯は「現在調査中」とした。
佐世保共済病院は外来患者だけでも1日平均約500人が利用し、そのうち新規患者は約90人に上るという。6月3日からは通常の体制で診療ができるよう、対応を進めていくとした。担当者は「患者やその関係者のみなさまにご迷惑をおかけして大変申し訳ない。ウイルス感染に至った原因の究明と、早期の復旧に向けてと全力を尽くしたい」としている。