こちらの過去記事について続編を書きます。
大手電機メーカーの出願案件をやっている弁理士は負け組
http://patintl.hatenablog.com/entry/2018/06/14/154506
正直煽り気味のタイトルにしてしまいましたが、
大手電機メーカーの仕事をやっているようでは弁理士としては
もう落ち目ですし、そんな仕事を大量に抱えている
特許事務所にはあまり将来性を感じないですよね。
ずばり大手電機メーカーに将来性を感じますか?
というとほとんどの方がNoといいますよね。
業績も伸びず、既にアジアの国に競争面でも追い抜かれ、
その結果として利益は伸びないから中高年のリストラに
踏み切ったりもしています。お先真っ暗な感じですね。
知財はどうでしょうか。新製品は出ているでしょうか。
目新しい新製品がないなら有望な発明なんてのも
本当にあるのか疑わしいですよね。
発明というものから程遠いものを、なんとかそれっぽく、
発明ということにして特許出願したものに
果たして価値があるのだろうかという疑問はあります。
そんな大手電機メーカーですが、儲かっていないので、
知財予算は当然減らさなければなりません。
予算を減らすという部分に対してきちんとリストラクチュアリング
ができていればよいのですが、日本企業に得てしてありがちなのが、
仕事量及びその負担はそのままで、
単価だけ下げる、というものです。
その結果として、どこかの某大手特許事務所では、
とある大企業からの案件受任は単価が安いので
所内的に受任が不人気になってしまったのだそうです。
ババ抜きのババを押し付けるようにたらいまわしにされ、
文句を言えない下っ端に押し付けられ、品質が悪いので
文句を言われ、ああだこうだした挙句、結局案件を引き上げる
ということになったそうです。
この話自体はだいぶ前のことですので、
似たような事例はもしかすると多いのかもしれません。
現在ちゃんと書ける弁理士は数が少ないですし、
そこに指名が来ると負担が集中してしまいますよね。
要領のよい弁理士ならそんな仕事からはさっさと逃げていきます。
単価の安い仕事と、質のよくない代理人の間で地獄絵図が
繰り広げられます。
将来性のある特許事務所というのは、働き手に対して
しかるべき待遇と労働環境を提供することにより実現されるはずです。
となると、受任業務を集めてくると共に、利益率の悪い仕事は
きちんと排除していくようなマネージメントが求められます。
今は大手からベンチャーへシフトする時代のような気がするのですよね。
そりゃまあ管理者は仕事取ってきて割り振ればよい大手の仕事が
一番楽ではありますが、現場の実務担当者にとってそれが報われるか、
というと私個人としては疑問が残ります。
あまり労働環境としていい場所ではないような気もします。
労働環境としてよくないなら落ち目なのではないかなあと思うのですが、
その辺はあくまで仮説であるということでご理解いただければと思います。