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熱海映画祭、赤字1465万円 追加未払い膨らむ

(2019/5/21 07:34)
調査結果について報告する斉藤栄市長(右)とフォーカスの髪林孝司代表取締役=20日午後、熱海市役所
調査結果について報告する斉藤栄市長(右)とフォーカスの髪林孝司代表取締役=20日午後、熱海市役所

 昨年熱海市で開催された「第1回熱海国際映画祭」で9月の決算公表以降に運営費などの追加支出が発生していたことが発覚した問題で、市と民間企業でつくる実行委員会は20日、市役所で会見を開き、収支に関する調査結果を公表した。9月時点で約61万円としていた赤字は約1465万円と大幅に拡大した。
 報告によると、決算を締めた昨年8月末以降に請求を受けるなどして実行委で新たに未払い費用として認知したのは約1418万円。内訳はレッドカーペットの生中継の企画制作費や俳優の出演料などスカパー・ブロードキャスティング向けが1千万円を占め、他にも家賃や人材派遣会社への支払いなどがあった。
 また、9月時点で把握していた費用のうち、国際公募審査のグランプリ作品に対する賞金100万円が未払いとなっていることも明らかにした。制作サイドには今年6月中に支払うことで了承を得ていたという。5月17日時点での未払い費用の残額は合計約896万円で、全額を実行委の代表企業フォーカスが負担するとした。
 フォーカスの髪林孝司代表取締役は支出が大幅に増えた要因について、各種の受発注契約を口頭で済ませるなど責任の所在が不明確だった点を挙げ「市民の皆様に心配をおかけして申し訳ない」と陳謝した。斉藤栄市長は実行委構成企業に対する市の管理、監督の甘さや公表の遅れを反省するとした上で、6月28日開幕の第2回は予定通り開催する考えを示した。

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