熱海市で昨年6月に開催された「第1回熱海国際映画祭」の収支を巡り、主催した実行委員会の内部で仲違いがあり、未払金が約850万円あることが分かった。
熱海国際映画祭実行委員会は昨年9月26日、熱海市役所で第1回熱海国際映画祭の報告記者会見を開き、同映画祭業務執行担当の髪林孝司氏(フォーカス代表取締役)が8月期の決算予想を公表した。収入はチケットの売り上げ金536万5500円など3458万4422円、支出は3520万754円。マイナス61万6332円で、赤字分はフォース社が負担するとしていた。
しかし、その後、実行委員会の構成企業の一つ、スカパー・ブロードキャスティングに対する未払金などが約850万円あることが分かった。スカパー社分(約750万円)は、K-POPイベント「パク・シフ スペシャルトークショー」の出演料などの立替金で、入場料収入が予想を大幅に下回ったのが原因。費用はフォーカス社が実行委員会を通じて全額支払う取り決めになっていたが、遵守されなかったため、市などに内部告発があり、明らかになっていなかった負債が発覚した。
実行委員会関係者によれば、これらの未払金について、フォーカス社は一部を支払った上で残額は「今年度と来年度の熱海国際映画祭の予算の中から支払う」と話しているという。
熱海市は「市の追加支出はしない」とした上で、他に未払金がないかも含めて詳細に調査し、近日中に説明会を開く方針。第2回熱海国際映画祭(6月28日から7月1日)は実行委員会の構成を一部変えて予定通り開催するという。
(熱海ネット新聞・松本洋二)
■第1回熱海国際映画祭の主催 熱海国際映画祭実行委員会(熱海市、イオンシネマ、スカパー・ブロードキャスティング、全日空、フォーカスで構成) 写真は右から髪林孝司氏(フォーカス)、齊藤栄市長、掛川義光氏(スカパーブロードキャスティング)=昨年4月17日