【首都スポ】[大学ラグビー]“新世紀”迎えた名門・早大引っぱる中野2019年6月1日 紙面から
名門・早大、4年生パワーで新時代に復活だ!! 関東大学ラグビー春季大会の早慶戦が5月26日、長野市のUスタジアムで行われ、早大が36-12で快勝した。主将のSH斎藤直人(4年・桐蔭学園)は欠場したが、斎藤とともに1年生から活躍してきたSO岸岡智樹(4年・東海大仰星)とCTB中野将伍(4年・東筑)が攻守にフル回転してチームをけん引した。昨季で創部100周年と“新世紀”を迎えた早大蹴球(ラグビー)部。黄金時代再びに向け、4年生がチームを力強く引っ張る。 (大友信彦) ◆黄金時代再び…「やっぱり早慶戦には懸ける思いがある。対抗戦や大学選手権だけじゃなく、春でも『慶応には負けられない』という思いは変わりません」 そんな思いが最高気温32度(ピッチ上の体感温度は40度近くか)という中で、2トライ3ゴールの計16得点の活躍につながった。岸岡は欠場した主将のSH斎藤に代わり、安定感抜群のゲームメークとゴールキックで早大を統率した。 「シーズンにもナオト(斎藤)がいないときはあるだろうし、そのときのためにもいい経験になった。自分にとっても、普段は『ナオト!』と呼ぶだけで意思疎通できるけど、今日は2年生の河村と組んで、いつもより具体的にコールしなきゃいけなかった。成長の機会になったと思います」 早慶戦では、斎藤-岸岡のHBペアとともにルーキーイヤーから出場してきた早大BKの看板、CTB中野も活躍。慶大の集中タックルを浴びても力強い突進を繰り返し、時にはキックも交えてトライの起点をつくった。 「自分はボールを持ったら突進するタイプと思われているだろうけど、ボールを持ったら相手を引きつけて周りを生かすこともできる。それができれば、元々の強みのキャリー(ボールを持っての前進)もより生きてくると思うし、もっとハードキャリーができるようにレベルを上げていきたい。キックも今日は外からの声があって反応してトライにつなげられた。そういうコミュニケーションの部分も高めていきたい」 主将の斎藤は昨年、日本代表予備軍のジャパンAに選ばれてニュージーランドへ遠征し、サンウルブズの合宿に練習生として招集された。今年は斎藤に加え、岸岡と中野もフィジー、トンガなどと対戦するパシフィックチャレンジにジュニア・ジャパンの一員として名を連ねた。見据えるステージは国内の頂点だけではない。 「大学に来てこれまで3年間のパフォーマンスよりも高いものを見せたい。上のステージでも通用するように、強みのボールキャリーについても今まで以上にレベルを上げていきたい」と中野は目を光らせる。岸岡も「今まで以上にレベルアップして、オプションも増やしていきたい」と意欲満々だ。 主将の不在を感じさせない存在感で春の早慶戦でチームを完勝に導いたBKの両エースが6年ぶりの正月越え、そして11年ぶりの頂点へ早大をけん引する。 <中野将伍(なかの・しょうご)> 1997(平成9)年6月11日生まれ、北九州市出身の21歳。186センチ、98キロ。スポーツ科学部4年。3歳のとき、鞘ケ谷RS(北九州市)でラグビーを始め、福岡・東筑高3年で高校日本代表。早大では1年からCTBのレギュラー。2015、17、19年のジュニアジャパン。 ◇ 首都圏のアスリートを全力で応援する「首都スポ」。トーチュウ紙面で連日展開中。
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