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第3回 | シボレーの最新車デザイン・性能情報をお届け

60年代の伝説再び、『コルベット グランスポーツ』

アメリカンスポーツの元祖であり代名詞であるシボレー『コルベット』。少なからずヨーロピアンスポーツの影響を受けたという誕生の経緯があり、ドイツ、イタリア、英国などのスーパースポーツと渡り合える唯一無二のアメリカ代表といったところだろう。このコルベットに、伝説のモデルの名を冠した高性能スポーツグレードが新たに設定された。それが2016年11月から販売が開始された『コルベット グランスポーツ』である。

モンスター級の心臓部を搭載した『コルベット』史上もっとも純粋なスポーツモデル

コルベットの歴史は古く、1954年に遡る。以来、モデルを重ねながら、現行型はC7型、つまり7代目コルベットとなる。この50年、7代の歴史のなかで、第4世代と第6世代にのみ存在していた伝説のモデルが『コルベット グランスポーツ』だ。ル・マンで勝つことを目的に、1963年にわずか5台のみ製造された特別なコルベット・プロトタイプの車名から取られたモデル。その『グランスポーツ』が、第7世代でも復活することになった。

新型『コルベット グランスポーツ』は、コルベット史上、もっとも純粋なスポーツモデルといっていいだろう。GM(ゼネラル・モーターズ)のチーフエンジニアいわく「市場に出すことのできるすべての技術を惜しみなく導入した」1台だという。なかでも特筆すべきは、モンスター級の心臓部。搭載する自然吸気の6.2L V8エンジンは、最高出力343kW(466ps)/6000rpm、最大トルク630N・m(64.2kg・m)/4600rpm。時速60マイル(約100km/h)に達する時間は、わずか3.6秒だ。

心臓部で発せられたパワーを足回りへと伝えるトランスミッションは2種類。8速ATはパドルシフトも備えており、瞬時の変速を実現した。7速ATはシフトチェンジの際、最適なエンジン回転数に合わせる「アクティブレブマッチング」を搭載している。

足回りは、フロント19インチ、リア20インチのレッドストライプ付きの軽量サテンブラックアルミホイールが引き締める。ミシュラン製のパイロットスーパースポーツタイヤを標準装備し、優れたグリップとトラクションを発揮してくれる。

スピードが速くなるほど重要になるのが制動性能だ。安心して加速できるのは、標準装備のブレンボ社製ブレーキがあるからだ。フロント370mm、リア365mmの大型ロータで、サーキット走行などの激しいパフォーマンスでも、高いブレーキング性能を発揮する。

特別な内外装が施された15台限定の『グランスポーツ ヘリテージ』も同時に発売

もちろん、日常使いへの配慮も忘れていない。モータースポーツ直系のスポーツ走行から快適なロングツーリング、日常の穏やかなドライブや悪天候にまで対応するために、ダイヤルを回すだけで、走りをカスタマイズできる「ドライバーモードセレクター」を搭載。「ウェザー」「エコ」「ツアー」「スポーツ」「トラック」と5つのモードを備え、最大12の機能を最適にセッティングしてくれる。

エクステリアは走りを追求した機能美に溢れている。ワイドボディは高いコーナリング性能をもたらし、エアロダイナミクスは強力なダウンフォースと冷却効果を生み出す。たとえば、軽量ボディと一体化したリアスポイラーは高速走行時の揚力を抑え、大型ベントはエンジン、ブレーキ、トランスミッション、ディファレンシャルを効果的に冷却する。

今回は、限定モデル『グランスポーツ ヘリテージ』も同時に発表。歴代グランスポーツの財産を継承し、ハッシュマークを施したワイドボディの際立つエクステリアとツートーンカラーで彩られた特別なインテリアを融合した。ボディカラーは、ブラック、アークティックホワイト、コルベットレーシングイエローの3色で、各5台、計15台のみ限定販売される。

GMいわく「エキサイティングかつ最新のパフォーマンスを体験することができる1台」である『コルベット グランスポーツ』。アメリカンスポーツを代表する1台に、また新たな歴史が刻まれた。

Text by Tsukasa Sasabayashi

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第8回 | シボレーの最新車デザイン・性能情報をお届け

C8はミッドシップ──新型コルベット、まもなくデビュー

発表前のニューモデルがカモフラージュ模様をまとい、公道でテスト走行を行うのはよく見られる光景だ。それらは自動車メディアのスクープ、あるいはメーカーが発表した写真によって目にすることが多い。しかし、世界有数の大都市、ニューヨークのど真ん中にカモフラージュ模様のプロトタイプが登場するのは、わりとレアケースではないか。GM(ゼネラルモーターズ)は4月初旬、デジタルカモフラージュ加工を施したシボレー『コルベット』の次期モデルをニューヨークの街で走らせるデモンストレーションを行った。

アメリカンスーパースポーツの代表車種『コルベット』が6年半ぶりモデルチェンジ

1960〜70年代のマッスルカー全盛の時代から、アメリカには数多のスポーツカーが存在してきた。シボレー『コルベット』は、間違いなくその代表車種のひとつだろう。モータースポーツの世界でも輝かしい成績を残し、世界中で多くのファンに愛されている。

初代モデルの登場は1953年。「アメリカ独自のスポーツカーを生み出す」との思いから誕生し、以来60余年、7世代にわたって系譜を紡いできた。とりわけ1966年デビューの第3世代、通称「C3」は、光岡自動車のヒットモデル『ロックスター』のモチーフとなるなど、今も『コルベット』の象徴として高い人気を誇る。現行モデルは第7世代だ。

その『コルベット』が6年半ぶりにモデルチェンジを行い、第8世代、つまり「C8」へと進化する。シボレーブランドを展開するGMは、今年7月18日に新型『コルベット』を公開することを発表。そしてニューヨーク国際モーターショーを翌週に控えた4月11日、ニューヨークのど真ん中で新型『コルベット』のプロトタイプを走らせたのである。

ショートノーズのスタイリングにミッドシップ。大きく変わる8代目『コルベット』

カモフラージュ模様のプロトタイプが現れたのは、ニューヨーク市マンハッタン区のウェストサイドを南北に走る7番街。タイムズスクエアに近い地区だ。ハンドルを握るのは新型『コルベット』のチーフエンジニアをつとめるタッジ・ジェクター氏、助手席に座るのは大手自動車メーカーで初の女性CEOとなったGMのメアリー・バーラ氏である。

アメ車に詳しい人なら、左右のドアに公開日を予告する「07.18.19」のバナーを貼ったこのプロトタイプを見て「おや?」と思ったに違いない。『コルベット』といえば、初代からFR(フロントエンジン・リアドライブ)レイアウトをもつロングノーズ・ショートデッキのフォルムが伝統。ところが、「C8」は対照的に、フロントノーズが短くリア部分が長い。キャブフォワード(運転席が車体中央から少し前方に位置)スタイルとなっている。

このフォルムは、「C8」のエンジンがミッドに搭載されることを意味する。つまり『コルベット』史上初となるミッドシップ・エンジンレイアウトを採用するということだ。

ハイブリッドモデルも登場? まったく新しいアメリカンスーパースポーツに進化する

しかも、驚くべきことに、ミッドシップのみならず、ハイブリッドモデルのラインナップまで噂されている。少なくとも、ダウンサイジングによって効率化をはかり、大排気量のV8エンジンを搭載するモダンマッスルカーに別れを告げることが予想される。「C8」は、これまでに例のない、まったく新しいアメリカンスーパースポーツとなりそうだ。

いずれにせよ、新型の全容はまもなく明らかになる。前述のとおり、GMは今年7月18日に「C8」をお披露目することを公式に発表済みだ。おそらく、アメリカの自動車業界だけではなく、世界中のスポーツカーファンにとって胸が躍る一大イベントとなることだろう。その日まで残り2カ月足らず。新型『コルベット』のデビューを刮目して待ちたい。

Text by Kenzo Maya
Photo by (C) General Motors
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)

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