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第34回 | 大人のための最新自動車事情

トライアンフ『ボンネビル』に“リアルボバー”が登場

トライアンフは、新型の水冷エンジンを搭載し、全面的なモデルチェンジを施したボンネビルシリーズをベースとした、プレミアムカスタムの『ボンネビル ボバー』を発表した。この『ボバー』の特徴は、なんといっても本格的“リアルボバー・スタイル”であること。『ボンネビルT120』のエッセンスだけを残し、贅肉をそぎ落とした、バイク業界からいえば禁じ手のワークスカスタムによる、まさにこれ以上でもこれ以下でもないモデルとなっている。

余計なモノを切り取った“ボバー・スタイル”のトライアンフ『ボンネビル ボバー』

“ボバー・スタイル”とは、最近のバイク・トレンドのひとつで、「余計な物を切り取り軽量化したバイク」という意味。それは、切り落として短くしたフェンダー(Bobbed Fender)が語源といわれている。

トライアンフ『ボンネビル ボバー』は、正真正銘メーカーが手がけた本格的な“リアルボバー”だ。ボディラインの美しさを強調したロー&ロングなスタイリング、ミニマルな車体とヘッドライト、美しく造形されたタンク、ワイヤースポークホイール、ワイドリアホイール。そしてリアサスペンションがない、リジットフレームに見えるフレームデザイン…。また、アナログであることを強調すべく、電子コンポーネントを意図的に全部隠していることなど、リアルボバーとしての特徴を挙げていくときりがない。

そうしたなかでも、このボバーを前にすれば、誰でも跨ってみたいと欲するに違いないシングルシートは秀逸だ。

アルミ製フローティングシングルシートパンに厚手のフォームパッド、そしてシートをかたどる美しいステッチは、所有欲を満足させる。ライダーの体格に合わせてシート位置が変えられるアジャスタブルライディングポジションは、アジア人にはうれしい装備だ。ホットロッド的な走りにも着座位置がずれることがなく、またロングツーリングを苦にしない座り心地を約束してくれる。

スタイルはボバーでも走りはボマー! 自分好みにカスタムできる充実のアクセサリー

ディテールを見ると、フロントフォークラバーやバーエンドミラーなどの定番装備に、クラシックなバイクと同じようにイグニッションスイッチを車体右下のパネル前にセットする凝りよう。また、ステンレススチールのストラップがついたバッテリーボックス、さらにドラムブレーキ風リアハブの採用等々、各所に物語が詰まっている。

搭載するボンネビル1200cc水冷ツインエンジンは、ボバー専用にチューンされ、低回転域でのトルクとパワーをさらに補強。ヨーロッパによくある石畳の道なら、アクセルを開けるだけで簡単にホイールスピンし、白煙をあげるほどのパワーを発揮する。スタイルはボバーでも、走りはボマー (Bomber)というわけだ。

最後にもうひとつ、見逃せないのが、トライアンフのサイトにある「100種類 を超えるアクセサリーで、自分だけの一台に…」というコメント。どうやら、ボバーにはかなりのアクセサリーが用意されているようで、ワークスカスタムにさらに自分好みのカスタムが加えられそうだ。

すでにトライアンフの公式サイトでは、ボバーの画像や装備の説明が掲載されており、日本への導入予定やスペックの詳細、価格も順次発表されるとのこと。新しいバイクを探している貴兄は、この『ボンネビル・ボバー』もぜひ選択肢のひとつに加えてほしい。その価値はある。

Text by Katsutoshi Miyamoto

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第129回 | 大人のための最新自動車事情

マッチョな軍人たちへ──愛国仕様のダッジチャージャー

『ワイルド・スピード』の第一作が公開されたのは2001年のことだ。主人公ドムの愛車は、圧倒的パワーをもつ古き良き時代のダッジ『チャージャー』。言わずとしれたマッスルカーである。あれから10余年。アメリカでは今、シリーズにたびたび登場する1960〜70年代の『チャージャー』の価値が上昇し続けている。なにしろ、このSUV全盛の時代にあって、現行の『チャージャー』『チャレンジャー』までもが10年間で70%も販売台数が伸びているのだ。そして、この人気を逃すまいとブランドもさまざまな限定車やオプションを設定。今年4月には、なんとも印象的なストライプのカスタムルックが登場した。

モダンマッスルカーの代表車種2台。ダッジ『チャージャー』と『チャレンジャー』

マッスルカーとは、広義では大排気量のV8エンジンを搭載するハイパフォーマンスのアメリカ車を指す。狭義では1968年から1971年にかけて作られた高性能でハイグレードなアメ車のこと。フルサイズのセダンやクーペ、後輪駆動車が多い。したがって、より正確にいうと、現行車種はマッスルカーではなく、ニューマッスルカーなどと呼ばれる。

そのモダンなマッスルカーのひとつが、ダッジブランドの現行『チャージャー』『チャレンジャー』だ。『チャージャー』は2ドアクーペで、いわば生まれながらのマッスルカー。『チャレンジャー』は4ドアセダンで、フォード『マスタング』と同様にポニーカー(手頃な価格のスポーティカー)として誕生した。いずれも現行型は第三世代で、発表されてから10年以上の時を刻んでいる。にもかかわらず、本国では依然高い人気を誇るモデルだ。

その証拠に、4月のニューヨークオートショー2019において、2台の上位グレードに設定可能な特別パッケージが発表されると、それだけでニュースになったほど。パッケージの名称は「stars & stripes edition(スター・アンド・ストライプス・エディション)」。ミリタリーをテーマとする渋いストライプをまとったカスタムルックのオプションである。

テーマは星条旗。フロントからリアにかけて走る極太のサテンブラック・ストライプ

「stars & stripes edition」は、その名のとおり、「スター・アンド・ストライプス(星条旗)」をテーマにしたカスタムルックだ。最大の特徴は、フロントからリアにかけてボディを覆うようにペイントされたサテンブラックのストライプ。この極太ストライプの正面に向かって右側、つまりドライバーズシート側には、シルバーの縁取りが入っている。

シートはブラックのファブリック(布製)で、ヘッドレスト側面に刺繍されたブロンズのスターが目を引く。このブロンズカラーはシートとステアリングホイールのステッチにも使用されている。そのほか、ボディ側面にさりげなく描かれている星条旗、20インチホイール、前後のスポイラー、装備されるバッジ類は、すべてサテンブラック仕上げだ。

選択できるボディカラーは、「デストロイヤーグレイ」「F8グリーン」をはじめ、「グラナイトクリスタル」「インディゴブルー」「マキシマムスティール」「オクタンレッド」「ピッチブラック」「トリプルニッケル」「ホワイトナックル」の全9色。写真の『チャージャー』はデストロイヤーグレイ、『チャレンジャー』がまとっているのはF8グリーンだ。

軍人や愛国精神をもつマッチョたちのために設定されたカスタムルックのオプション

「統計によると、軍人が購入するアメリカンブランドのなかで、もっとも人気があるのはダッジ」。これはダッジのプレスリリースにある一文だ。とりわけ、彼らがもっとも多く選択しているのが『チャージャー』と『チャレンジャー』だという。つまり、軍人や愛国精神をもつマッチョな男たちのために設定されたのが今回の星条旗ルックというわけだ。

愛国精神はともかく、マッスルカーがマッチョな男に似合うのは『ワイルド・スピード』シリーズを見れば一目瞭然。日本人はよほど筋トレしないとむずかしいかもしれない。

なお、「stars & stripes edition」が設定されるのは『チャージャーR/T』『チャージャー スキャットパック』『チャージャーGT RWD』『チャレンジャーR/T』『チャレンジャーR/T スキャット・パック』『チャレンジャーGT RWD』の6車種。5月から発売される。

Text by Kenzo Maya
Photo by (C) Fiat Chrysler Automobiles
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)

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