余計なモノを切り取った“ボバー・スタイル”のトライアンフ『ボンネビル ボバー』
“ボバー・スタイル”とは、最近のバイク・トレンドのひとつで、「余計な物を切り取り軽量化したバイク」という意味。それは、切り落として短くしたフェンダー(Bobbed Fender)が語源といわれている。
トライアンフ『ボンネビル ボバー』は、正真正銘メーカーが手がけた本格的な“リアルボバー”だ。ボディラインの美しさを強調したロー&ロングなスタイリング、ミニマルな車体とヘッドライト、美しく造形されたタンク、ワイヤースポークホイール、ワイドリアホイール。そしてリアサスペンションがない、リジットフレームに見えるフレームデザイン…。また、アナログであることを強調すべく、電子コンポーネントを意図的に全部隠していることなど、リアルボバーとしての特徴を挙げていくときりがない。
そうしたなかでも、このボバーを前にすれば、誰でも跨ってみたいと欲するに違いないシングルシートは秀逸だ。
アルミ製フローティングシングルシートパンに厚手のフォームパッド、そしてシートをかたどる美しいステッチは、所有欲を満足させる。ライダーの体格に合わせてシート位置が変えられるアジャスタブルライディングポジションは、アジア人にはうれしい装備だ。ホットロッド的な走りにも着座位置がずれることがなく、またロングツーリングを苦にしない座り心地を約束してくれる。
スタイルはボバーでも走りはボマー! 自分好みにカスタムできる充実のアクセサリー
ディテールを見ると、フロントフォークラバーやバーエンドミラーなどの定番装備に、クラシックなバイクと同じようにイグニッションスイッチを車体右下のパネル前にセットする凝りよう。また、ステンレススチールのストラップがついたバッテリーボックス、さらにドラムブレーキ風リアハブの採用等々、各所に物語が詰まっている。
搭載するボンネビル1200cc水冷ツインエンジンは、ボバー専用にチューンされ、低回転域でのトルクとパワーをさらに補強。ヨーロッパによくある石畳の道なら、アクセルを開けるだけで簡単にホイールスピンし、白煙をあげるほどのパワーを発揮する。スタイルはボバーでも、走りはボマー (Bomber)というわけだ。
最後にもうひとつ、見逃せないのが、トライアンフのサイトにある「100種類 を超えるアクセサリーで、自分だけの一台に…」というコメント。どうやら、ボバーにはかなりのアクセサリーが用意されているようで、ワークスカスタムにさらに自分好みのカスタムが加えられそうだ。
すでにトライアンフの公式サイトでは、ボバーの画像や装備の説明が掲載されており、日本への導入予定やスペックの詳細、価格も順次発表されるとのこと。新しいバイクを探している貴兄は、この『ボンネビル・ボバー』もぜひ選択肢のひとつに加えてほしい。その価値はある。
Text by Katsutoshi Miyamoto