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第12回 | ランボルギーニの最新車デザイン・性能情報をお届け

ランボルギーニ・ミウラ50周年を祝う特別限定モデル

「ランボルギーニ」。少しでもクルマに興味があれば、いや、興味がなくとも、フェラーリと双璧を成すこのスーパーカーブランドを知らない人間はいないだろう。今でこそ確固たる地位を築いているが、意外にもその歴史は浅い。会社設立は1963年。トラクターなどの製造販売で財をなしたフェルッチオ・ランボルギーニがフェラーリに対抗して興したことは、あまりにも有名だ。当時、新興メーカーにすぎなかったランボルギーニを一躍世に知らしめたのが、1966年に発表された『ミウラ』である。40〜50代男性にとっては、1970年代のスーパーカーブームで人気を博した印象が強いだろう。2016年は『ミウラ』誕生から50周年。そのメモリアルイヤーを彩るべく、特別仕様車『アヴェンタドール・ミウラ・オマージュ』が発表された。

ランボルギーニをフェラーリと並ぶスーパーカーブランドに押し上げた立役者「ミウラ」

『ミウラ』は、ランボルギーニが初めて手掛けたスーパーカーである。カロッツェリア・ベルトーネ製の流麗なボディに、ジャンパオロ・ダラーラが設計した4L・V12の大排気量エンジンをミッドシップで横向きに配置。なにもかもが新しかったこの1台は、世界中にランボルギーニの存在感を示し、一躍フェラーリと肩を並べるスパーカーメーカーへと押し上げた。

この伝説の名車に敬意を表してその名を冠した特別仕様車が『アヴェンタドール・ミウラ・オマージュ』だ。ベース車両はランボルギーニのフラッグシップモデルで、約4317万円の『アヴェンタドール LP700-4』。6.5L・V12エンジンを搭載し、最高出力700ps、最大トルク690Nmを発生させる。最高時速は350km/h、100km/hまでをわずか2.9秒で加速する、まさにモンスターマシンだ。

ランボルギーニ「アヴェンタドール」をベースに「ミウラ」を意識したエクステリアカラー

エクステリアで最も印象的なのは、ツートンのボディカラー。上部は『ミウラ』の代表的なボディカラーに倣い、ソリッドなレッドを意識した「ロッソ・アランシオ」をはじめ、「ヴェルデ・スキャンダル」「ブルー・タヒチ」など、全部で6色が設定されている。

そして、下部を彩る「マットゴールド」(またはマットシルバー)がコントラストを生み出し、ボディ全体のイメージを引き締める。もちろん、これも『ミウラ』に由来することは言うまでもない。また、サイドにはメタリック仕様のミウラ・バッヂ、リアにはブラックのランボルギーニ・ロゴが施された。

ホイールにも『ミウラ』へのオマージュが感じられる。ボディ下部と同様に、マットゴールド(またはマットシルバー)のディオーネ20/21インチリムを設定。「ロッソ・アランシオ」にゴールドのホイールは、まさに往年の『ミウラ』を彷彿させる。

「ミウラ・オマージュ」は全世界50台の限定生産、すでに完売の情報もある超プレミアモデル

インテリアではカーボンファイバーパッケージを標準装備。シートには、全面がネロ・アデ(ブラック)のモノトーン、もしくはトーン・オン・トーンを施したテラ・エミリア・レザーシートが用意された。このシートには、ゴールドかシルバーの「Miura50」というミウラ50周年ロゴが、革張りのダッシュボードには「Lamborghini(ランボルギーニ)」の刺繍が施されている。

『ミウラ』が生産されたのは1972年までの6年間。台数は760台といわれている。この希少性も『ミウラ』が名車たる所以のひとつだろう。

一方、『アヴェンタドール ミウラ オマージュ』は、『ミウラ』誕生50周年にちなんで、全世界で50台の限定生産。価格は公開されていないが、すでに完売という情報も流れており、入手は困難。間違いなく、後世に名車として語り継がれる1台となりそうだ。

Text by Tsukasa Sasabayashi

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第37回 | ランボルギーニの最新車デザイン・性能情報をお届け

最強オープン──アヴェンタドールSVJロードスター

『イオタ』の名は、ある世代の男たちにとって特別な響きをもつ。言わずとしれたランボルギーニの幻のスーパーカーである。この『イオタ』に由来する車名を与えられ、900台が昨年限定発売された『アヴェンタドールSVJ』は、“史上最強のアヴェンタドール”として大きな話題となり、瞬く間に完売となった。その興奮が収まらぬなか、さらなる魅力を加えた一台が登場した。オープントップモデルの『アヴェンタドールSVJロードスター』だ。至高のV12サウンドをオープンエアで愉しむ。こんな贅沢がほかにあるだろうか。

伝説の「J」再び。最速記録をもつ『アヴェンタドールSJV』のオープンバージョン

スーパーカー世代の男性は、「SVJ」という三文字に胸を踊らせるに違いない。1969年に先行開発の名目でたった一台だけが作られ、のちに事故で失われた伝説の実験車両「J」。その純正レプリカにつけられた名前だからだ。レプリカは『イオタ(Jota)』、あるいは『ミウラSVJ』と呼ばれている。「SVJ」は「スーパーヴェローチェ イオタ」の略だ。

ベースとなったのはランボルギーニ初のミッドシップスポーツカー『ミウラ』。生産台数については諸説あるが、6台、または8台ともいわれる。まさに幻のスーパーカー。だからこそ、『アヴェンタドール』シリーズの頂点に立つ存在として「SVJ」の名をもつモデルが登場したとき、ランボルギーニファンやスーパーカーファンが沸き立ったのである。

『アヴェンタドールSJV』が搭載するのは、最高出力770ps/8500rpm、最大トルク73.4kg-m/6750rpmを発生する6.5L V型12気筒エンジン。出力とトルクは、標準モデルよりもそれぞれ30hpと30Nm高められている。その圧倒的なパフォーマンスは、ニュルブルクリンク北コース“ノルドシュライフェ”での量産車最速タイム(当時)で証明済みだ。

従来の最速タイムは、昨年9月にポルシェ『911 GT2 RS』が記録した6分47秒3。『アヴェンタドールSJV』は、それを2秒以上も短縮する6分44秒97という驚異的なタイムを記録した。この最速クーペのオープンバージョンとなるのが、3月のジュネーブモーターショー2019でお披露目された『アヴェンタドールSJVロードスター』だ。

0-100km/h加速は驚異の2.9秒。ランボルギーニ史上“最速・最強”のロードスター

オープントップには『アヴェンタドールSロードスター』と同様の脱着式ルーフを採用した。ルーフは左右2分割式のカーボンファイバー製で、これを手動によって取り外す。クルマを降りなければならないが、オープン化の作業は非常に簡単で、ルーフも軽量。取り外したルーフはフロントのボンネット内にきれいに収納できるように設計されている。

電動で開閉するリヤウインドウを新たに採用したのもトピックだろう。ルーフを着けたクローズドの状態でも、ここを開ければV12サウンドをより愉しむことができるのだ。

脱着式ルーフにあわせてリヤのエンジンパネルの形状もフラットなものへと変更された。ただし、パネルにデザインされたランボルギーニファンにおなじみのY字は健在だ。そのほかのエクステリアはクーペを継承。大型エアインテーク、ワイドなサイドスカート、ヘキサゴン型スポイラー、リヤでは高い位置に設置された大型リアウィングが目を引く。

オープン化によって車重はクーペより50kgほど重くなっているが、それでも1575kg程度に収まっている。全長4943mm×全幅2098mm×全高1136mmものボディサイズをもち、12気筒エンジンを搭載するスーパーカーであることを考えると望外に軽量だ。それにより生み出されたパワーウエイトレシオはわずか2.05kg/hp。0-100km/h加速は驚異の2.9秒、0-200km/h加速は8.8秒でこなし、最高速度は350km/h超をマークする。

可変型エアロダイナミクスの搭載により、トップスピードを落とさず空力性能を強化

特筆すべきは「ALA2.0(アエロディナミカ・ランボルギーニ・アッティーヴァ2.0)」と呼ばれるテクノロジーの装備だろう。『アヴェンタドールSJVロードスター』が搭載するのは、クーペと同じ最高出力770ps の V12エンジン。この強力なパワーユニットを軽量ボディに積めば、車体を制御できず、フロントから浮き上がって一回転しかねない。

そこで、トップスピードを落とすことなくダウンフォースを強化する、ランボルギーニの特許技術である「ALA」が必要となるのだ。「ALA」は、簡単にいうと能動的に空力の負荷を軽減してくれる可変型エアロダイナミクスのこと。速度ではなく、車両状態に連動するという特徴をもつ。フロントスプリッタとエンジンフードのアクティブフラップをモーター制御することにより、フロントとリヤの空気の流れをコントロールしてくれる。

この「ALA」と、搭載されたすべての電子装置をリアルタイムで管理し、加減速やローリング、ピッチング、ヨーイングといった車両の挙動を常に把握する「ランボルギーニ・ピアッタフォルマ・イネルツィアーレ」(LPI)が連動し、あらゆる走行条件下で最高の空力設定を整えてくれる。さらに、曲がる方向に応じて「ALA」の設定をスポイラーの左右いずれかに切り替え、どちらかに多く気流を発生させる「エアロ・ベクタリング」も備える。

駆動方式は四輪駆動で、フロントアクスルとリアアクスルとの間トルク配分は道路条件、グリップ、ドライビングモードに応じて、リアルタイムに変化する。また、後輪操舵システム「ランボルギーニ・リアホイール・ステアリング」や磁性流体プッシュロッド式のアクティブサスペンションを採用し、高次元のドライビングダイナミクスを実現した。

走行モードは、標準の「STRADA(ストラーダ)」、スポーティな走りの「SPORT(スポーツ)」、サーキット走行向けの「CORSA(コルサ)」、そしてこの3種類をベースに自分好みにカスタマイズすることができる「EGO(エゴ)」の4種類から選択可能だ。

『アヴェンタドールSVJロードスター』は800台限定生産。価格は6171万4586円

インテリアは航空機に着想を得たデザインとなっており、ドアやメータークラスター、コンソールなどにカーボンファイバーを採用。シートやダッシュボード上部、コンソールボックスにはレザーやアルカンターラを使用している。また、コクピットの随所にもY字デザインがあしらわれ、「SVJ ロードスター」のインテリアプレートも装備する。

限定生産台数はクーペよりも100台少ない800台。日本での価格は、クーペからおよそ600万円高となる6171万4586円(税込み)と発表されている。しかし、これはあくまでも参考価格だ。ランボルギーニは、顧客の要望に応じてボディカラーやインテリアに事実上無限の選択肢を用意しており、それらによって価格も大きく変動する。

ランボルギーニのフラッグシップモデル『アヴェンタドールSVJ』のずば抜けたパフォーマンスはそのままに、オープン化をはたした『アヴェンタドールSVJロードスター』。シリーズ最速・最強の称号をもつオープンモデルの上陸がいまから楽しみでならない。

Text by Muneyoshi Kitani
Photo by (C) Automobili Lamborghini S.p.A.
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)

動画はこちら
Lamborghini Press Conference – ジュネーブモーターショー2019
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