ボディのデザインは、明らかにBrennanが製作した実機をモデルにしている。 |
現在、これらのおもちゃで、機能が保たれているものは数少なく、オークションでも高価となる(10万円以上)。 |
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逆転スイッチでモータを駆動するだけならば簡単であるが、加力しないときには、ジンバルの動きに抵抗しないことが重要な条件となる。この点で、ギア比が高いサーボモータは適さない。 |
図の左は、ツインジャイロのギアリンケージを示している。右上は、動力台車の機構。右下は、全体のレイアウト。これは、ウェイトを左右に動かすシステムを想定していて、試作6号機くらいの段階のもの。 |
下の図は、ジャイロの構造。ホイールを独立して支持し、モータをサイドに出すか、あるいは、上部に設置してプーリィで伝動するか、を考えているところ。 |
ホイールの支持を独立させ、モータとは図のように(スプリングカップラなどで)ジョイントするのが理想的だが、それではスペースを取るため、9号機は大きなモータにホイールを突き刺しただけのシンプルな機構を採用した(つまり、モータのベアリングでホイールを支える)。 |
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11号機の初期のスケッチ。垂直軸(並列配置)ツインジャイロはこのとおり実現しているが、ジンバルのリンケージは、当初ワイヤとプーリィによるものを考えていた。のちに、右端に描かれているようにギアによるリンケージを採用。 ジンバルに加力するサーボは、ツインジャイロの左にあって、常に回転するモータの軸に、スリットの上下面いずれかを当てる方式を考えていた(軸摩擦方式を、ジャイロのホイールではなく、独立したモータで行う方式)。これは、実現しなかった。右下の断面図も、その摩擦部の機構を示したもの。 |
ちなみに、ここまでのスケッチでは赤いサインペンで描かれたものが多い。手近に、赤いペンしかないことが多いためである。 |
青いのはコピィの表紙で、上は実物の写真、下はジャイロの機構を横と前から描いたもの。ジャイロの軸が、上部でスリットの中に突き出ている。 |
下の図が、モータとホイール、およびジンバル。Precession forkとあるのがスリット。ホイールはジンバルで支持され、モータは下部にぶら下がっている。歳差の中心(Axis of precession)は、ホイールより下にあって、モータを含めたジンバル全体の重心が上になるようにする。 |
左にジャイロがあり、右に走行用モータがある。 面白い点は、バッテリィを搭載していないこと。当時は電池が重いから、車両に載せることはできなかった。そこで、下のワイヤと、もう一本上部に架線を通し、これに接触させて集電する仕組みとなっている。そのワイヤがあるなら、ジャイロがなくても倒れないのではないか、という疑問は残る。 |
何故、このような現象が起こるのかを説明したメモ(汚い図と文字をご容赦下さい)。 上から見て左回転するシングルジャイロを持った車両が、左へカーブしようとしている。するとカーブの外側へ遠心力が作用する。このため、ジャイロ(A)が下がろうとし、ジャイロ効果で90°ずれた(B)が下がる(ジャイロのジンバルが前に傾く)。 |
これは、前傾していたジャイロを元に戻そうとする力が作用するのと同じである。ジャイロが傾いたとき、ジャイロをさらに倒す方向に作用させることが安定性を得る方法であるが、これではまったく逆となり、すなわち、車両は不安定になる(外側へ転倒することになる)。 |
遠心力が働き、(C)が下がろうとするため、ジャイロ効果でジンバルは(D)が下がる。つまり、後方へジャイロが傾く。 |
このため、後方へ傾いたジャイロを、さらに後方へ傾ける力が作用し、これはバランシング・サーボが加力するのと同じ働きをする。これにより、車両は、カーブの内側へ傾き、カーブを安定して通り抜けることができる。 このような、左右の非対称性を避けるために、ツインジャイロが開発された。シングルジャイロに、補正を行って問題を解決しようと試みた実例もあったが、結果的には失敗している。シングルジャイロのこの不安定性が、ジャイロモノレールの一般的な欠点だと誤解され、計画が取り消された例が過去にカナダであった。 |