大相撲の夏場所で初優勝を飾った幕内・朝乃山(25)=高砂=が31日、優勝後初めて地元の富山に凱旋(がいせん)した。会見のため訪れた富山市内の県民会館では職員ら約30人が歓迎。市役所前には初Vを祝う横断幕も掲げられ「優勝おめでとうございますという声をたくさんかけてもらって、優勝したんだなと。自分もうれしかったですし、応援してくれた富山県民の皆さんもうれしかったと思う」とトレードマークのはにかんだ笑顔を見せた。
久しぶりとなった帰省も、富山からは元横綱・太刀山以来103年ぶりの優勝力士とあってこの日は大忙し。午後の会見から、テレビ出演や取材が続いた。ゆっくりする時間を取ることも難しいが、したいことを問われて「富山のおいしいご飯が食べたい」。特に「富山の水が一番おいしい。水が飲みたいですね」と語った。
現在は、千秋楽(26日)から1週間の稽古休み期間中。予定が無い日は好きなアクション映画のDVDなどを見て、リラックスした時間を過ごしているという。3日から稽古を再開する予定で「基礎からしっかりやっていって、筋肉もつけて肉体改造したい」と、名古屋場所(7月7日初日・ドルフィンズアリーナ)を見据えた。
名古屋は自己最高位の前頭5枚目を更新して臨む事は濃厚。横綱・大関陣との対戦も予想される。「横綱たちと戦える。自分の相撲を取って負けたら稽古が足りないと言うこと。勝ったらそれを伸ばして行きたい」と気合いは十分。「太刀山さんは横綱。それに近づけるように頑張りたい」と、優勝9度を誇った地元の大先輩の背中も追う。