桁違いの安全性と居住性、超豪華な室内装備
日本ではRVというと「レジャービークル」だが、アメリカの場合、RVは「Recreational Vehicle(レクリエーショナル ビークル)」、つまりキャンピングカーを意味する。日本のキャンピングカーは一般市販車を改造するタイプのもので、たしかにリーズナブルでお手頃だが、一度でも専用設計の豪華なキャンピングカーの良さを知ってしまうと、改造キャンパーには戻れないという声もよく聞く。
専用設計のキャンピングカーは、まず構造と室内装備が改造キャンパーとは根本から違う。外壁や天井はFRPファイバーグラスやアルミ素材が使用されることにより、軽量化と高耐久性、高静粛性を実現している。また、居住スペースの各パネルは断熱材を配した構造となっており、改造キャンパーに比べてエアコンの性能がフルに発揮でき(モデルによっては二重窓ガラスを採用)、快適さは段違いである。
たとえば、北米系メーカーのウィネベーゴ「アスペクト30C」や、トール・モーター・コーチ「フォーウィンドスーパーC」(メイン写真)といったクラスになると、まるでホテルだ。室内はリビング、キッチン、バスルーム、ベッドルーム等に分かれ、家具類も装備している。
フロアカーペットやカーテンなどのクロス類はすべて難燃素材のもので、火災や大規模災害に対する安全性も高くなっている。
冷蔵庫、電子レンジ、ガスレンジ、温水器、FFガス暖房器、ルーフエアコンなども装備されており、随時AC100ボルト(日本仕様)の電気製品が使えるように大型発電機も搭載し、レジャーだけではなく災害時にも強い味方となる。もちろん、キャンプ場の電源サイトでもパワーコードプラグを電源アウトレットに接続すれば電気製品を自由に使うことができる。コーチ用として独立した、容量の大きい12ボルトバッテリーも装備されており、エンジンバッテリーの容量を気にすることなく室内の灯かり等を得ることができる。また、パワーコードを接続すれば、コンバーター/バッテリーチャージャーから、そして走行中は自動車のオルタネーターにより自動的に充電されるシステムが心強い。
所有欲が満たされる「どこでもマイホーム」
なんといっても便利なのが、水ポンプをONにすれば、時間や場所を選ばずにキッチン、シャワー、トイレを使うことができることである。特に女性にとっては、休日の混雑したサービスエリアでトイレ待ちの心配をする必要がないのは嬉しい。
もちろん、キャンプサイトの外部水道などをホースで接続すれば残量の心配もなく、給水および排水まわりについても、大容量の水タンクと排水処理タンクが付いている。また、それぞれ排水トラップチャンバーが設置されていて、排水タンクからの悪臭が戻ることもない。ちなみにトイレはRV専用の簡易水洗式、汚水タンクにはルーフまで伸びる臭気抜きが取り付けられるという徹底ぶりだ。
さらに、最新型のキャンピングカーには、「スライドアウト ルーム」機能も搭載されている。これはオートキャンプ場などで、室内をスライドさせ拡張することができるというギミックで、その居住性と適応性能は別次元へとシフトしている。
キャンピングカーは「陸のクルーザー」
このように、専用設計のキャンピングカーは「楽しむためのツール」というよりも、「いかなる場所でも快適に生活できる空間」としての装備と機能を満載している。アクティブであり、開放的であり、なによりリラックスできる、優雅な大人の移動マイホームとしての空間を有している。
ウィネベーゴ「アスペクト30C」のオーナーで、西東京市で飲食店を経営する竹下和男さんは、超豪華キャンピングカーの魅力についてこう語る。「家族旅行や友人とのキャンプ、ボランティア活動のベースとして使っています。値段はけっして高いと思いませんね、以前はクルーザーを持っていましたが、それに比べて維持費が安く、メンテナンスもしやすいですし、使い勝手は比べものにならないほどいい。キャンピングカーは陸上のクルーザーだと思っています」
Text by Rippa Creo
Photo by (C)Motorhomes(main)