第25話
新モンスター続々回です。
「さて第3階層を作る前に…っとヘルプ君に質問。」
『何でしょうか?』
「主を失ったダンジョンはどうなるんだ?」
実を言うと報告会の時は気にならなかったがあの後『鬼の砦』がどうなったのか気になり、俺はフォッグを『鬼の砦』に向かわせて見たのだが、見かけ上は何の変化もなかったのである。というわけで聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥。という事で俺はヘルプ君を呼んだのである。
『そうですね。』
で、聞いたことをまとめるとこんな感じ。
・主を失った迷宮は破壊不可特性が失われる。
・主を失った後の迷宮は主であった魔王のレベルの二乗年の間ランダムに魔性と罠を生み出す。
・主を失った後に生まれた魔性は自主的にダンジョン外に出ようとはしない。
「なんつー迷惑な…。」
『そういう仕様です。』
生きていても死んでいても迷惑をかける。さすがは魔王である。
「まあいいや、第3階層作るか。≪迷宮創生≫」
というわけで第3階層の作成である。
が、今回作る第3階層はわざと難易度を下げる方針である。なんでかって?ウチに入ってくる人間を増やし、かつわざと育てるためだ。正確に言うと3レベル位に育ったら明らかに適正レベル外のモンスターを差し向けて返り討ちにする予定である。
ついでに言うなら第3階層を作るにあたって『白霧と黒沼の森』全体の更新もする。具体的には今の正面入口は内から外への
つまりウチのダンジョンは第3階層が最初のフロアになり、その後第2、第1と逆打ちする形になるわけだ。
さて、第3階層の様相だが、基本イメージは清流で、入口から深部に向かって足元に平均水深10cmでゆるやかな流れの川を流している。で、当然ウチのダンジョンなので霧(と言っても視界15m制限程度)を設置。オブジェクトとしては所々に葦や岩、流れが滞ったところは蝕みの黒沼を設置している。
第2階層との接続は第1第2の接続箇所である黒沼の滝がある場所の真反対で、ダンジョン全体で見ればとにかく横に伸ばすような形で接続。外とは水田のど真ん中に入口が出るようにした。
えっ?迷惑?知らんがな。
出現モンスターはフォッグ、薄靄狼などに加えて新規で
・弾丸杓子
体長10cm程度の両生類系御玉杓子型魔性
一匹一匹の力は弱いが、敵の体にライフル弾のように勢い良く突っ込んで体内に潜り込んだ後、相手の体を内側から食い破る。成長すると銃撃蛙に進化する。
召喚コスト:一匹につきHP,SP各5
創生前提条件:水場、またはそれに類するものが存在している。
・銃撃蛙
体長1.5m程の両生類系蛙型魔性。弾丸杓子の上位種
舌がライフル銃のようになっていて、弾丸杓子や小石を水圧によってライフル弾のように飛ばして攻撃する。同種が近くにいるとタイミングを合わせて攻撃をする性質を持つ。
召喚コスト:一匹につきHP,SP各300
創生前提条件:弾丸杓子が存在していること
で、続けて第2階層だが今まで未紹介だったモンスターが何匹かいるので紹介。
・
身長4m程の精霊系牛頭鬼型魔性
ミノタウロスの姿をしたスモーク。というのが最もその姿を表している魔性。物理的攻撃力などはスモークよりも強いが、知能は低い。迷宮と言ったらミノタウロスだろうが!という理由でクロキリは召喚。
召喚コスト:一体につきHP,MP,SP各500
・
身長1,7mの魔法生物系人型魔性
泥で作られた人形の魔性。与えられた命令には忠実に従うが、命令外のことは一切やらないという典型的なゴーレム。コアを破壊されない限りは軽微の自己再生能力によって自発的に戦闘不能状態からの復帰が可能。不○議な踊りを踊ったりはしない。
召喚コスト:一体につきMP100
で、第1階層には新たにこんなモンスターを生み出しておく。
・クエレブレ
体長10m程の竜系大蛇型魔性
攻撃を受けるたびに硬質化していく鱗と毒のブレスが特徴的なドラゴン。ドラゴンの中では下位に属する部類だがそれでもその力は凄まじい。
召喚コスト:一体につきHP,MP,SP各1800
・
身長1.7mの魔法生物系人型魔性。泥人形の上位種
泥人形に武器と防具を装備させて作られた魔性。与えられた命令に忠実に従うだけでなく、ある程度ならば自主的に行動を行うこともある。コアを破壊されない限りは武器と防具も含めて自動回復していく。
武器と防具はカスタマイズ可能。
召喚コスト:一体につきMP250
うん。クエレブレの召喚は大変だった。何せ今の俺のステータスだとかなりギリギリだからね。ちなみに実力的には乱し蜻蛉と同程度だけど、その気になれば何体でも呼べるためなのか命令は聞いてくれる。
とまあ、モンスターの紹介はこんなところか。
さて、ダンジョン作成とモンスターの召喚で合わせて一月ほどかかった。この間リョウからはほとんど連絡はなかったが、色々と世間は騒がしい事になってきているようである。
ああ、また情報弱者に逆戻りだよ…。あいつ等にその辺りを聞いてこないとな…。
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04/17 誤字訂正 指摘ありがとうございました。