第24話
今回はちょっとグダってます。
「ふう。疲れたけど何とかなったなぁ。」
俺は『統べる剛力の鬼王』を倒し、召喚が解けたため『白霧と黒沼の森』に戻ってきた。
しばらくしたらリョウもイチコを連れて那須家地下に戻ってくるだろう。というわけで報告会の為に俺もそちらに移動する。
で、移動したらリョウとイチコも既に来ていた。ただしイチコはまだ傷が癒えきっておらず、リョウはイチコの治療を行っている。
「よっ。二人とも無事に帰って来れて良かったな。」
「そうですわね。本当に良かったですわ。」
「礼は…一応言っておく。ありがとう。」
俺の言葉を二人とも素直に受けている。これはデレ期という事で…
「でも、考えてみたら元々『鬼の砦』にイチコを行かせたのは貴方でしたわね。となるとこれ以上の礼は過分ですわね。」
「そう言えばそうですね。糞クロキリはやっぱり糞クロキリです。」
デレ…
「ああ、そう言えばイチコが居ない間に私一度全身を揉まれましたわね。」
「な!この屑クロキリ!貴様私が居ない間にそんな事を!許せん!」
「マッサージと言う名目でしたけど、本当に手付きがイヤらしかったですわね…。」
デ…レ…期なんて無かったんや!デレ期なんて無かったんや!大事なことだから二回言うよ!
正直、今の俺は打ちひしがれて、部屋の隅っこで丸くなってます。
まあ、いつまでも落ち込んでいられないから戻るけど。
「はぁ、とりあえずリョウもイチコもステータス出せ。どこまで育ったか確認するわ。」
「分かりましたわ。イチコがどれくらい育ったか気になりますもの。」
「屑クロキリに命じられると嫌ですけど、リョウお嬢様に言われるといい気分ですね。あっ、これが私のステータスです。馬鹿クロキリ。」
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Name:クロキリ(蝕む黒霧の王)
Class:魔王 Race:蝕む黒霧の王
Level:3
HP:1810/1810
MP:2080/2080
SP:2030/2030
Status
筋力 40
器用 55
敏捷 56
感知 45
知力 61
精神 72
幸運 10
Skill
≪迷宮創生≫≪魔性創生≫≪蝕む黒の霧≫≪循環≫≪霧爆≫
Title
≪蝕む黒霧の王≫≪白霧の奇襲者≫≪霧人達の主≫ New!≪外を見た魔王≫ New!≪鬼殺し≫ New!≪魔王を討ちし者≫
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Name:那須 リョウ
Class:学生 Race:霧人
Level:6
HP:354/354
MP:420/420
SP:378/378
Status
筋力 16
器用 24
敏捷 18
感知 16
知力 32
精神 32
幸運 10
Skill
≪治癒≫≪霧の衣≫≪治療習熟Ⅰ≫≪解毒≫≪解痺≫≪解幻≫≪
Title
≪黒霧の王の眷族≫≪白霧の癒し手≫
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Name:久野 イチコ
Class:暗殺者 Race:霧人
Level:5
HP:399/399
MP:336/336
SP:357/357
Status
筋力 21
器用 30
敏捷 32
感知 32
知力 14
精神 16
幸運 10
Skill
≪短距離転移≫≪霧の衣≫≪短剣習熟Ⅰ≫≪首切り≫≪キーンエッジ≫≪ロングエッジ≫
Title
≪黒霧の王の眷族≫≪白霧の暗殺者≫ New!≪鬼殺し≫
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「俺の方に新しく出た称号は…≪外を見た魔王≫≪鬼殺し≫≪魔王を討ちし者≫の三つか。」
「≪外を見た魔王≫は恐らく外で私が召喚したからですわね。」
「≪鬼殺し≫は私の方でも出ているから鬼系魔性を倒した数が関わっているのだと思います。」
「≪魔王を討ちし者≫は…まんまだよな。」
「そのままですわね。」
「そのままですね。」
称号に関してはまあ納得かな。で、次の話題と言うか…これが今回の主題にするべきものだな。
「で、何故私とリョウお嬢様のレベルが違うのですか?」
「私もそれは気になりますわね。」
「ああうん。それは俺も気にはなってた。ただ、お前ら二人には間違いなく同じ量の経験値を渡していたはずだぞ?だから多分これは職業補正の差だな。」
というわけで職業補正の話について
と言ってもそんなに語ることは無い。職業補正は俺の魔王についているステータス5倍や命乞い補正みたいに職業ごとに掛る補正の事で、良いものもあれば悪いものもある。
「でだ、恐らくだけど学生には取得経験値に+補正がかかっているんだろ。」
「なるほど。となると暗殺者は不意打ち辺りに補正かしら?」
「恐らくはリョウお嬢様の考えている通りだと思います。『鬼の砦』の中にいる間奇襲攻撃が決まれば確実に相手を倒せていましたから。」
まあ、職業補正に関してはこんなところだろう。魔王以外はヘルプ君に聞けないから、感覚的に理解するしかないんだけどね。
「ところで≪解毒≫とか≪解痺≫は分かるけど≪霧平手≫って何?」
「手に霧と魔力を集めて相手をはたく水属性の物理攻撃ですわ。クロキリにも効きますわよ?」
「マジで?」
「本当ですわ。」
「素晴らしいです。リョウお嬢様。」
や、厄介な技を覚えおってからに…。まあ、リョウの筋力なら大事にはならんだろ。知力が高いからちょっと怖いけど。
「ところで今回私がクロキリを召喚しましたけどダンジョンの方に問題などは起きませんでしたの?」
「ああそれか。ダンジョンの方には特に問題は起きていなかったぞ。ただ、もし魔王不在時にダンジョンに侵入者があると話は別みたいだけどな。」
「具体的には?」
「さあ?」
二人がこっちをジト目で見ているけど知らないものは知らないんだよ。まあ予想はつくけどね。大方予め魔性たちや仕掛けに出しておいた指令がキャンセルされているくらいでしょ。もっとキツいかもしれないけど。
「まっ、何にしても二人とも成長しているようでよかったわ。」
「そうですわね。」
「それでこれからはどうするのですか?」
俺は少々思案しこれからやるべきことを考える。
「そうだな…とりあえずは二人とも俺との繋がりさえバレなければ何をしていてもいいぞ。で、眷属化したい人間が居たら俺に連絡してからここに連れて来い。」
「クロキリはどうするのですか?」
「俺はとりあえず第3階層を作ってる。レベルも上がったしな。」
「分かりましたわ。」
「了解です。」
「じゃ、報告会しゅーりょー」
そして、二人と別れて俺は第1階層の方に戻っていった。