@chablis777
シャブリ

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(咲太郎)こっちだ こっち。
なつは 咲太郎と一緒に新しい生活を始めようとしていました。
ここが 俺の部屋だ。
来たことあるな。(なつ)うん。
ねえ もう一部屋あるんだよね?うん ある。
あるには ある。
ここだ。うわ~!3畳しかない。
(亜矢美)今 私の衣装部屋になっちゃってんだけどね。
なまら すごい…ちょっと見てもいいですか?
いいよ。
ここにあるもん どれでも好きに着ていいからね。
本当に いんですか?うん。
着てくれたら 服も喜ぶわ。
よし じゃ この衣装全部 あっちの部屋に移そう。
何で?お前が あっちの部屋を使え。
俺は ここで十分だ。えっ いいよ 私が こっちで。
いいから。俺は どうせ 寝に帰るだけだ。
本当にいいの?もちろんだよ。
なつと 一緒に暮らせるならこんなに うれしいことはない。
うん。あっ そんで お部屋代はいくらですか?
部屋代?いいよ 部屋代なんか。
言って下さい。
う~ん そうね…まあ タダって言いたいとこだけど…。
お給料って どれくらい もらえんの?
5,000円。そんなに安いのか? 天下の東洋が。
高卒の臨時採用だから。
じゃあ このうちにあるもの何でも使い放題食べ放題 着放題ってことで1 5! 1,500円でどうだ? 1か月。
はい 分かりました。
よろしくお願いします。
♪~
♪「重い扉を押し開けたら暗い道が続いてて」
♪「めげずに歩いたその先に知らなかった世界」
♪「氷を散らす風すら味方にもできるんだなあ」
♪「切り取られることのない丸い大空の色を」
♪「優しいあの子にも教えたい」
♪「ルルル…」
(光子)そう… お兄さんと一緒に暮らすことに決めたのね。
はい。 本当に お世話になりました。
兄も お礼に伺いたいと言ってたのですが…。
いいわよ 来なくて。はい。 かえって ご迷惑かと…。
兄は すぐに 女の人に誤解を与えますから。
ちょっと? あなた 何か誤解してない?
私と咲ちゃんは 何でもないんだからね。
分かってます。今は 何もなくて いかったと思ってます。
昔から!(野上)ああ…。
はい。
それより あなたが人のために無理しちゃダメよ。
夢を追いかけるのは…女が働くということはそれだけで 大変なことなんだから。しっかり 自分を持って自分を支えていきなさいね。
はい。 分かりました。
まあ これからも 新宿にいるなら寂しくないわよね 野上さん。
いや 私は 寂しいなどとは…。
これからもここに ちょくちょく来ますから。
来てもいいですか? 野上さん。
お客様で来られるならどなたでも歓迎します。
ただし ほかのお客様にご迷惑にならなければ。
はい。フフフ…。
いつでも いらっしゃい。
はい。
頑張ってね。
おめでとう なっちゃん。
ありがとうございました。
♪~
(笑い声)何?
(光子)泣いてる?(野上)泣いてない…。
なっちゃん お願いします。
はい。
♪~
なつは 上京して半年間川村屋で働きました。
川村屋の仲間とも これでお別れです。
皆さん 今日で最後です。
短い間でしたが本当に お世話になりました。
ありがとうございました!
(拍手)
(杉本)なっちゃん ご苦労さん。
よく働いた。
どこ行っても その調子で頑張れ!
ありがとうございます。(拍手)
頑張れ!頑張れ なっちゃん!なっちゃん 頑張れ!
♪~
(佐知子)本当に 行っちゃうのね。寂しくなるわ。
お店に行けば また いつでも佐知子さんに会えますから。
そうだよ。 いつでも会えるよ さっちゃん。
いつでも そういうこと言うのやめて。
いつでも待ってるからね 咲ちゃん。
ああ。その鈍感な返事もやめて!
(雪次郎)あっ なっちゃん 咲太郎さん引っ越しなら手伝うべ。せっかく 今日休みだし。
大丈夫。 そんな荷物ないから。
あ そうだ今夜 なつの就職祝やろうと思うんだ。
さっちゃんも 雪次郎も来い。俺が おいしいもん作ってやるからな。
えっ お兄ちゃん 料理できんの?
何でも できちゃうんだよな 兄ちゃんは。
それで 何者でもないのが不思議ですよね。
あ~ うん…。えっ…。
(雪次郎)えっ?
♪~
なつ。うん?
この箱 どうする?あ~ それは押し入れにお願い。
おう。 よし…。
♪~
天ぷら?
天ぷら作れるの?
天ぷらじゃない。 天丼だ。
ああ… 昔 料理人だったお父さんが作ってくれた天丼が食べたいって言ってたもんね。
その味が忘れられなくてどこの店で 天丼食べてもダメでこうなったら 自分で作った方が早いんじゃないかと思ってな。
すっごい楽しみ!
天ぷらというのは 結局 衣で決まるんだ。
いいネタを生かすも殺すも 衣なんだ。
粉は かき混ぜちゃダメだ。
こうやって 優しく溶くんだよ。
修業したみたいですね。
雪次郎 人生は 何事も修業だ。
(雪次郎)なるほど。料理人 目指せばいいじゃん お兄ちゃん。
昔 お父さんの店を立て直すんだって言ってたんでしょ?
そうなの?そうなんです 子どもの頃に。
それが いつの間にかムーランルージュの立て直しに変わっちゃったんだな母ちゃんと出会って。私のせいにしないでよ。
(戸が開く音)(信哉)こんばんは。
おう 信!お~ いらっしゃい。信さん!
なっちゃん。ん?
就職おめでとう。え~!
忙しいのに ありがとう。
お花もらうなんて 初めてだわ。
あっ こっち どうぞ。
え~…。
よし。 これで 昔の家族もそろったな。
千遥がいないけど…。
千遥のことは言うな。
(信哉)そういえば親戚の移転先は探さないのか?
探してどうするんだ。 幸せを壊すのか?
(戸が開く音)おっ カスミねえさん。
(カスミ)お店 お休み?今日はね なつさんの就職祝。
あら 就職?
川村屋 辞めちゃったの?はい。
漫画映画を作る会社にね。夢をかなえたのよ。
で 今日から ここで 一緒に暮らすの。
ここで?はい。
そう… そうしたんだ… おめでとう。
あっ ありがとうございます。
(レミ子)カスミねえさん私たち 呼ばれてませんよね!
うん そうね…。
仕事の前に腹ごしらえしようと思ったんだけど…。
あ… いいわよね? 咲太郎 ねっ…。もちろんだよ。
レミ子 水くさいこと言うな。
どっちが水くさいのよ。
カスミねえさん俺の天丼 食べてって下さい。
それじゃ お言葉に甘えようかしら。
(亜矢美 なつ)どうぞ~!
(一同)頂きま~す。
うん!
うん!うん うまい!
こんなうまい天丼 初めて食った!
信… そんなに喜ぶなよ。お前も苦労したからな。
信さんは 苦労が報われてるの。
今は放送記者なんだから。まだ修業中だよ。
お兄ちゃんも 報われる修業をしないとね。
はい 分かった 分かった。
咲太郎さんは役者やダンサーを目指さないんですか?
ん?私もね どうせ やるならちゃんと勉強しろって言ってんだけど裏方ばっかり やりたがんのよね この子。
昔から そうだったわよね 咲坊は。
何か好きなんだよな 裏の仕事って。
表に立つ いい役者やいい芝居が見られるとそれで満足しちゃうんだ。へえ…。
咲太郎らしいといえば 咲太郎らしいけど。
おんなじかも。
えっ?何が おんなじなの?
私も そういう仕事がしたい…。
うん。 本来 仕事ってそういうもんだよ きっと。
人目に触れない人たちの活躍で物事の大半は作られてるんだ。
俺も裏方だな 今は…。
今は?
何でもいい。自分を生かす仕事を見つけた者は 幸せだ。
うん。
ハハハ…。
(雪次郎)おいしい。おいしいか。
いっぱい食ってくれ。
攻めの赤に…あっ… このレモンちゃんで 爽やかさん。フフフ…。
はい。
で 一番上留めると 何か かわいいよ。
ほら かわいいよ。えっ…。
どうだ。いいです… すてきです!
初日だからね ほどほどに派手ぐらいでいいんじゃないの。
亜矢美さんこれから よろしくお願いします。
あっ… どうしたの?何か こちょばいよ こちょばい…。
何か うれしいけど フフ…よろしくお願いします。
はい 行ってらっしゃい!はい 行ってきます!
はい。 あっ じゃあ 私靴の色 見てくるね…。
あっ ありがとうございます。
(いびき)
行ってきます お兄ちゃん。
♪~
なつよ 新しい日々が始まる。
思う存分 自分の絵に 命を吹き込めよ。
来週に続けよ。


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