物凄いニュースが流された。
カリブ海の英領バージン諸島などのタックスヘイブン(租税回避地)に各国首脳や著名人が関係した法人が設立されていたと報じられたことだ。
それだけなら、これまでにも皆が知っていたことだ。
しかし、今度の報道が衝撃的だったのは、パナマの法律事務所の内部文書の流出により、タックスヘイブンを利用して資産隠しをしていた世界首脳や著名人が、その金額と共に実名入りで暴露されたことだ。
これは前代未聞の衝撃的なニュースである。
いうまでもなくタックスヘイブンは金持ち、権力者などによる暗黙の資産隠し、脱税装置だ。
わずかの税金にも厳しく取り立てられる一般大衆を尻目に、金持ちや権力者たちがここまで不当、不正に資産隠し、脱税をしているのだ。
もしこのパナマ文書問題が世界の大衆の広く知るところに発展していけば、至るところで革命が起きるかもしれない。
これまではそうならなかったかもしれない。
しかし時代は激変しつつある。
貧富の格差はますます広がっている。
米国にサンダース候補が現れて来たように、金融資本主義の元締めの米国でさえ、ウォールストリートを占拠せよという動きが起き、拡がりつつある。
そして、インターネットの発達によって悪事が隠し切れなくなってきた。
今度の報道も、ロイターによれば、ハッカーの攻撃でパナマの法律事務所の内部文書が流出し、それを国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が検証して発表したのだ(4月6日産経)。
私がその報道で注目したのは、米司法省がこの問題を深刻に受け止めると発表し、調査を進めている事を明らかにしたことだ(4月6日朝日)。
このパナマ文書が世界中に公開されるなら、世界の国民の怒りに火をつけるだろう。
どのような独裁者でも、国民の怒りには勝てない。
我々には、あのルーマニアのチャウセスク夫妻のように、世界が見ている中で国民の手で処刑された事も記憶に新しい。
パナマ文書問題の今後の進展から目が離せない。
それにしてもパナマ文書の中に日本人の名前があるのだろうか。
その時の日本国民の反応はどうのようなものなのだろう。
いまこそ日本のメディアの本気度が試される時である(了)
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そうですね、覚えています。チャウセスクは自国民によって処刑されました。自国民を苦しめる国は栄えない、と思ったのも覚えています。