第9話
ブーーーーーーーーーーーー!
さて、後処理に取り掛かろうとしたら次の部隊が突入してきたらしい。まあ、少なくても今日一日に関しては皆に任せておけば問題ないでしょう。
ではでは改めてアルファ隊の皆さんの死因でございますが、こんな感じですよ。
アルファ1:沼飛魚のヒレによる奇襲斬撃で絶命
アルファ2:蝕む黒霧の王(俺)の手に掛りモズの早贄
アルファ3:擬態樹さんがグッサリと串刺し
アルファ4:乱し水蠆がチューチューしました
アルファ5:薄靄狼達にモフガブされました
アルファ6:フォッグ達によって蝕みの黒沼にドボン
ベータ4:沼地に沈んで土左衛門
「………。 (・3・)あるぇ~?」
ちょwww後続部隊www既に一人死んでるwwwしかもモンスターの名前がないwwwってことは普通に足を滑らせて沈んだのかwww
あー、うん。ちょっと落ち着こう。というか、後続部隊の事は無視しとこう。
さて、この中でアルファ3が長持ちした原因と未説明のもの二つについて説明しておこう。
まずアルファ3だが探知系の常時発動型のスキルを持っていたようである。恐らくは≪警告≫とか≪予知≫とかその辺。尤も低レベルだったために肝心な場面で裏切られたようだが。
未説明のもの二つは擬態樹と蝕みの黒沼の事である。で、擬態樹はモンスターで蝕みの黒沼はトラップである。それぞれの説明はこんな感じ
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・擬態樹
植物系樹木型魔性
その場から動けない代わりに周辺に存在している植物に擬態し、敵対者が背中を見せたところで襲い掛かる。その擬態能力は低レベルの探知系スキルでは見破れないほど。
召喚コスト:一体につきHP,SP各500、MP300
創生前提条件:設置場所周辺に擬態樹以外の植物が存在していること
・蝕みの黒沼
沼地+蝕む黒の霧によって生み出される特殊な沼地
敵対者が接触するとHP,MP,SPに1/sのダメージ
設置には通常の沼地と比べて数倍のコストがかかる。
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うむ。エゲツナイな。
まあ、こっちも命がかかってますし?殺意全開でダンジョンを展開しているからこれくらいは当たり前なんですけどね。
ちなみにルート選びと自分自身のスキルを彼らがきちんと認識していればボス部屋にたどり着ける可能性ぐらいは十分有ったりもする。
具体的に言うとこのダンジョンの正解ルートは建物や壁道樹を利用してとにかく沼地に落ちないようにするルートである。それでもまあ、濃霧に紛れてどいつもこいつも奇襲攻撃をかましてくるから難易度が高いのは認めるけど。
パラパッパッパーーーーーーー!
ん?ファンファーレ?
「ヘルプ君。何このファンファーレ?予想はつくけど」
『貴方様の予想通りレベルアップの音ですね。15人ほど倒した結果ですね。』
「レベルアップかぁ…。てか、いつの間にか第3部隊突入してたのね。」
『もう。全滅しましたけどね。』
一応、外の様子を見てみるがどうやら3つも部隊が突入して誰一人として戻ってこないことからさすがに危険すぎると判断して突入を断念したようである。
「まっ、妥当な判断だわな。で、ヘルプ君。レベルが上がるとどんなことが出来るの?」
『そうですね…。』
さて、ここで長々とヘルプ君に語ってもらってもいいが分かり易くまとめるとこんな感じ。
まず人間・魔性共通で
・HP,MP,SPが上昇
で、人間と一部の魔性限定で
・ステータスに割り振る事でステータスが上昇するポイント(StP)が3点貰える
・スキルを習得・強化するのに使うポイント(SkP)が1点貰える
で一部魔性には
・特定レベルでランクアップし大幅強化
という別の道があり、魔王の場合は加えて
・ダンジョンとして使うことが出来る範囲を広げるのに使うポイント(DP)が貰える
というものがある。
なお、ダンジョン範囲を拡張すると元の部分を第1階層とし、拡張部分は第2階層として扱われることになる。
「ところでヘルプ君よ。」
『何でしょう?』
「15人殺ってレベルが1→2って効率悪くね?」
『魔王補正で必要経験値が大幅に増えていますからしょうがないですね。ちなみにダンジョン外で人間を倒した場合は取得経験値は10%以下になりますのでご注意を』
「酷くね?」
『仕様です。』
うーむ。となると今後は色々と効率のいい経験値の稼ぎ方を考えないといけないなぁ…。
とりあえずStPとSkPを振っておくか。
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Name:蝕む黒霧の王
Class:魔王 Race:蝕む黒霧の王
Level:2
HP:1700/1700 ↑100
MP:1860/1960 ↑110
SP:1810/1910 ↑160
Status
筋力 40
器用 55
敏捷 55
感知 45
知力 60
精神 71 ↑1
幸運 10 ↑2
Skill
≪迷宮創生≫≪魔性創生≫≪蝕む黒の霧≫ New!≪循環≫
Title
≪蝕む黒霧の王≫ New!≪白霧の奇襲者≫
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うん。こんなところだな。
まずステータス振りについては人並み以下だった幸運を人並みにしておいた。事故が起きると怖いからね。
で、後は魔王補正のおかげで他のステータスはだいぶ高まっているから長所である精神を伸ばしたというわけである。
≪循環≫は気や血流、大気や河川の流れを自分にとって都合のいいように変えることが出来るスキルで、うちのダンジョンを対象にこれを使えば局所的に霧を晴らしたり、淀みまくった沼をつくったりなんてことが出来る。
ちなみに生物に使えば血流阻害からの酸欠とか、体内で行われるエネルギー生成を促進して強化するとか出来る。
ああ、後このスキルを習得したらSPが50ほど増えました。ヘルプ君曰く習得特典だそうです。
あとやるべきなのは…死体と遺品の処理なんだけど…うん。すでに死体の方は回収不可能になってるな。仕留めた奴かその近くにいた奴がもう食ってる。で、遺品の方は回収できるものは回収しておこう。後で何かに使えるかもしれないし。
「さて、後始末はこんなところか。」
『では私も失礼します。』
俺は次にやるべきことを思い浮かべつつ仮眠を取り始める事にした。
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実は結構な量を書き溜めていたりします。いつストックがなくなるか分からないけどね!