➃クロード・シャルル・ダレ(1829~1878・フランス人宣教師)の「朝鮮教会史」の記述より…
1876年の朝鮮開国に先立って、ソウルへ派遣された宣教師が収集・整理していた資料を基にして1874年に『朝鮮教会史』をまとめたもの。 厳重な鎖国体制下の1872年、朝鮮にあえて入国しそこで生活した欧米人、パリ外国宣教会所属の第5代ダブリュイ司教以下、宣教師たちからの報告を素材としている点で、極めて資料的価値は高い。 著書『朝鮮事情』は以下、当時の「李氏朝鮮の社会」を細かくしっかりと観察している。 ●ソウルは、人口が多い大都市であるが、見るべき建築物はなく、空気も流れないような曲がりくねった路地ばかりで、足元にはゴミが散乱している。道路を作る技術がほとんど無いため、利用しにくい道は商取引の障害になっている。 ソウル・南大門の見える風景 ●役人の地位は売買されており、その地位を購入した人は、その費用を取り戻そうと特権を濫用して体裁を構うことなく行動する。 ●女性の地位については極度に低く、男性の奴隷や労働力となっているだけで、また学問については、書物はすべて中国のもので、学ぶ言葉は朝鮮語でなく漢語で、歴史に関しても朝鮮史でなく、中国史ばかり研究しており、科学技術については数世紀の間、全く進歩していない。 ●朝鮮人の衣服については、白衣が一般的であるが、多くの場合、汚れて色変わりしており、富裕な者でも不潔なことが多くて朝鮮人の特徴であろう。 街頭で商いをする女性たち ●朝鮮は1871~72年には酷い飢饉におそわれ、朝鮮人の中には娘を米一升で売る者も現れたほどであったが、朝鮮政府は己の利得のみのために、鎖国を固守し中国や日本からの食料買い入れを許す事無く、むしろ国民の半数もが死んでいくのを放置する道を選んだと伝えている。 ●朝鮮では、人々が非常に高い声で話すので、人が集まると特に騒がしい。大声で叫ぶことは、物腰が上品である証左となる。 社交界では、普通の声で話すのは、人の注意を引こうとしている変わり者だと思われ、他人からは悪く見られる。朝鮮人が大声で喧騒を好むのは、先天的である。 彼らの間では、大騒ぎして初めて物事が正されるのである。 ●朝鮮人は、男女とも生まれつき非常に熱情的であり動物的である。 然し真の愛情は、この国には全く存在しない。 彼らの熱情は純粋に肉体的なものであって、そこにはなんら真心が無い。 ●彼らは、自分自身の欲望を満足させる為、手に届く対象には何にでもやたら飛びつき、あの動物的な凌辱、欲望の獣的本能以外は知らないようだ。 従って風紀の腐敗・乱れは想像を絶し「人々の過半数は、自分の真の両親が誰なのかを知らない」と大胆に断言さえ出来るのである。 ●この国では如何なる宗教的、道徳的拘束が有っても、欲望を抑制することは不可能なのである。
一人旅をしている女性が旅宿で夜を過ごしたりしたら、見知らぬ者の餌食になることは間違いない。
街道筋では、至るところの村の入口に、身分の低い娼婦が焼酎の瓶を手にしており、それを旅人に供している。
●これらはほとんどいつも、個人的な恨みを満足させるためのものであったり、少し辛辣な言葉に対する仕返しのためであったりする。
刑を受ける犯罪人 ●しかし不思議なことに、軍隊に関しては非常に弱く、彼らは重大な危険があるとさえ見れば、武器を放棄して四方へ逃亡することしか考えない。
●用事の無い数多くの人びとが、常に街道に出てきては好機を狙っている。 |
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