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【首都スポ】

[大学サッカー]東洋大浮上のキーマンたち FW小林は悔しさバネに進化の点取り屋

2019年5月31日 紙面から

昨季リーグ戦で6ゴールのFW小林。一気の爆発力をまた見せつけられるか?=埼玉県朝霞市の東洋大朝霞キャンパスで(北田美和子撮影)

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 第93回関東大学サッカー1部リーグ(東京中日スポーツ後援)は第7節まで戦った。昨季7位の東洋大はここまで1勝6敗の勝ち点3で11位ともがく。ただ、昨季も同節終了時点で11位だったが、その後、奮い立って、全日本大学選手権の出場権を獲得した経験を持つ。下位からの浮上が再現されるかに注目しよう。万能型ボランチを目指す坪川潤之主将(4年・矢板中央)がチームのかじ取り役。得点源であるFW小林拓夢(4年・帝京長岡)の一撃で逆境を乗り越えたい。 (関孝伸)

 昨季リーグ戦における早大との2試合がFW小林にとってのターニングポイントになった。

 第11節で最初に対戦した際はレギュラーポジションをつかんでいなかった。後半30分からの途中出場にとどまり、試合は1-2で敗戦。高校で同期だった相手DF大桃海斗がマン・オブ・ザ・マッチ(MVP)に選出されてインタビューを受けるのを見たあと、涙を流した。

 「泣くことはあんまりないんですけど、悔しくてトイレで泣きました。自分(の現状)がふがいなかったです。これは自分を変えるしかないと思いました」

 リベンジを誓い、食生活の変革や体づくりに着手した。迎えた第18節の再戦。第12節から先発入りを続けていたものの、1点も奪えずにいた。

 「(スタメンから)いつ外されてもおかしくなかったんですけど、(早大との2戦目は)人生を変える試合だと思って、楽しみでワクワクしていました」

 苦境に陥りかけていたが、マックスのモチベーションで挑み、そして、一人で4ゴールをマークする大爆発ぶりを披露した。得意とする、相手の背後への動き出しからもネットを揺らした。6-1の大勝でマン・オブ・ザ・マッチ。雪辱を見事に果たし、「ホッとしました」と胸をなで下ろした。

 さらには、第19節と最終第22節でも得点を挙げた。第18節からの5戦で6発の働きぶりは評価に値し、関東B・北信越大学選抜の一員に選ばれるに至った。しかし、自身は「リーグの前半戦では点を取っていませんし、まだ、ふがいなかったです」と昨季の出来に満足できなかった。

 だからこそ今季はと、シーズンを通しての活躍と2桁ゴールの達成を期す。現時点ではわずかに1得点で、チームも低迷中だが、挽回は今からでも可能だろう。「自分にとって、悔しさや負けはいい栄養でしかありません。栄養を吸収して、ギアを入れ替えて、上がっていきます。自分の価値をここからみんなに示したいと思います」と、折れない心を武器にはい上がっていく。

前半10分、先制ゴールを決める東洋大の小林(左)。右は高校の同期、早大・大桃。小林はこの日4得点を挙げた=昨年の早大戦で

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◆小林アラカルト

 ◆カフェで読書 気分転換のためにカフェに出かける。そこでコーヒーを飲みながら読書を楽しむのが大切な時間。読書は中学時代から好きになり、今は月に2、3冊読破する。ジャンルは問わない。

 ◆ヨガとストレッチ はやりのヨガをやってみようと思い立ったが、自分の体があまりにも硬すぎた。現状ではヨガに取り組むのはちょっと難しいと判断。同時に、体をもっと柔軟にしなければいけないと痛感した。現在、懸命のストレッチで肉体改造に励んでいるところだ。

<小林拓夢(こばやし・たくむ)> 1997(平成9)年7月16日生まれ、新潟県長岡市出身の21歳。174センチ、74キロ。地元の福戸保育園年長組のときに長岡JYFCでサッカーを始め、中学校卒業時まで同クラブに所属した。高校時代は帝京長岡高でプレー。同高1年時に全国高校選手権に出場したが、1回戦で敗退した。東洋大では昨季のリーグ後半戦からスタメンに定着している。関東B・北信越大学選抜。

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