ゲームの中に没入したような感覚に感動

 装着すると、最初はHMD前方に取り付けたカメラを通した映像が見えた。まだ現実の世界なので目の前では白衣を着たスタッフがあれこれとセットアップを行っている。

 続いて自分の手をセンサーに認識させる。目の前に手の形が光って表示され、そこに手を合わせれば完了だ。そして作中と同じように「リンク・スタート」の掛け声とともにいよいよVR世界に“ダイブ”だ。アニメで見たような映像演出とともにVR空間へ移動する。

 最初に出たのは、ゲームのスタート地点になる「はじまりの街」だ。ここで移動の仕方や操作方法を教わる。教えてくれるのは、光る石のような「コグ」というキャラだ。

 その場で足踏みするとVR空間内で歩ける。センサーが反応しやすいようにやや大げさに足踏みするとスムーズに前に進めた。VR空間内を歩き回れるのはなかなか楽しい体験だ。

 そして手を動かすとVR空間内の手も動く。隣を見ると一緒にダイブしたほかのプレイヤーのアバターが見えるので、お互いにVR空間上で挨拶したりする。これも実際に体を動かしてお辞儀をすると、VR空間上でお辞儀できる。傍から見ていたらかなり変な光景に見えるかもしれない。

 続いてメニュー操作だ。作中ではプレイヤーの目の前に半透明のメニューが表示される。コグの説明にしたがって腕を振ると、作中と同じように目の前にメニューが出現し、指先でタッチして操作できた。これはアニメを知っている者ならじわりと興奮するだろう。

 しばらくあたりを見回したり歩き回ったりしていると、自分が本当にゲームの世界に入り込んだらこうなるのかと、ちょっと興奮してきた。まだグラフィックスが荒いが、改善していけば本当に作中に出てくるようなVRゲームが実現できると思える。

最初に現れる「はじまりの街」。広場で移動方法や操作方法を教わる(画像提供:IBM)
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手を動かすとVR空間内での手も動く(画像提供:IBM)
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その場で足踏みすると、VR空間上を歩いて移動できる
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