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【社会】

「土地値引き 触れず」 森友訴訟 原告市議、厳しく批判

大阪地裁判決後、記者会見する大阪府豊中市の木村真市議(右)ら=30日、大阪市で

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 「政権に忖度(そんたく)した判決だ」「すっきりしない」。学校法人「森友学園」への国有地売却問題を巡り、売却額を当初非開示とした国の処分を巡る訴訟で、三十日の大阪地裁判決は国の違法性を認めた。だが、原告側は八億円余り値引きされた土地取引の是非など問題の核心に触れていないとして落胆、厳しく批判した。

 売却額の非開示に疑念を抱き、一連の森友問題の端緒を得た大阪府豊中市の木村真(まこと)市議は判決後、代理人弁護士と大阪市で記者会見を開いた。

 「主文を聞いた瞬間はガッツポーズした。だが(国が地中の)ごみ情報を不開示としたことに一定の合理性があると裁判官が言った時『何を言っているのか』と思った」

 国に一部賠償を命じた判決だったが、木村市議は眉間にしわを寄せ、腕組みしたまま。「核心を突く裁判だと思ってやってきたのに、肝心な部分は判断していない。すっきりしない判決だ」と吐き捨てるように言った。

 一方で提訴そのものは「間違いなく(森友問題追及の)きっかけになった」と意義を強調。「決裁文書改ざんなど衝撃的事実が明らかになっているのに、大臣も辞めない異常な状況だ。この国の政治は底知れぬ闇を抱えている」と述べ、追及を続ける意向を示した。

◆ねじれた判決だ

<NPO法人「情報公開クリアリングハウス」の三木由希子理事長の話> 国有地売却額の非開示決定を違法としたのは妥当だが、地中ごみなどを記した条項は非開示情報としており、ねじれた判決だ。八億円余りも値引かれたのに、根拠となった情報が公開されなければ「なぜその売却額になるのか」と国民の不信感は増幅する。国側は積極的に公表する必要があり、例外は極めて限定的であるべきだ。

 

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