人が考えた造語や商品名を無断で本に書いて良いのかというような相談を目にすることがある。
大雑把には個人や企業が単語や文字の独占をする事は認められないというのが裁判所の傾向のようだ。当然と言えば当然だろうが。
多くの作品のタイトルや単純な文字からなるロゴは著作物では無いとはいう。それは、下記のような判断を読むと何となく納得のいく感じではある。
なお、何らかの商品や役務に対して商標として登録する事も出来るが、こちらの保護範囲は著作権よりも狭く、単語や文字の独占ではない。
ロゴは著作物かで有名な判決。この裁判ではAsahiのロゴの著作物性が否定された。
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/816/013816_hanrei.pdf
の字体を基礎として、これにデザインを施したものであるところ、文字は万人共有
の文化的財産ともいうべきものであり、また、本来的には情報伝達という実用的機
能を有するものであるから、文字の字体を基礎として含むデザイン書体の表現形態
に著作権としての保護を与えるべき創作性を認めることは、一般的には困難である
と考えられる。
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/607/013607_hanrei.pdf
て、また、言語の著作物を創作する手段として、万人の共有財産とされるべきもの
である。そして、文字は当該文字固有の字体によって識別されるのであるから、多
少の創作的な装飾が加えられた字体であっても、社会的に情報伝達手段として用い
られる需要のある字体について、特定人に対し独占排他的な著作権を認めること
は、その反面でその範囲について他人の使用を排除してしまう結果になる。そのよ
うな事態は、「文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図
り、もって文化の発展に寄与する」という著作権法の目的(一条)に反するもので
あるから、これを認めることはできない。
人の店名をサイトに書いて利益を上げるなと、食べログを訴えたが、訴えた原告が負けた判決。
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/462/084462_hanrei.pdf
しかし,原告は,法人であり,会社であって,広く一般人を対象にして飲
食店営業を行っているのであるから,個人と同様の自己に関する情報をコン
トロールする権利を有するものではない。そして,上記のような原告の要求
を認めれば,原告に本件店舗に関する情報が掲載される媒体を選択し,原告
が望まない場合にはこれを拒絶する自由を与えることになるのであり,その
反面として,他人の表現行為や得られる情報が恣意的に制限されることにな
ってしまうのであって,到底容認できるものではなく,原告の上記主張も理
由がない。