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【群馬】

5万台狙う「呼び込み君」 みどり市の「群馬電機」製造販売

群馬電機のロングセラー製品「呼び込み君」と藤巻剛さん=みどり市で

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 スーパーの総菜売り場などで流れる「ポポポポポー」の電子音のメロディーを聞いたことがある人は多いはず。開発したのは、みどり市大間々町にある「群馬電機」で、二〇〇〇年の発売以来、全国での販売台数が昨年末までに四万台を超えるロングセラーになった。同社は耳に残るメロディーを味方に五万台の達成を掲げる。 (池田知之)

 機器は店頭での販売促進用で、製品名は「呼び込み君」だ。「ポポポポポー」のメロディーは抜き差しできるICメモリーに記録されている。録音機能も備え「今日は大安売り中です!」など自由に声を吹き込める。ただ、呼び込み君は業務用のため、一般の消費者には群馬電機の製品であることはあまり知られていない。

 同社は発光ダイオード(LED)表示器や、自動販売機用制御回路などの製造を手掛けており、従業員は九十人。一九六八(昭和四十三)年の設立だ。初期には大手家電メーカーの相手先ブランドによる生産(OEM)でカセットテープレコーダーの生産を開始していた。音声を扱うノウハウの蓄積を生かして、呼び込み君の製品化にこぎ着けた。販売開始から今まで基本設計は変わらない完成度の高さを誇っている。

 一度聞くと耳からなかなか離れない気になるメロディーは、CMなどを手掛ける県内在住の作曲家による独自の曲。題名や歌詞もないという。製品化に当たった商品開発本部の取締役本部長藤巻剛さん(58)は「当初、『明るくてテンポのいい曲を』と依頼した曲です」と説明する。

 藤巻さんによると、テレビ番組でかつて呼び込み君が取り上げられた際、専門家は「このメロディーには気持ちを高揚させる作用があるらしい」と指摘した。買い物客の購買を刺激する作用もあるようだ。

 LEDが輝き「いらっしゃいませ」などと表示できるタイプは税別二万九千八百円。LEDのないタイプは二万一千八百円だ。発売から二十年近くになる現在でも大手スーパーなどに月に三百~四百台を出荷する根強い人気を維持する。藤巻さんはロングセラーの理由を「やはり曲が耳に残るんでしょうね。今の売り上げペースを維持し、五万台を目指したい」と力を込める。

QRコードをスマホなどで読み取ると、「呼び込み君」の一部を視聴できます。

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