名古屋の一大歓楽街・栄の路上で25日深夜、多くの通行人がいる中、同市の職業不詳榊原淳次さん(46)が刺殺された事件の背景が見えてきた。現行犯逮捕された同市の無職山城清幸容疑者(48)は愛知県警中署の調べに「相当の恨みがあった。殺そうと思った」などと供述。凄惨な襲撃の様子は目撃者が撮った動画や写真がツイッターで拡散した。2人の関係とは――。
事件が起きたのは25日午後11時10分ごろ。市営地下鉄栄駅から南東に約400メートルの飲食店や宿泊施設が集まる繁華街の中区栄4丁目の路上で、飲食店から出てきた榊原さんが急襲された。土曜の深夜とあって、人通りが多いにもかかわらず、男は逃げる榊原さんを追い詰めると、その場で壮絶な暴行を加えた。
ツイッターで拡散した2分20秒の動画を見ると、男は右手で鉄パイプを持ち、左手には刃物を握り、鉄パイプで殴っては刃物で刺し…を延々繰り返す。しかも頭部を執拗に狙い、何十回と思いきり殴り、その右手には黒っぽい手袋のようなものをはめている。鉄パイプを持つ手の滑り止めとみられ、計画的殺人だったとみられる。
その男が山城清幸容疑者。殺気立った同容疑者にはほとんど誰も近付けず、やじ馬は遠巻きに見守った。動画に入っている外国人ホステスらの「警察を呼んで!」「死ぬよ~」「ヤバい、ヤバい、やめて!」といった叫び声も聞こえる。
榊原さんは路上にあおむけで、みぞおちあたりに刃物が刺さったまま倒れていた。拡散写真を見ると、刃物は体に対し垂直に刺さっており、周囲は血まみれ。「ケンカして人が倒れているようだ」との119番で救急隊が駆け付け、病院に搬送されたが、間もなく死亡が確認された。