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ライチョウ今年初の産卵 「自然抱卵」ふ化期待

ニホンライチョウが産卵した卵

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ファミリーパーク

 国の特別天然記念物で絶滅危惧種ニホンライチョウの人工繁殖を目指す富山市ファミリーパークは二十八日、人工飼育する雌が今年初めて産卵したと発表した。抱いて温めてふ化させる「自然抱卵」など、母鳥がひなを育てるよう本格的に取り組む。

 パークでの産卵は三年連続で、産卵した雌は二〇一六年六月にふ化し、一七、一八年に卵を産んだ個体と同じ。一五年六月に生まれた雄と、今年三月末から「お見合い」をさせ、四月十八日に交尾を初めて確認。今月二十八日朝、産卵を確認した。

 昨年はこの雌が十個ほど卵を産んだころから、巣に残っていた卵を温める抱卵を始めたが、卵は自然ふ化せず、卵を温める専用の「ふ卵器」を使った。今年は、抱卵による自然ふ化を目指し、生まれたひなを親鳥に育てさせる。

産卵したニホンライチョウの雌=いずれも富山市ファミリーパーク提供

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 ライチョウは平均して一日おきに産卵するといい、パークは野生と同じように六、七個の卵を産むのを待ち、人の手を入れすぎず静かにして抱卵を始めるかを見守る。動物課の村井仁志課長は「どういうきっかけで卵を温め始めるかは分からないが、抱卵を期待している」と話している。

 環境省などのライチョウ保護増殖事業に参加するパークでは現在八羽(雄五羽、雌三羽)を飼育。昨年はパークで産卵された卵のうち、同じく繁殖に取り組むいしかわ動物園(石川県能美市)で三羽がふ化し、順調に育っている。

 

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