4)領土主権承認の効果 (1)領土主権の妥当性確立効果 領土主権の承認は、国際法上一方的な法律行為として法的拘束力(legal binding force)を持つ(注40)。その法的拘束力の根拠は「約束は守らなければならない」(pacta sunt serevanda)の原則の適用に求めたり、禁反言(estoppel)の原則と信義誠実(good faith)の原則に求めることもある(注41)。領土主権の承認は禁反言の法的効果を創り出す(注42)。領土主権の承認は領土権原の取得に非常に重要な証拠(prove of great importance in the acquisition of title of territory)となる(注43)。したがって領土取得に非常に重要な役割をする(注44)。すなわち、領土主権の承認は領土権原の妥当性を確立する(establishing validity of territorial title) (注45)。 (注40) Wilfriend Fiedler, "Unilateral Acts in InternationalLaw", EPIL, Vol.7, 1984, p520 (注41) Ibid (注42) PCIJ, Series A/B, No.53, pp68-69 (注43) Shaw, supra n.7, p351 (注44) Malanczuk, supra n.10, p154 (注45) Georg Schwazenberger, "Title to Territory Response toChallenge", AJIL, Vol.51, 1957, p323 (2)相対的権威の強化または絶対的権原化 領土主権の承認は疑わしい権原を明白な権原に転換して(turna doubtful title into good one)(注46)より良い相対的権原(better relative title)を提供し(注47)、相対的権原(relative title)が絶対的妥当性(absolute validity)を持つようにする(注48)。 (3)領土主権の凝固 相対的権原の強化または絶対的権原化によって、領土権原の凝固(consolidation of title to territory)の結果を持たらす(注49)。 (注46) J. G. Starke, Introduction to International Law, 9th ed.(London: Butterworth, 1984),p148 (注47) Ott, supra n.14, p107 (注48) Schwazenberger and Brown, supra, n.9, p99 (注49) Ibid 5.米8軍副司令官John B.Coulter中将の独島爆撃演習基地使用認可要請と韓国の独島領土主権の承認 次のような理由から、米8軍副司令官John B. Coulter中将の独島爆撃演習基地使用認可要請は暗黙的承認の要件を充足したので、これはアメリカが大韓民国の独島領土主権を暗黙的に承認したものと見る。 第一に、アメリカの国家機関である米8軍副司令官の独島爆撃演習基地の使用認可を大韓民国の国家機関である国防部長官と国務総理に要請したことは、独島を大韓民国の領土と見た特別な措置だ(注50)。二番目に、米8軍副司令官が独島爆撃演習基地使用認可を大韓民国政府に対して要請したことは、米8軍副司令官が独島を韓国の領土と見たことについて合理的な反対理由がない(注51)。三番目に、米8軍副司令官は韓国の領土主権を承認する効果を認めないという特別な意思表示をしたことがない(注52)。 (注50) PCIJ, Series A/B No.53, 1933, pp.51-52. (注51) Lauterpact, supra n.4, p.378. (注52) Wright, Q., "Recognition, Intervention andIdeologies," Indian Yearbook of International Affairs, Vol.7, 1858. 6.提起される問題 1952年9月15日、米空軍機が独島に4発の爆弾を投下した事件が発生した(注53)。これに対して韓国政府は11月10日駐韓米大使館に抗議し(注54)、それに対して、1952年12月4日、米大使館から今後独島を爆撃演習基地として使わないという趣旨の回信が来た(注55)。また、UNCから、1953年1月20日、独島爆撃基地使用を直ちに中断するために必要な措置を取ることは隷下部隊に指令したという報告があった(注56)。 上の1951年9月22日付け大韓民国政府の抗議(←翻訳者疑問:この日付は何?数行上では「11月10日」と書いてあるが。)は1951年7月7日付け認可に矛盾し、また、1952年12月4日付け米大使館の回信も1951年4月4日付け認可に矛盾する。 すなわち、1951年7月7日に独島爆撃演習基地使用認可をした大韓民国がなぜ1952年9月22日付けの抗議をすることができたか、また、1951年7月7日に独島爆撃演習基地使用の認可を受けた米政府が1952年12月4日の公式書簡を大韓民国政府に送ることができたのか、に関する疑問が提起される(注57)。 もちろん、この問題とは関係なく、米政府が大韓民国の独島領土主権を黙示的に承認した効果にはいかなる影響も及ぼさない。 (注53) 金明基 『独島総覧』(ソウル:ソンイン 1915) p195 (注54) 金明基 全集46 pp191-192 (注55) 金明基 全集46 p192 (注56) 金明基 全集46 p193 (注57)おそらく、当時は戦時なので、国防部国務総理室と外務部の相互業務協力が円滑に行われなかったのではないかと思われる。また、米8軍とUNCも、戦時なのでやはり業務協力が円滑に行われなかったのではないかと思われる。 7.結び 1)要約整理 上述したところを次の通り勇躍整理(翻訳者注:書き間違いのために「要約」が「勇躍」になってしまっている。まあ、気持ちは分かるが。)することにする。 (ⅰ)米8軍は、大韓民国国防部長官と国務総理に「対日平和条約」が締結される以前の1951年6月20日に独島を爆撃演習基地として使うことを認可要請した。 (ⅱ)これは、アメリカが大韓民国の独島領土主権を暗黙的に承認したものだ。 (ⅲ)したがって、アメリカは大韓民国の独島領土主権と矛盾・抵触するいかなる行為もできない国際法上の禁反言の義務を負っている。 (ⅳ)アメリカによる大韓民国の独島領土主権の暗黙的承認(注58)は、連合国(Alied Powers)による大韓民国の独島領土主権の承認と区別され(注59)、また、国際連合(UnitedNations)による大韓民国の独島領土主権の承認と区別される(注60)。 (注58)アメリカ(United States of America)による韓国の独島領土主権を承認した次の根拠を置くことができる。(翻訳者注:「挙げることができる」の書き間違いかなあ。) 米大使館の独島爆撃基地不使用回信(1952年12月4日)。ただし同回答にはit virtually impossible for the United Nations Command todetermine the facts in the case と記述していて、同回信がUNCと関係していることを表示して、同回答が実質的にUNCの回信すなわちUNの回答と見ることができないのではないかという疑問を提起する (注59)連合国(Alied Powers)による韓国の独島領土主権を承認したつぎのような根拠を置くことができる。 (ⅰ) SCAPIN No.677(1946年1月29日) (ⅱ) SCAPIN No.1033(1946年1月22日) (ⅲ) SCAPIN No.2160(1951年7月6日) (ⅳ)「対日平和条約」第19条(d)項(1951年9月8日) (注60)国際連合(United Nations)による韓国の独島領土主権を承認した次のような根拠を置くことができる。 (ⅰ)国際連合総会による唯一合法政府承認(GA Res. 195(Ⅲ)(1948年12月12日) (ⅱ)国際連合安保理による対北敵対行為停止決議(S/1501)(1950年6月25日) (ⅲ) UNCの委任による韓国通信地域司令部回答(1953年1月20日) (ⅳ) UNCによる韓国防空識別区域設置(1951年3月22日) 2)政策対案の提案 政府関係当局に対して次のような政策対案を提案することにする。 (ⅰ)アメリカが大韓民国の独島領土主権を承認した事実を対外的に外交政策に反映し、大韓民国の独島領土主権の理解と支持を獲得して、対内的に対国民広報政策にパンヨ(翻訳者注:パンヨン(反映)の書き間違い。金明基先生は書き間違いが多い。)して国民の領土意識を高揚して愛国心を向上する。 (ⅱ)アメリカが大韓民国の独島領土主権を承認したにもかかわらず、「対日平和条約」の締結過程で韓国の独島領土主権を明文にしなかったアメリカの政治的・法的責任を寂しい時期に追及する。(翻訳者注:「チョクチョル」(適切)を「チョクチョク」と書き間違えたりするのでこういう訳になってしまう。) (ⅲ)アメリカが韓国の独島領土主権を承認した事実を対日独島政策に反映し、日本の独島領土主権の主張に積極的に反論する。 (終) 「米8軍副司令官Coulter将軍の独島爆撃演習基地使用認可申請による米政府の韓国の独島領土主権承認」 金明基/明智大学名誉教授 『独島研究』第24号 2018.06.30 p75 嶺南大学独島研究所 <コメント> コメントは次回に。 |
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お疲れさまでした。
なんか、中高生の作文を読んだような印象です。
突っ込みどころがありすぎて困ってしまいます。
2018/8/11(土) 午後 10:28 [ mam*to*o*1 ] 返信する
とりあえず、私のコメントを上げてみますが、ここはmamatotoさんの出番ですね。
2018/8/11(土) 午後 11:38 [ Chaamiey ] 返信する