第二十四話:暗殺者は友と再会する
魔族ライオネルは想像していた以上にやばい。
タルトと頷き合うと、俺たちは同時に首筋へと特製の注射器で薬を打ち込んだ。
短時間だけだが、脳を活性化させると同時にリミッターを解除する。
世界がゆっくりと流れ、身体能力及び瞬間魔力放出量が増加する。
圧倒的な力ではあるが諸刃の剣だ。
脳のリミッターというのは飾りでついているわけじゃない、無視すれば強烈な反動がくる。
しかも薬の効果時間は短く、使い続ければすぐに耐性がついてしまう。
これは切り札に分類され、滅多なことがなければ使用しない。
そして、今はその滅多なことが起こっている。
魔族ライオネルは鬣をなびかせながら、俺でなくタルトを狙う。
タルトからキツネ耳ともふもふのキツネ尻尾が生える。これもまた、短時間しかしようできない切り札。
タルトもわかっているのだ。出し惜しみ=死だと。
タルトは回避を選ばない、槍を正面に構えての突進。
タルトの背後で、風が爆発する。ディアが開発した、超短詠唱の風魔法をロケットにしたのだ。
「猫なんて、キツネの餌です!」
【獣化】の副作用で好戦的になっている。
その瞳は肉食獣のそれ。
【獣化】したタルトは非常に愛くるしい姿に似合わず凶暴になる。
槍はいつものものとは違った。
いつもの槍は使用人服に隠すため、柄の部分が分割され、先端のアタッチメントにナイフを接続するという形をとっていた。
隠し持つために強度と性能は犠牲にしている。
しかし、先日の兜蟲魔族との戦いで火力不足を思い知らされた。
だからこそ、携帯性ではなく破壊力を重視した武器に新調している。
槍の先端が超速回転する。
ファール石を埋め込み動力とし、ドリルのように穂先が超高速回転する仕組みだ。
加えて、その穂先は考えうる限り最硬度の合金を使っている。
それによりダイヤモンドすら穿つ魔槍が実現した。
そんな魔槍が、脳のリミットを外し、風のロケットで自らを打ち出し、さらには【獣化】をも使い強化された身体能力をもって放たれる。
突進の勢いだけじゃない、インパクトの瞬間、腰と腕の力をも乗せた渾身の一撃。
ライオネルの爪よりも槍のほうが長い分、先に着弾。
ライオネルは避けようと思えば、避けれたはずだが、鋼の肉体は女の槍には穿てないというおごりから、そのままぶつかった。
だが、それは愚手だ。タルトの槍は特別性。
俺の拳銃すら弾いた鋼鉄の体をえぐり、穿っていく。
しかし……。
「うそ、ルーグ様の槍が」
「我が肉体に傷をつけるとは、なかなか強い雌。うまそうだ」
ライオネルの胸を貫いた槍は心臓手前で回転が止まった。
やつが筋肉で抑え込んだのだ。
そのまま、両腕を広げたライオネルが、抱きしめるようにして両側から爪でタルトを狙う。
「舐めないでください!」
タルトが槍に隠された機構を使うべく、柄をひねる。
すると轟音と共に、穂先が射出された。
あまりの反動に撃った本人は五メートルほど吹き飛ばされ、ライオネルは胸を貫かれながら吹っ飛ぶ。
タルトは着地と同時に予備の穂先をつけ、ライオネルは数メートル先にある岩に磔となった。
穂先にはかえしがついており、肉を縫い止め固定されているからこそ体内に弾丸が残り磔となったのだ。
「新型の槍、とっても便利です!」
新型は槍であり、超大型口径の銃でもあるのだ。
穂先自体に回転機構とファール石を埋め込み、普段は回転槍として使い、いざというときには埋め込んだファール石を起動して【砲撃】を行う。
タルトの戦闘スタイルを考えたうえでこうした。
タルトはあまり射撃が得意じゃない、だからこそ超至近距離で使うことを前提にした。
本来、【砲撃】は射程こそがメリットだが、こいつは反動がえぐすぎて狙いなんてつけられるわけはない。
ぶっ刺して、ぶっ飛ばすという、おおよそ砲というものを冒涜するような運用が基本となっている。
『やるな』
内心で、こんな色物武器を使いこなしたタルトを賞賛しつつ、走る。
俺は観客ではない。
俺の役割は、ディアが確実に【魔族殺し】を当てられるだけの隙を作ること。
磔になっている奴に向かって疾走しつつ、詠唱を完成させる。
【高速詠唱】、そのさらに先へと踏み込んだ【多重詠唱】により二つの魔法を同時に使用していた。
ライオネルはかえしがついている槍の穂先をわずらわしそうにしながら握ると、自らの肉を引きちぎりながら引き抜き、俺を睨みつける。
「GAAAAAAAAAAAAAAAAAOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!」
咆哮。
それはただの威圧ではなく、魔力が込められた衝撃波。
身体が浮き上がり、吹き飛ばされそうになる。
しかし、ぎりぎり詠唱は間に合い、射程に入った。
「【風檻】、【氷獄】」
二つの魔法を放つ。
一つ目、敵の周囲を二酸化炭素で覆い尽くし一瞬にして敵体内の酸素を奪い尽くす風の魔法。
二つ目、敵の周囲を分厚い氷で埋め尽くし拘束する水の魔法。
本命は二つ目なのだが、周囲が氷で埋め尽くされている間、奴がおとなしくしているわけがない。
だから、【風檻】で動きを止め、その間に【氷獄】で固めるのだ。
目論見どおり、一瞬で酸素を奪いつくされ失神し、氷が周囲を埋め尽くす。
氷の分厚さは五メートル。
これならば、動けはしない。
まず、これはただの氷じゃない。絶対零度の氷であり、その超低温だけで動きを止める。
次に、中からぶち破るにも全身をがっちりと氷で抑え込んでいる、どれだけの馬鹿力があったとしても動きの始点を完璧に押さえつけられればどうにもならない。
『さすが、ルーグ。あとは任せて』
ディアが俺を追い越しライオネルへと向かいながら、眼で意図を伝えてくる。
【魔族殺し】の詠唱は最終段階に入った。
【魔族殺し】は氷を透過する。今ならば当てられる。
俺のほうも多重詠唱により、複合魔法を唱える。
放つ魔法は【レールガン】。
今回の狙撃役はネヴァンであり、今も狙いをつけているが、保険は必要だろう。
飛ばす【魔族殺し】の着弾と共に、ネヴァンの狙撃と【レールガン】が奴の【紅の心臓】を襲う。
ディアの詠唱が完成し、勝利を確信した。
そのときだった、背筋がぞわっとする。
第六感が継承を鳴らし、【レールガン】の詠唱をキャンセルし、ディアの首根っこを掴み、後ろにかばいつつ、ファール石を前方に投げ指向性爆発を命じる。
「きゃっ、どうしたの!?」
俺が後ろから引っ張ったせいでディアが尻もちを打って、飛ばす【魔族殺し】を外した。
さらには、ファール石の爆発なんてぶち当てたら、せっかく氷で拘束したのが台無しになってしまうだろう。
わかっていてこうした。いやな予感がしたというだけで。
暗殺者の勘というのは、オカルトめいたものじゃない。
暗殺者は五感すべてで常に周囲を探っているからこそ、どんな些細な前兆も拾う。
本来ならその前兆を検証し、危険性があるかどうかを考察し、対策を立案、実行するべきかどうかの判断をして行動に移るのだが、それで間に合わないことも多い。
それを、膨大な経験則から、考える時間をすっ飛ばして結論を出し、反射的に行動する。
それこそが暗殺者の第六感なのだ。
「あたりだったな」
ファール石がひび割れ、指向性の爆発で爆煙と金属片を撒き散らすのと同時に、氷が内側から爆発しその破片が散弾のように飛来した。
二つの強大な力がぶつかり合い、周囲に破壊の爪痕が刻まれる。
判断が遅れていれば、俺とディアは氷の散弾で致命傷をもらっていた。
そして……。
「ちっ」
すぐ真下に限界まで姿勢を低くして突っ込んできたライオネルがいた。
爪を俺にむけて振り上げている。奴の身体は傷だらけで火傷し、金属片が突き刺さり、肉が抉れている。
このタイミングでここまで距離を詰められたのは、氷の散弾とファール石の爆発が終わった瞬間の突進なんて生易しいことをしてきたわけじゃない。
あの超威力のぶつかりあいを突っ切ってきたとしか考えられない。
無謀を通り越して自殺行為、だが、だからこそ俺は不意を打たれてしまった。
轟音、光、土煙、ほとんどの五感を潰され、暗殺者の勘すら働かないタイミング。
だめだ。
この速さ、タイミング、かわせない。
せめて、致命傷は避けないと。
……そう思った瞬間、俺に向けて振るわれたライオネルの右腕、その右肘から先が光に貫かれて飛んでいく。
俺の顔面すれすれを肘から先を失った奴の右腕が通り過ぎていき、すかさずカウンターで奴の口にファール石を放り込み、打撃というより押す要領での蹴りで距離を取る。
奴の口内でファール石が爆発し、胸あたりまで吹っ飛ぶ。
それを見届け、距離を取り、タルト、ディアと共に陣形をつくる。
「ネヴァンに助けられたな」
奴の右肘から先を吹き飛ばしたのはネヴァンだ。
【魔族殺し】のあとに心臓を貫くはずだった一撃を使ったのだろう。
あれがなければ大怪我をしていた。
「あの距離で当てるなんてさすがです。……全員無事で良かった。でも、ちょっとまずいですね。そろそろ、薬も【獣化】も切れそうです。あれ、強すぎます」
「うん、強いね。あれ」
強い、単純に。
まさか、あの氷の牢獄を魔力と瘴気を爆発させぶち破るとは。
そして、理不尽で圧倒的なまでの身体能力と防御力。
……こっちは、短期決戦前提で全リソースを使っているのにかろうじて互角。
奴の首から上が戻る。
この時間で新たな策を考えたが、この策が通じなければ終わりだ。
ライオネルを注視し、仕掛けるタイミングをうかがう。
しかし、奴は思いもよらない行動に出た。
全力疾走、俺たちを無視してだ。
あの方向はやばい。
「【砲撃】」
鶴革の袋から、弾丸及びファール石を装填済みの【砲撃】を放つが、奴は回避した。
さきほどまでのあえて受ける傲慢さがない。
後ろを抜けられ、しかもこの距離。
追いつくことも攻撃を当てることも厳しい。
そして、奴の目的は狙撃手を潰すこと。
先の一撃で、ネヴァンの存在に気づき、鬱陶しい狙撃手から先に潰すと決めたのだろう。
距離を詰められたことでネヴァンが狙撃を開始する、光の一撃故に奴へ命中はするし、貫通力に優れるが故に貫きはする。
しかし、あまりにも細い光であり、傷は小さく、奴は再生しながら突き進んでいく。
ネヴァンが珍しく焦り、顔を歪める。
彼女に、あれを倒すすべも、俺が到着するまで時間を稼ぐすべもない。
このままだと食いちぎられる。
「くそっ」
舌打ちをしながら、走る。
だめだ、今からネヴァンを救うのは不可能……。
いや、考えろ。仲間を見殺しにできるわけがない。
そのときだった。
遥か上空から黒い大剣が降り注ぎ、ライオネルの眼前に突き刺さる。
ライオネルの頑強さを考えれば、無視して突っ込めばいいのに足を止めた。
そして、大地に突き刺さった剣の柄に黒尽くめの男が着地する。
腕を組み、マントをはためかせながら。
ライオネルも足を止めるはずだ。なんて、禍々しく凄まじい力をもった剣だ。あの剣はいったい……、かつて出会った【神造宝具】グングニルすら凌駕する。
そんな俺の疑問に答えるものはおらず、剣の持ち主とライオネルが向かい合っていた。
「だれだ貴様。同類か? 我らと同じ匂いがする」
「同類、ふっ、そう見えるか。この僕も堕ちたものだな」
顔まで覆う衣装のおかげで、確信はもてなかったが、声を聞いて確信した。
この圧倒的な力を持つ剣の持ち主は彼だ。
……来るとは思っていたが、このタイミングか。
「邪魔をするな。我は、あの男の手足を引きちぎり、奴の前で、女どもを犯しながら食わねばならん」
「させないよ。彼らは僕の友人だ。それに、彼女は特別なんだ」
「なら、我が爪牙の餌食になるといい」
「引き立て役の分際でよく吠える。君はちょうどいい噛ませだ。僕はここで証明する、僕はもう彼女の後ろを追いかけるだけの存在じゃないことを」
黒尽くめの剣士が、剣の柄から飛び降り、剣を引き抜く。
「さあ、刮目せよ。闇に堕ち、いや、闇を統べることで得た僕の力を。そして、僕の名を刻め。僕の名は暗黒勇者ノイシュ!」
高々に、まるで劇場で役者がそうするように陶酔した声で己の名を宣言する。
「なんて、むごい」
変わり果てたノイシュを見て、呆然とし声を漏らす。
蛇魔族ミーナめ、許さない。
俺の友人をあんなふうにしてしまうなんて。
拳をぎゅっと握りしめる。
……玩具にするとはこういうことか。
俺は彼を止められなかった。
いや、後悔は後にしよう。今はただ、やるべきことをする。魔族ライオネルを倒すことだけを考えるのだ。
そして、この戦いが終われば、全技能をもって治療する。
それがノイシュを救えなかった俺ができる唯一の贖罪だから。
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