18人刺され、女児と39歳男性死亡…刃物男も首切り死亡
28日午前7時45分頃、川崎市多摩区登戸新町の路上で、「複数の通行人らが刺された」と119番があった。神奈川県警多摩署によると、スクールバスを待っていた同区中野島の私立カリタス小学校の女児ら16人や大人2人の計18人が刺され、小学6年生の女児と男性(39)が死亡した。現場で取り押さえられた男は自身の首を切り、約3時間後に死亡した。県警は、所持品などから同市麻生区の男(51)とみている。不特定の児童らを狙った通り魔事件とみて、殺人容疑などで容疑者死亡のまま捜査を進める。
消防庁によると、ほかのけが人は重傷が4人、軽傷が8人など。搬送先の聖マリアンナ医科大病院(川崎市宮前区)には5人が搬送され、女性(45)や女児3人が重傷を負っている。また、川崎市立多摩病院(川崎市多摩区)によると、6〜12歳の女児ら5人がけがを負い、治療を受けている。
同署によると、男は両手に刃物2本を持ち、登戸第1公園近くのコンビニ店付近の路上で複数人を刺した後、そのまま歩いて公園近くのスクールバスを待つ女児たちの列のほうに向かっていった。女児らはスクールバスに乗車しようとしたところ、男に突然襲われたとみられる。スクールバスの運転手が降りて「何をしているんだ」と叫ぶと、男は持っていた刃物で自分の首を切りつけてその場で倒れたという。
警察官が現場で男の身柄を確保したが、搬送先の病院で死亡が確認された。また、刃物2本が現場近くの植え込みで並べた状態で見つかった。
目撃者によると、男は「ぶっ殺してやる」と叫びながら刃物を振り回していたという。
カリタス小は1963年設立。カトリックの共学で、児童数は男女計約600人。運営する学校法人カリタス学園は、幼稚園から小、中、高校までの一貫教育を行う。
同校の関係者によると、同校では、スクールバス3台を運用し、朝の通学時間帯には現場と学校を8往復している。刺された児童たちは6便目に乗る予定だったという。
現場はJR登戸駅から北西約400メートルのマンションなどが立ち並ぶ住宅街。