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【コラム 人生流し打ち】

ポイントは守備位置、根尾に見た大器の片りん 芝生の境目に立てるのは足に自信があるから

2019年3月15日 19時4分

守備練習をする根尾=3月8日、ナゴヤ球場で

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 ウエスタン・リーグの開幕戦をナゴヤ球場で見てきた。内野席で追ったのはウワサの根尾昂。攻守とも見せ場はなかったが、十分満足した。というのも今回のチェックポイントは守備位置で、芝生の境目に立つ姿に大器の片りんを見たからである。

 後方に位置すれば守備範囲は広がる。スタンドで居合わせた中日OBの北村俊介さんも「あそこで守れるのは、肩だけじゃなくて足に自信があるからなんです」とうなった。

 このナゴヤ球場には語り継がれる高木守道さんの伝説がある。グラウンドの土は数年に一度入れ替えられる。このためあるシーズンのオフ、測量をしたところ左右対称のはずが二塁側だけ芝生が3メートルほど後退していたという。高木さんの守備位置が徐々に広がり、スパイクで芝が削られていたのだ。少しずつだったため誰も気づかなかったようだ。

「芝生を張り替えるかどうか守道さんに電話しました。そうしたら、そのままにしておいてほしいということだった。引退後、すぐに張り替えましたけど」。名物グラウンドキーパーだった永田向平さんは言った。

 高木さんの代名詞はバックトス。同僚だった木俣達彦さんからは練習のエピソードを聞いた。等間隔にボールを10個ほど並べ、次々に手首を返さずフェンス目がけて投げていたそうだ。「肘が痛いと言いながらやってたんだね。あれがバックトスの練習だとあとで分かった」。

 守備位置に見るように根尾の潜在能力は高いが、プロ野球の実績はまだない。それでもここまで期待がかかるのは、あすの自分を心に描き、それに向かって努力する姿が容易に想像できるからではないだろうか。どんな伝説が誕生するか、楽しみでならない。(増田護)

 

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