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【神奈川】議会見守り20年 活動に幕 相模原市議会をよくする会
相模原市議会の本会議と委員会を傍聴し、機関紙や、市議の公約達成努力度を評価した「通信簿」を発行するなどしてきた市民団体「相模原市議会をよくする会」が二十年の活動に幕を下ろした。会員の高齢化などを理由に解散を決めた。代表の赤倉昭男さん(82)は「活動を応援し、支えてくれた市民に感謝したい」と語る。 (曽田晋太郎) 団体は一九九九年五月、市内の主婦三人が市議会傍聴の仲間を募っているという新聞記事を見て集まった市民約十人で結成。その一人の赤倉さんは会社員時代、海外勤務が長く、政治好きが高じて欧米各国などの議会を傍聴していた。それが初めて地元の市議会を訪れ「マナーの悪さに驚いた」。居眠りや離席、私語が当たり前に行われ「海外のような活気ある議場には程遠かった」。 「どうしたら議員をただせるか」。団体は赤倉さんの発案で、議会傍聴の結果をまとめた機関紙の発行を決め、定例会ごとに年四回、一般質問の内容や議案審査の過程などを紹介した。有権者の判断材料になればと、二〇〇三年からは市議選の直前ごとに、各議員の四年間の活動を基にした通信簿も作った。団体の陳情などが奏功し、議会運営委員会や議員全員協議会の傍聴もできるようになった。 赤倉さんは二十年を振り返り「議員の居眠りなどはなくなりマナーは向上したが、人数の多い会派の意見が、ほぼ通る議会は民主的ではない。小さな意見も無視せず、市のために何が良いことなのか、しっかり議論してほしい」と話す。 団体は今月十九日付で、機関紙の最終号「第七十八号」を出した。活動の軌跡を紹介するほか「市議会への伝言」と題し、議会基本条例の見直しや電子投票システムの導入など、六項目の提言を掲載する。赤倉さんは「個人的には、これからも議会を厳しく見守りたい。相模原には、民主的で健全な議会のモデルとして、地方議会をリードする存在になってほしい」と願う。
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