先日、丸山穂高国会議員が北方領土を元島民と訪れた際に、泥酔の末に元島民に絡んで戦争による領土奪還をすべきか問いただしたり、夜間の外出禁止を無視して外出を強行するなどの暴挙に出て、国際問題へと発展してしまいました。

北方四島を戦争で奪還すべきかの議論はさておき、国民から選出された国会議員が、公務の一環である北方領土の訪問でルールやマナーを破るなど言語道断です。

それによって、長年の間、元島民が現島民と平和的な交流を深めて、現実に即した解決の努力をたった一晩で全て潰してしまったのですから、元島民の怒りは計り知れないでしょう。

事前に酒を飲むことについても控えるようレクチャーを受け、自身も酒に弱く、過去にも泥酔によるトラブルを引き起こしているにも関わらず、結局酒に飲まれて愚行をしたのですから、大人としても恥ずべき事であり、アウトと言わざるを得ません。

単なる発言の撤回では済まされず、国民の代表たる国会議員も辞職するのは当然ではないでしょうか。
ロシアと国境を接し、危機がすぐそこにやって来得る北海道の人間としても許せません。

「酔うために飲む」ことのリスク

酒飲みの一人であり、ウイスキーのブロガーとしても、お酒に対する接し方について、いろいろ書きたいと思います。

今回の事件において「酒の席だから許してやれ」という意見もネットで散見されました。

しかし、個人差はあれど、飲酒によって精神的な「緩み」が発生し、建前や理性で隠してきたその人の本音、本性が出てきます。
酔った勢いでの発言は、まさにその人の本来の姿だと言っても過言ではないです。

人によっては、飲み会や得意先との酒宴を、相手の心を見るコミュニケーションアイテム、ビジネスツールとして活用するのも、そうした本音、本性を引き出せる理由があると言えます。

そうした本音、本性が曝け出される事を考えると、それによる乱行を許すというのは考えられないはずです。

泥酔によって前後不覚に陥り、鞄に入っていた大事な書類、データを紛失、盗難に遭い、個人情報や機密情報の漏洩で、所属する会社の社会的信用を失ってしまうなど、人生を棒に振ることもあります。

それだけでなく、強盗などの犯罪に遭いやすい、逆に暴行や傷害などで犯罪を犯してしまう、生命の危険にさらされることもあり得ます。

「酔うため」に酒を飲むことは、こうしたリスクが伴うことを自覚しないといけません。
酒に飲まれてしまっては、建前で築いてきた自分の信用、品格、実績をも破壊しかねません。

酒は嗜んでナンボ

酒を「嗜む」(たしなむ)という言い方があります。一般的に嗜むという言葉には「愛好する」「親しむ」という意味の他に、「慎む」「心掛ける」「身なりを整える」という意味もあります。

飲酒によって酔っ払った際に、建前や理性が崩れ、醜態を晒してしまいかねません。

だからこそ、慎み、酔っ払わないよう心掛けて飲む行為から「嗜む」という意味が使われるようになったのかもしれません。

飲酒は大人の特権ですが、だからといって世間でのストレスや憂さを晴らす、嫌なことを忘れるために酔っ払う目的で飲むのは「子供の飲み方」に過ぎません。
それで飲み続ける先には、アルコール依存症などの精神的な病へも陥りかねません。

「嗜んで」お酒を飲むことこそ、本当の大人の飲み方ではないでしょうか。
ウイスキーのみならず、あらゆる酒についても、香りや味のいいものを選び、それらを楽しみつつ、嗜んで欲しいと思います。