| (続き) その附録の一つとして、「別添6」とされたアメリカ大使館からの文書が掲載されています。次は、その英文と翻訳です。 ANNEX 6 No. 187 The Embassy of the United States of America presents its compliments to the Ministry of Foreign Affairs and has the honor to refer to the latter’s note of November 10,1952 stating that a single engine airplane described as being under the Command of the United States Forces in the Far East dropped bombs on Dokto Island on September 15, 1952. The embassy is advised that the limited amount of information provided in the Ministry’s note as well as the very long time which has elapsed since the incident is said to have taken place make it virtually impossible for the United Nations Command to determine the facts in the case. Preparations have, however, been expedited to dispense with the use of Dokto island as a bombing range, etc. American Embassy, Pusan , December 4, 1952 別添6 No. 187 アメリカ合衆国大使館は外務部に敬意を表し、アメリカ極東軍司令部の傘下にあるとされる単発飛行機が1952年9月15日に独島に爆弾を落としたと指摘する1952年11月10日付の覚書に言及する光栄に浴する。 大使館は、外務部の覚書に示された情報が限られていること、並びに事件があったと言われている時から非常に長い時間が経過していることから、実質的に国連司令部が事実を確定することは不可能であろうとの助言を受けました。 しかしながら、独島を爆撃目標とすることを中止するための調整が進められています。等々 アメリカ大使館 釜山 1952年12月4日 このアメリカ大使館の手紙は何かというと、1952年9月に韓国山岳会主催により第二次欝陵島独島学術調査団が派遣されたが、竹島を調査しようとしたときに米軍機の偶然の爆撃によって上陸できず、中途で調査事業を中止したことがあったわけで、1948年の爆撃による漁民殺傷事件に続いて二度目のできごとだったようです。それで、韓国政府外務部ではこのようなことが再発しないよう駐韓国米国大使館に抗議を提出したのですが、それに対する回答がこの手紙です。 それで、やっと今日の本題に入りますが、この手紙の末尾は「etc.」で終わっているようになっていますね。しかし、実際の手紙は次のようになっていました。 No. 187 The Embassy of the United States of America presents its compliments to the Ministry of Foreign Affairs and has the honor to refer to the latter’s note of November 10,1952 stating that a single engine airplane described as being under the Command of the United States Forces in the Far East dropped bombs on Dokto Island on September 15, 1952. The embassy is advised that the limited amount of information provided in the Ministry’s note as well as the very long time which has elapsed since the incident is said to have taken place make it virtually impossible for the United Nations Command to determine the facts in the case. Preparations have, however, been expedited to dispense with the use of Dokto island as a bombing range. The Embassy has taken note of the statement contained in the Ministry's Note that " Dokdo Island (Liancourt Rocks)...is a part of the territory of the Republic of Korea ". The United States Government's understanding of the territorial status of this islands was stated in Assistant Secretary of State Dean Rusk's note to the Korean Ambassador in Washington dated August 10, 1951. American Embassy, Pusan, December 4, 1952 赤色の部分は、『獨島問題概論』の附録においては、「etc.」に置き換えられ、隠されていたわけです。赤色の部分を翻訳すれば次のようになるでしょう。 「大使館は、外務部の覚書に含まれる独島は韓国の領域の一部であるという声明に留意する。合衆国政府のこの島に対する領域的地位の理解は、ディーン・ラスク国務次官補から駐米韓国大使あての1951年8月10日の手紙において明らかにされている。」 以上から分かるとおり、韓国政府は、ラスク書簡のことを政府内の外交担当官向けの資料においても隠蔽しました。この手紙の存在を知らせれば韓国政府の主張は成り立たなくなることが分かっていたからです。 序文には、「付録は問題を理解するにおいて正確を期するため原文のまま掲載しました。」なーんて書いてあったんですがねえ。 韓国政府は現在でもラスク書簡の存在を認めていないわけですが、「そんなものは知らない」とか何とか言うのかどうか知りませんが、今回の資料では、韓国政府はラスク書簡を知っていて意図的に隠蔽していることが明らかになりました。もういい加減に、韓国政府はラスク書簡に対する見解を明らかにすべきではないか? なお、この件は、Dokdo-or-Takeshima?のブログで昨日発表されたものです。手紙の画像も紹介されています。 議論の発端は ↓ここでした。 Dokdo-or-Takeshima?の参加者の皆さんが寄ってたかって(?)韓国政府の情報隠しを見事に暴き出したわけです。実は、私もその場に居合わせたのですが、私はこの件には気がつかず、一人だけ頓珍漢なコメントを残してますねえ(笑) まっ、いいか。 |
全体表示
[ リスト ]
- Yahoo!検索で調べてみよう
- 連携サービス
- 知恵袋|
- textream(掲示板)|
- ロコ|
- 求人
こういう画像を調べて発掘してこられる方は凄い能力を持っていて感動します。
この文書は国史編纂委員会「独島資料―美国編/巻2」(20008年)の255ページにも載っています。この本が出版されるまで一部の人以外は、その全貌は知りようが無かったのでしょうが、今なら現代の韓国人なら図書館に行って簡単に入手して確認できるから、韓国人への説明が容易になってきていると思います。
古本店の画像ですが→http://www.ibuybook.co.kr/index.html?menu=view&uid=140306&category=34&category1=%BF%AA%BB%E7&category2=318
(ちなみに、ラスク書簡は111ページに載っています) 削除
2011/8/29(月) 午後 0:50 [ mira7ca ] 返信する
はい、いろんな資料をどこからか見つけてこられる人たちがあちこちにおられまして、すごいもんです。
ところで、
>この文書は国史編纂委員会「独島資料―美国編/巻2」(20008年)の255ページにも載っています。
とおっしゃる「この文書」とは、別添6NO.187のことなのでしょうか、それとも「独島問題概論」全体のことでしょうか。
2011/8/29(月) 午後 10:21 [ Chaamiey ] 返信する
言葉足らずで申し訳ありません(^^;
「独島問題概論」ではなく、文書とは「NO.187」のことで赤字の部分も含んだまま内容が載っていました
2011/8/30(火) 午前 8:23 [ mira7ca ] 返信する
ありがとうございます。ということは、NO.187の全文とラスク書簡を資料に収録している国史編纂委員会は、ラスク書簡の存在を認めているということになりますね。ラスク書簡を無視している政府の公式主張との関係はどういうふうに整理された上でのことなんでしょうかねぇ。
2011/8/30(火) 午後 8:51 [ Chaamiey ] 返信する
mira7caさん、貴重な情報ありがとうございます。他にもいくつか関連情報が集まってきており、勉強させて頂いています。
2011/9/1(木) 午前 1:52 [ kaneganese ] 返信する
『日本人と韓国人 その似て非なる事 』というブログで「竹島 韓国政府の破廉恥な米大使館文書偽装工作」(http://14819219.at.webry.info/201109/article_6.html )と題して、この話を取り上げていますね。日韓交流掲示板からの転載のようです。そこで金明基が「アメリカの公式的な意思は独島を韓国の領土と見ることだった。」とする根拠として『獨島問題概論』を提示しています。まともな国際法学者なら韓国の行いの非を説くのでしょうが、彼は正反対の行動をとりましたからね。自業自得というべきでしょう。
2012/2/17(金) 午後 5:31 [ Makoto ] 返信する