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はじめての銅版画制作の第二弾です。
前回はエッチングという技法を使い、ニードルで線画を描いた後に一度試し刷りをしたところで終わりました。今回はその続きです。
前回試し刷りしたものをベースに、絵をどういう風に作って行きたいかという宿題が出されたので、イメージを描いて持参しました。
先生、背景のとこをふわっとさせたいです…。ぱぴこ
ふわっと…じゃあ、今回はアクアチントという技法を使いましょう!先生
アクアチントで版を作る
アクアチントは、線で描くエッチング(part.1参照)とは対照的で面の表現ができます。 背景など、濃淡をつけて柔らかく表現したいときや、色を使う場合に使われます。単独ではなく他の技法と併用することが多いです。
白いところにニスを塗る
全体にトーンをかけるような感じということなので、まずは持参したイメージ図を見ながら白くしたいところに黒ニスを塗ります。 このニスは伸びが悪いので少し塗りにくかったです。私は輪郭の周りを少し白っぽくしたいと思い、わざと少しハミ出すように塗りましたが、この行いが後に失敗に繋がります…。
松脂の粉をふりかける
ニスが乾いたら、松脂(まつやに)の粉を全体にふりかけて、温めます。粉の白さが透明になったらOK、温めすぎに注意です。銅の表面は粉が溶けてがプツプツしています。
腐蝕する
冷めるのを待ってから腐蝕させます。何分やるかで濃さが変わるのですが、この時は3分やりました。 黒い液体なので沈めても行方不明にならないように、テープをつけて取り出しやすくしておきます。
▼取り出して水洗いをした後に、醤油をかけて更に洗います。松脂の影響で全体がピンクっぽい色になりました。
腐蝕後は刷りの準備
松脂はアルコールで、黒ニスはリグロインという溶剤を使って、版についているものを全部きれいに拭き取ります。 この時点で嫌な予感…。
※この後は、紙を手で切って湿らせておいたり、版にインクを詰めるという作業がまだありますが、今回は省略します。
あれ、ニスが結構はみ出しちゃいましたね。先生
輪郭の周りを白っぽくさせようとしてわざとなんですが…。ぱぴこ
・・・。まあ試しに刷ってみましょう!先生
試し刷り
というわけで、本日1回目の試し刷りがこちらです。
思ったよりも背景が黒すぎるし、私が輪郭の周りを白っぽくしようと思った所は塗り忘れのように見えて悪目立ちしています。
先生、これは失敗しましたよね…。(凹む)ぱぴこ
いや、背景はやすりをかければ薄くなりますよ!あと輪郭も何とかなるかも。先生
アクアチントは、ちょっと濃いかなというくらいにしておいて、後から紙やすりで削ったり、バニッシャーという道具を使って濃淡を調整するのがむしろ王道らしいです。 勝手に判断してわざと残すとか変なことやる必要なかった…。やる前に確認は必要だと改めて思いました。
▼ということで紙やすりで調整して、本日2回目の試し刷り!
最初に言っていた背景のイメージに少し近づいたし、輪郭のあたりの失敗したところも1回目よりは目立たなくなった気がします。 紙やすりスゴイ!!
今回のまとめ
前回はエッチング(線描)で、今回はアクアチント(トーンをつける)をやりました。版画は紙に刷らないと分からない場合が多いので、とりあえず試し刷りして確認しながら作業を進めていきます。銅版画やってみたいけど、どんな感じかなという人の参考になればと思います。ちなみにアイコンは実際の先生と全然似てませんw
第3弾は3月15日頃の更新予定なので、もしよければ続きも見てくださいね。