『竹島―もうひとつの日韓関係史』の第6章は「竹島の日本編入」です。 ここでは日本による1905年(明治38年)の竹島日本領編入の閣議決定を一応紹介してありますが、編入行為は竹島問題において最も重要なポイントであるにも拘わらず、編入の意義とかその重要性などの解説は特に無く、編入前後の事情(竹島がリャンコ島として知られるようになったころは誰によって利用されていたのか、独島という名前はどういうふうに現れたか、竹島編入を聞いた後の韓国政府はどう対応したか、など)に多くの字数を割いてあります。だから、竹島問題にあまり詳しくない人がこの章を読んだ場合、竹島の日本領編入行為がどれだけ決定的に重要なものかはなかなか実感できないだろうと思いますね。これは日本の竹島領有権の国際法上の根拠であって、これが無ければ話が始まらないというようなものなんですがね。 竹島日本領編入の閣議決定に対する池内教授の解説は次のとおりです。 ここには、「他国による占領の事実がない無人島」に対し、「国際法上占領の事実あるものと認めうる」から日本領に編入するという意図(無主地先占の法理)が明確に述べられている。近世に確立された竹島に対する領有権を再確認するなどとは、どこにも記されない。それもそのはずである。右の閣議決定に先立つ、元禄竹島渡海禁令、天保竹島渡海禁令、明治10年太政官指令の三つにより、「今日の竹島は日本領ではない」ことをわが国中央政府歴代がそのつど繰り返し確認してきたからである。(p183) この一文は、今回の新書のでたらめさを代表する部分ですね。 「センセーイ、僕、閣議決定を調べましたけど、再確認なんて書いてありませんでしたぁ。」 中学生ならそれでいいのかも知れないが、学者ならば大人の読み方ができませんかね。外務省は「この閣議決定により、我が国は竹島を領有する意思を再確認しました。」と説明しているのですよ。「閣議決定」には「再確認」の意味があると言っているのです。閣議決定の中身が再確認だなどという説明をしているわけではないのです。 史料・資料に書かれていることを正確に読み取っていくというのが池内さんの信条なのだろうが、資料そのものを正確に読み取ることはもちろん大事なことであるにしても、事件全体におけるその資料の意味合いというものも考えるべきですね。 そして、元禄竹島渡海禁令、天保竹島渡海禁令、明治10年太政官指令の三件の解釈は池内教授の独自の解釈であって、全く史実ではありません。元禄竹島渡海禁令、天保竹島渡海禁令については、池内さんには明文の通知文史料に書かれてもいないこと(竹島だけでなく松島も渡海禁止ということ)が見えるようなのだが、それこそ「そんなことはどこにも記されていない」ことです。 |
全体表示
[ リスト ]
- 連携サービス
- 知恵袋|
- textream(掲示板)|
- ロコ|
- 求人
http://www.dokdo-takeshima.jp/wordpress/wp-content/images/hachiemon-map2.jpg
コノ地図ハ八右衛門ガ渡海禁止令ノ時二添付サレタ地図ジャナイノ?
日本人ガ過去ノ歴史ヲシラバクレッテ露日戦争中ノ告示サレテイナイ1905年島根県編入二コダワルノハ結構ダガ…
帝国主義二オケル過去ノ領土拡張ガ近代国際法デ合法ナノカ…
結論ヲ言エバ日本帝国ノ領土拡張ハ違法ダガ
2016/3/14(月) 午後 2:44 [ noh***** ] 返信する
>八右衛門ガ渡海禁止令ノ時二添付サレタ地図
まぁ答えられないと分かっていることだけど…この地図でどうやって「松島に朝鮮の領有権」が確立していることを証明できるのかな?
この地図って何処の国で作成された地図かな?
>告示サレテイナイ1905年島根県編入
これはなんでしょうか?
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/takeshima/pdfs/g_hennyu04.pdf
また「先占」や「国家の主権的行為」を基礎にした領土権確立は、現在の国際法でも正当かつ合法的な領土権ですね。
これらを「違法」という貴方は少しは国際法のことを勉強したほうが良いですよ。
2016/3/14(月) 午後 4:55 [ mam*to*o*1 ] 返信する
mam*to*o*さんの投稿も拝読いたしました。本文記事(第6章)は、まだまだ続くのですよね。「再確認」は、歴史的事実を事後的に評価しているのですよね。「固有の領土」も然り。
この問題の歴史的な流れは、天保竹島一件(1836年)~明治初期(3年・10年)~1900年大韓勅令~1904年編入願い~1906年7月鬱島郡の配置顛末・です。自分は将棋が好きで、この流れは将棋でいえば、序盤~中盤~終盤→詰みの流れだと思います(笑)。
天保竹島一件では、幕府対朝鮮部局の対馬藩が、松島について竹島の属島的であるとする解釈を示すとともに、旧松島無所属説も排除していない事実(前記事注11)は、この問題を考えるうえで重要だと思います。日本側に解釈(≠実態)としては、旧松島が竹島(鬱陵島)の属島的だったという見解も確かにありました。しかし、時は流れて、編入直前の1900年~1904年ころの実態がどうであったのかで判断すれば、怪しむに足りないと思いますね。
2016/3/14(月) 午後 9:24 [ gku***** ] 返信する
Gくんさんは将棋を指すのですか? それは知らなかった。将棋倶楽部24には行きますか? 私はしょっちゅう出入りしているのですが。
2016/3/14(月) 午後 9:30 [ Chaamiey ] 返信する
おはようございます。将棋に限らずゲームは途中良くなったり悪くなったりするじゃないですか。この問題はそれに似ているな!と思いまして。(余談)将棋は下手の横好きです。日曜午前のNHKEテレ観たり、詰将棋解いたりは好きです。
2016/3/15(火) 午前 8:32 [ gku***** ] 返信する
竹島の三手詰めの易しい詰将棋を考えて見ました(笑)
1 日本は1905年に竹島を領土編入
2 韓国は過去に竹島を支配したことを全く立証できず
3 サンフランシスコ講和条約で竹島日本領決定
2016/3/15(火) 午後 4:44 [ Chaamiey ] 返信する
>「松島に朝鮮の領有権」
???
松島(独島)ノ認識ハアッタノハ理解デキタナ
太政官指令ガアルゴーノト島ヤラノ妄想ハ止メルコトダ
2016/3/18(金) 午後 0:43 [ noh***** ] 返信する
「違法」トヤラ戯言二終始セズ 「違法」ナラバ法デ裁ケバ?
日帝ハ大法院デ裁カレテ違法トノ判決済ミダヨ
2016/3/18(金) 午後 0:50 [ noh***** ] 返信する
>noh*****さん
書かれていることが分からないようなら「パルマス島事件」や「マンキエ・エクレオ事件」といった判例を精読することをお勧めする。
結局は「相対的強さの比較」であり、比較するためには「朝鮮の領有権」の証明が前提となるんだよ。
2016/3/18(金) 午後 10:48 [ mam*to*o*1 ] 返信する
> mam*to*o*1さん
>「朝鮮の領有権」の証明が前提となるんだよ。
池内氏の結論は「証明できない。」ですからね。
細かく言うと,領有権の証明というのは,
①領有の意思 の証明
②実効支配 の証明
の2段階なんですが,池内氏は①が証明できないと言ってるのですね。
もちろん,②なんかカスリもしない状況です。
2016/3/19(土) 午前 10:22 [ pur*cy*ka20*7 ] 返信する
3月19日(朝鮮日報日本語版) 独島:日本の全教科書で「竹島は日本の領土」<と他ひとつ同様の記事がありました。どちらも韓国国内向けの虚偽(ウソ)が多いです。その虚偽を信じている方も多いようです↑。日韓両者の言い分についてちょっと勉強すればわかることなのですが。 mam*to*o*さんpuracyakaさんの投稿も拝読しての感想です。
2016/3/19(土) 午後 8:54 [ gku***** ] 返信する
>pur*cy*ka20*7さん
①についても、一度は領有権意思を示したものの「竹島一件による竹島(鬱陵島)の放棄と共に松島(竹島)の領有権も放棄した」かどうかが分からない、という状況です。
「創設したか分からない」と「放棄したか分からない」とでは大きく違うと思います。
どっちにしても、これらの措置はあくまで日本の領有権に対する創設・放棄の措置であり、朝鮮の領有権の創設には何ら関係の無い事柄です。
2016/3/19(土) 午後 11:23 [ mam*to*o*1 ] 返信する
勅令41号ですが,1906年7月13日付皇城新聞「鬱島郡の配置顛末」について池内氏は言及してませんね。
勅令41号に直接言及していると言う意味で極めて重要なのですが。
2016/3/20(日) 午後 6:48 [ pur*cy*ka20*7 ] 返信する
>pur*cy*ka20*7さん
政府や地方自治体といった公の機関による公の文書ではない、という理由でしょうか?
だとすると日韓の文書資料の取扱いに偏りがあることになりますね。
しかしラジオの方では池内氏も、竹島を領土編入した記録は日本にしかない、と指摘していたので勅令41号の証拠価値をみとめていないのかも知れません。
2016/3/21(月) 午後 3:40 [ mam*to*o*1 ] 返信する
そうですね、池内さんは「しかしながら、この勅令第41号第2条にいう石島が竹島に一致することが直接的に証明されたことは、これまでに一度もない」(p184)と書いていて、勅令41号の証拠価値を認めていません。だから「鬱島郡の配置顛末」は触れる必要がない、ということかも知れません。
2016/3/21(月) 午後 3:57 [ Chaamiey ] 返信する