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【スポーツ】

[クライミング]20歳・原田がトップ通過で世界切符

2019年5月26日 紙面から

男子複合予選 1位で決勝に進んだ原田海=石鎚クライミングパークSAIJOで(榎戸直紀撮影)

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◇複合ジャパンカップ

 スポーツクライミングで世界選手権(8月・東京都八王子市)の代表選考会となる複合ジャパンカップは25日、愛媛県西条市の石鎚クライミングパークSAIJOで予選が行われ、男子は昨季のボルダリング世界選手権王者・原田海(20)=日新火災、女子は野中生萌(みほう、22)=XFLAG=がトップで8人による26日の決勝に進み、ともに日本協会の選考基準を満たして代表に決まった。男子で2位の藤井快(こころ、26)、3位の楢崎智亜(22)、4位の楢崎明智(20)、女子で4位通過した野口啓代(あきよ、29)=以上TEAM au=も代表入りが決まった。

 最後のホールドを右手でしっかりとつかむと、原田は観客の拍手に応えるように笑顔で両手をたたいて歓喜した。最終種目のリードで唯一の完登。得意のボルダリングとともに2種目で1位となり、予選1位通過を決め「この大会に合わせていたので、自分の調子からして1位もあり得ないことじゃないと思っていた」と胸を張った。

 スピードは最初のトライでいきなり落下。「ヤバイと思ったけれど、隣のレーンで一緒に登った(藤井)快さんがいいタイムを出したので、つられて」と2度目で自己ベストの7秒06を出した。それをはずみに続くボルダリングで2完登。リードは40~50手を要する「長モノ」と呼ばれる課題を自作して練習し、培った持久力を発揮した。粘り強い登りで多くの選手が苦戦し、落ちていったゴールのホールドにたどり着いた。

 昨年の世界王者も今季は国内大会で結果を出していなかった。年明けから続いたボルダリング、リード、スピードのジャパンカップはいずれも決勝に進めていない。だが焦りはなく、冷静にこの大会だけを見据えていた。「世界選手権に出ないことには、と思っていたので。まずは出場権を取って、自信になる大会にしたかった」。その決意で世界選手権代表を勝ち取り、強敵がそろう男子の首位に立った。 (平野梓)

<原田海(はらだ・かい)> 1999(平成11)年3月10日生まれ、大阪府岸和田市出身の20歳。2015年からリード、16年からボルダリングW杯に参戦し、昨年のボルダリング世界選手権は初出場初優勝。神奈川大(3年生)に在学中。

<複合とは?> 来年の東京五輪で実施される複合はスピード、ボルダリング、リードの3種目を行い、各種目の順位を掛け合わせたポイントの少ない選手が上位になる。この日の予選で原田は6、1、1位で6点、野中は1、4、5位の20点だった。なお、強化指定ランクが最も高い選手は今大会の予選突破で、世界選手権の代表に選出されることになっている。

 

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