【ドラニュース】伊藤康、プロ初猛打賞 福田離脱危機救った!!監督も称賛2019年5月26日 紙面から
もう鬼門なんて言わせない。中日は25日のヤクルト戦(神宮)で今季最多タイの10得点で大勝。4カードぶりの勝ち越しを決めて、今月2日以来の4位に浮上した。これで神宮では6年ぶりの3連勝。試合前には福田永将内野手(30)が右手首痛でチームから離脱するアクシデントに見舞われたが、代役でスタメン出場した伊藤康祐外野手(19)がプロ入り初の猛打賞で勝利に貢献した。 まるで庭のように敵地のダイヤモンドを駆け巡る。「スタメンが久々だったので、テレビゲームのような感覚で結果を気にせずにやろうと思いました」。独特な言い回しもご愛嬌(あいきょう)。高卒2年目の伊藤康が竜に新風を吹き込んだ。 福田が右手首を痛めて離脱する緊急事態。だが出番に飢えた若武者にとって絶好の好機だ。前夜の福田と同じ「2番・左翼」での先発出場。まずは3回無死、先発・石川の内角寄りの直球を思い切り振り抜くと打球は左中間を真っ二つ。プロ初長打となる二塁打だ。「内角をうまくさばけた。いい感じでちょっと余裕ができた」。快音とともにスイッチが入った。 7回は再び先頭での打席で三塁強襲安打、8回には遊撃への内野安打を放ち初の猛打賞をマークした。「たまたまです」と頭をかいたが、与田監督は「康祐は期待に応えてくれたね」と称賛した。代役ではない。16安打を放った打線の中で主役級の存在感を放った。 猛打とともに胸を張れること。俊足を生かして走り回って稼いだ4得点だ。特に7、8回のダメ押し点はツバメの戦意を喪失させるのに一役買った。「最後まで何があるか分からないことはよく知っているので」。そう話す19歳の心には、ある思い出が刻まれている。 高校2年の秋だった。あと1つ勝てばセンバツ出場が確実になる東海大会の準決勝。伊藤康の中京大中京は2点リードの9回2死走者なしから至学館にサヨナラ負けを喫した。きっかけは当時、二塁を守っていた自身の失策から。「あんまり思い出したくない」という記憶。苦い教訓から得たのはどんな状況でも攻め続ける姿勢を忘れてはならないということだ。安全圏など決してない神宮。攻撃の起点となった働きぶりは大きかった。
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