流体機械設計と流体解析シミュレーション

流体機械設計と流体解析シミュレーションを行っている株式会社ターボブレードの社長である林 正基の日々について記載しています

PJパーソナルジェット機構想Kikkaの主翼上にターボファンエンジンを配置してみる

2018年02月16日 | 宇宙航空産業機械

PJパーソナルジェット機構想Kikkaの主翼上にターボファンエンジンを配置してみました。

主翼上部の前方位置にターボファンエンジンを配置してみた理由は、

主翼下部に吊るすと地面との距離が近くなり、異物の吸い込みなどが懸念される。

このターボファンエンジンの設計上の特徴である非常に小型で軽量なことから、主翼上面前方に配置しても主翼への負担は少ない。

機体にある3つの脚が短く出来るので、脚の構造強度を十分なまま軽量化出来る。

機体胴体の位置が低くなり、搭乗者が乗り易くなる。

主翼への流れの影響も主翼上面へのターボファンエンジン配置が有利になるように思えるので、機体が完成したら飛行状態の流体解析シミュレーションで揚力値や抵抗値を確認してみます。

<今日の流れ>

午前中は設計での最終構造の詳細設計を行います。

午後は、なぜか会社説明会に呼ばれましたので、弊社のことを聴いて頂ける高等技術専門校の皆さんに分かり易く我社の紹介を致します。


PJパーソナルジェット機構想の機体平面形状図を作ってみました

2018年02月14日 | 宇宙航空産業機械

開発コード名Kikkaとした、PJパーソナルジェット機構想の機体平面形状図を次のように作ってみました。

機体の主翼下に2台ターボファンエンジンを吊るす構成となっています。

次に作成する機体構想図はこの機体を前面から見た正面図となり、近々行ってみます。

<今日の流れ>

今日は、流体設計が完了したターボファンエンジンの全流体要素(ファン、圧縮機全段、圧縮機タービン、ファンタービン)の流体解析結果から熱システム全体として釣り合いが取れて、不都合がないかを確認する作業を行っています。 

 


パーソナルジェット機の側面形状をターボファンエンジンと構成してみました

2018年02月13日 | 宇宙航空産業機械

PJパーソナルジェット機の側面形状をターボファンエンジンと構成してみました。

身長175cmの自分と同じ身長の人が乗れるギリギリの大きさを考えています。

図内に人型を入れていますが、この機体側面大きさなら一人乗りでいけそうです。

昨日大体完成した推力150kgで直径325mmのターボファンエンジンを主翼の下に於いてみましたが、かなり小さいことが分かりました。

主翼の左右に1台ずつターボファンエンジンを取り付けるので、全2基のターボファンエンジンとなります。

明日は、この機体の平面形状を構想してみます。

このPJパーソナルジェット機設計の開発コード名をKikkaとすることにしました。

<今日の流れ>

今日は午後から来客の予定でしたが、雪の関係でお客様が来られなくなりました。

よって現在は、設計途中のものの途中性能評価を行い、流体設計が終了しているものは構造解析を行って安全率や変形の確認を行っています。

<今日の思い>

3連休があって毎朝充分に寝れたことで連休の昼間は自宅での学習や設計でも全く眠くならなかったのに、今日の業務では昼食後はすごく眠くなってしまっています。

これはなぜかと考えれば、連休中の学習や設計は自分の好きなことだけの内容だったからと思われます。

そうなると意欲と好きなことの関係は強く、なるべく好きなことをしたほうが作業ははかどることとなるのでしょう。


直径325mm長さ670mm推力150kgのターボファンエンジン設計です

2018年02月12日 | 宇宙航空産業機械

直径325mm長さ670mm推力150kgのターボファンエンジンを設計しました。

このターボファンエンジンの重量は30kg程度とかなりの軽量化をしています。

次図のように、ターボファンエンジンのファン部は軸流2段となっていて、その下流側のガス発生機部には7段軸流コンプレッサー+遠心コンプレッサーが空気を圧縮しています。

7段軸流と遠心1段の圧縮機で圧力比が11程度に圧縮された空気は、燃焼器で900℃以上で燃焼を行い、2段の圧縮機駆動用軸流タービンを回転させます。

圧縮機駆動用2段軸流タービンを回したガスは、ファン部を駆動する1段の軸流ガスタービンを回転させてエンジン後方に排気されます。

ガス発生機の軸とファン部の軸は分かれていて、2軸式ターボファンエンジンとなっています。

よって次図のようにエンジン内部構造はなかなかに複雑となります。

この設計したターボファンエンジンは、パーソナルジェット機の構想設計に使う予定です。

<今日の流れ>

今日は朝から外には出ずに、ロケットエンジン設計の学習を続けます。

パーソナルジェット機の構想も開始します。


ターボファンエンジンのファン部の流体解析シミュレーション

2018年02月09日 | 宇宙航空産業機械

ターボファンエンジンを設計したので、それのファン部の流体解析シミュレーションを進行中です。

次が、ターボファンエンジンのファン部の性能を流体解析で求めるための解析モデルとなります。

既に解析メッシュが切られている状態です。

次でファン部の形状が少し見えていますが、このファン部が主要な推力を発生しますので、これ単体の性能解析シミュレーションを行うことでターボファンエンジンのとしての主要な推力値を確認出来ます。

次図のようにファン部のブレードはわりと素直な形状としており、まずは遠心力による変形量が一番少ないように翼断面形状の半径方向への積み上げが直線的になっています。

次は、流体解析計算が進行してターボファンエンジンのファン部が空気を吸い込み、それを吐き出している様子ですが、まだ計算の繰り返し回数が少ない状態なのでファン後方への噴出流れが充分に発達していません。

次図は、流れの流線をターボファンエンジンに近づいて見たものですが、流線が太すぎて流れが詳細に分からずすみません。

<今日の流れ>

今日はまずメールへの回答から始まり、次は性能が流体解析で出たターボ機械の性能評価をして問題点を吟味します。

<今日のロケットターボポンプ設計計算>

昨日までの計算で推力5トンロケットエンジン用のターボポンプの液体酸素ポンプと灯油ポンプのmヘッド揚程と毎分の体積流量が出ました。

よって今日は必要なポンプmヘッドと体積流量が出せるポンプインペラの最適な回転数を計算してみたいと思います。

遠心ポンプの揚程はほぼポンプインペラの外周の回転する速度で決まると言って良いのですが、その場合流す体積流量との関係で高効率が出るポンプインペラの形状を比速度というパラメーターで検討することが出来ます。

比速度Nsは、揚程(m)、流量(m^3/分)、回転数(rpm)で決定される値であり、その数値は最低でも150以上にした方が良く、さらに高効率な範囲は250~350ぐらいです。

今回の液体酸素燃料ポンプでその比速度は、ポンプインペラ回転数を毎分3万回転とすると、Ns=201となりまあまあ高効率と出来る比速度です。

また灯油ポンプでの比速度は、灯油ポンプインペラ回転数を毎分3万回転と液体酸素ポンプインペラ回転数と同じにすると、Ns=124となり150以下の比速度で効率の低下を免れませんが、液体酸素ポンプと灯油ポンプを1台の駆動タービンで回すなら製作金額が安くなり、ターボポンプもコンパクトになるので、その点は有利です。

よって低比速度ターボポンプの高効率設計技術を駆使して少しでも効率の高い1軸式ターボポンプを設計することとします。

とりあえずターボポンプの回転数は比速度で決めてみたのですが、もう一つ大事な回転数を決める要素があり、それは遠心ポンプの吸込み比速度です。

今回のような3万回転というようなインペラの高速回転は、小さなポンプインペラが沢山の液体をポンプ入口から吸い込むこととなりポンプ入口の流速は相当に速くなります。

またポンプインペラブレード入口縁も外周部は高速で回転する周速度を持つことから、ポンプ入口への流入速度とブレードの回転周速度を合成した相対速度と呼ばれる値はかなり速くなり、それによる液体圧力の低下が起こることで液体に蒸気の発生が起こりそれがキャビテーション気泡として液体の流れを妨げることで流量が流れなくなります。

このような激しいキャビテーションが起きるかどうかをあらかじめ確認する必要がありますので、明日はそれの計算をしてみます。

 


斜流+軸流3段+遠心のジェットエンジン用コンプレッサーの性能流体解析シミュレーション

2018年01月23日 | 宇宙航空産業機械

ジェットエンジン用に設計したコンプレッサーの性能流体解析シミュレーションの結果図を載せてみます。

このジェットエンジン用コンプレッサーは、初段に斜流を使い、次に3段の軸流、そして最後に遠心1段で昇圧することで、圧力比は12ほどある小型なのに強力なターボコンプレッサーとなっています。

次図が今回設計した小型のジェットエンジン用の多段コンプレッサーの流体解析用3次元モデルです。

そして次図が流体解析シミュレーションの全体の流れ状態を流線表示で見たものですが、解析計算中で高圧側から低圧側に逆流が起きないように、コンプレッサーから出る流れは一旦圧力を開放して最終出口から排出されるように解析モデルの条件設定を行っています。

次図は、シュラウド近傍の流れ曲面上での流線群表示です。

動翼流れ曲面では相対流れ流線表示であり、静翼流れ曲面上では絶対流れ流線表示となっています。

よって動翼翼間の流れも静翼翼間の流れも、また遠心出口ディフューザーの流れも乱れが少ない最適な流れとなっていることを見て頂けます。

次図は、絶対流れ3次元流線群でコンプレッサーの入口から出口までの流れを見たものです。

良い具合に流れが各翼の段で転向されながら流れている様子を見て頂けると思います。

次図も絶対流れ3次元流線が流れている様子をコンプレッサー出口側から見たものです。

多段でしかも斜流、軸流、遠心が存在するコンプレッサーの多数の動翼を同時に回転させて流体解析シミュレーションを行うのは相当に難しいことなのですが、我社では豊富な実績とスキルにより実現出来ています。

ただ、解析時間は相当に長時間を必要としますので、手間と経費が大きい流体解析です。

<今日の流れ>

今日は、新プロジェクトの基本設計検討を手計算とSolidWorksでの計画スケッチ作成にて行っています。

それ以外では、各プロジェクト担当者との短い打合せを頻繁に行っています。


ターボファンジェットエンジンの設計途中

2018年01月09日 | 宇宙航空産業機械

ターボファンジェットエンジンを設計している途中の3次元CAD画面です。

外側直径が350mm程度しかない小型で軽量のターボファンジェットエンジンですが、ジェット推力は強力であり、熱効率も高い設計としています。

まだ設計途中であり、ガス発生器部分とターボファン駆動タービン部が完成していますので、残りは軸流2段ターボファン部の設計となります。

図のようにガス発生器部の構成は多段軸流コンプレッサー+遠心コンプレッサーと2段軸流タービンの組み合わせになっています。

<今日の流れ>

今日は午前中から設計作業に集中します。


電動推進飛行機用プロペラファンの設計 自作プロペラファン設計ツール使用

2018年01月07日 | 宇宙航空産業機械

電動推進飛行機用プロペラファンの設計例です。

この電気飛行機用プロペラファン設計は、次図のようなC++言語とOpenGLを使って自作したプロペラファン設計ソフトウエアを使用しています。

C++言語での開発環境はその当時はC++Builderを使っていましたが、最近はVisualC#かvisualC++なのでそれにこのツールを移行する作業を行いたいと思っています。

この電動推進プロペラファン設計ツールは図のように自分で使う為のシンプルな構成となっています。

メニュー項目は3つだけで、ファイルに関するもの、プロペラファン設計過程全部に関するもの、補助機能の備考となっています。

画面構成では左側に3つのPanelを配置しており、一番上が設計計算結果の数値を表示するテキスト領域、中段がプロペラの子午面断面を表示する画面、そして一番下にはスパン方向部分翼毎の詳しい計算値を表示する表形式表示画面となっています。

画面内右の大きな表示領域は、設計計算されたプロペラファンの3次元形状をOpenGL機能でリアルタイムに全周から見ることの出来る画面となっています。

プロペラ設計計算では流線法(翼間流れとスパン方向流線曲率法を組み合わせたもの)使っているので、3次元表示のプロペラブレード面に計算用の3次元メッシュが見えています。

<今日の流れ>

今日は午前中は自宅ですが、午後は外出の予定です。

外出先は結局会社になり、事務所の片づけと模様替えを行うように思われます。


1人乗りハイブリッド飛行機の設計

2017年12月19日 | 宇宙航空産業機械

ガスタービンエンジン発電とバッテリー電源を持つ、1人乗りのハイブリッド飛行機の3次元設計事例です。

1人乗り用の小型の機体には胴体側面後方左右に電動プロペラファンが配置されていて、そのプロペラファンモーターを駆動する電源は機体後部中央の小型ガスタービンエンジン発電機から供給されると共に、左右翼内部や胴体中央部に配置されるバッテリーからも供給されるシリーズハイブリッド型の電動プロペラ駆動方式をとっています。

このハイブリッド方式電動プロペラファン駆動は、定格回転数で発電運転を行うガスタービンエンジンの燃費良さと状況に応じてバッテリーからの電源供給により飛行時の燃費が大変に良くなり、巡航航続距離を長くすることが可能です。

このハイブリッド飛行機の機体は1人乗り用にスリムに設計していますが、同様なハイブリッド電源配置でもちろん多人数用に設計し直すことも可能です。

飛行機としての安全面で言えば、バッテリーだけの電気飛行機に比較してガスタービンエンジン発電があるので電池切れによる飛行不能を防げることと、もしガスタービンエンジン発電機が飛行中に停止してもバッテリーに蓄えた電気で安全に着陸出来るまでの動力が確保できます。

この電動の2個のプロペラファンは推力を強力に設計していますので、機体主翼の揚力値から考えて短距離で離陸することが可能でしょう。

<今日の流れ>

今日は午後から外部での打合せがあるため、午前中は各プロジェクトの今後の方針についての担当者との打合せが主体となっています。


ターボファンエンジンのガス発生器の燃焼器部の設計考察

2017年09月21日 | 宇宙航空産業機械

ターボファンエンジンのガス発生器の燃焼器部の設計考察です。

次図は形だけがある燃焼器領域を表しています。

燃焼器に入る圧縮機からの空気の状態は、圧力Pc2o, 全温Tc2o, エンタルピーhc2o となっている。

燃料を燃焼して燃焼器で与えるべきエンタルピーΔhcc は、圧縮機を駆動するガス発生器タービンに必要なエンタルピーhggtとファンタービンを駆動するエンタルピーhftを加えたものから圧縮機の出口エンタルピーhc2oを引いたものとなる。

Δhcc = hggt + hft - hc2o