ピコ衛星軌道投入用のドローンジェットロケット機として ShindenKai Pico と名づけたロケット機の構想設計を開始しました。
次の構想図のように、ロケットとしての1段目はジェットロケット機となっている帰還可能部であり、その1段目機体から突き出しているのが2段目のPico衛星を内蔵した液体ロケットです。
1段目ジェットロケット機体に人が乗っているようになっていますが、この部分は自動操縦のドローン機能に代えます。
地上からの離陸時にはロケット推力とジェットエンジン推力を併用して飛び立ち、高度1万m以上の高空までの巡航時はジェットエンジンのみで飛行します。
更に高度を数万mに上げるために1段目の後部ロケットを噴射して高度数十Kmへと上昇します。
高度数万mの高空に達したら機体前部にある2段目液体ロケットを切り離し、その2段目ロケットが更に宇宙空間までPico衛星を運び放出します。
<今日の流れ>
今日の午前中はある案件の設計を行い、午後は別の案件の基本設計計算を行います。
<今日のロケットターボポンプの設計検討>
昨日はロケットターボポンプを1軸方式の縦型で上から液体酸素ポンプ、中央に燃料ポンプ、一番下にタービンとした全体構造の検討を説明しました。
今日はロケットターボポンプの流体要素の中の液体酸素ポンプと燃料ポンプについての具体的な基本仕様を考えています。
液体酸素ポンプも燃料ポンプもポンプ入口での吸い込み圧力低下によるキャビテーション発生を防がないとキャビテーション泡の発生による流路の閉塞や機器の振動、流体部の壊食などが考えられますので、耐キャビテーション用インデューサー羽根部を付けることは必須です。
その耐キャビインデューサー部での圧力上昇をどのくらいとすればポンプ全体として適切であるかを現在検討しています。
液体酸素や燃料を入れたタンクにあらかじめ与圧をかけていてもポンプ入口ではその流量に応じた入口速度を持つこととなり、その速度分の動圧分が与圧よりもポンプ入口圧力を下げることとなります。
また、ポンプ入口のブレードの周速度と入口流入速度から計算される入口相対速度は更に大きな値となり、その値から計算される相対速度分の動圧減圧が大きいとキャビテーションが起こり易くなるので、ポンプ入口相対速度を決めるポンプ入口口径と回転数は慎重に決めなければなりません。
次表は、ターボポンプの概要設計計算をエクセル表で造ってみたもので、今後さらなる変化と拡充をしていきます。