流体機械設計と流体解析シミュレーション

流体機械設計と流体解析シミュレーションを行っている株式会社ターボブレードの社長である林 正基の日々について記載しています

ナノ衛星を宇宙へ運搬するジェットロケット機ShindenKai Nanoの超音速飛行時流体解析結果

2018年03月16日 | 宇宙航空産業機械

ナノ衛星を宇宙へ運搬するジェットロケット機ShindenKai Nanoの超音速飛行時の流体解析結果図です。

次は機体速度が毎秒400m、高度1万mでの機体と廻りの空気の圧力分布を等値線の色で表示しています。

流体解析の結果、機体が進行方向の気体から受ける抵抗力は3800kg程度となっています。

機体重量が6トンとすれば、後部噴射ロケットの推力は10トン程度が必要となりますので、これ専用のロケットエンジンの設計が今後必要です。

次も圧力分布等値線表示です。

次も圧力分布を等値線表示で機体のまわりに広く見ています。

次は、機体表面のマッハ数分布と周りのマッハ数分布を等値線で見ています。

次は速度の分布を見たものです。

<今日の流れ>

今日は設計データのまとめと提出を主に行っています。


液体ロケットエンジン燃焼噴射の流体解析

2018年03月15日 | 宇宙航空産業機械

液体ロケットエンジンの燃焼噴射の状態を流体解析した結果図です。

この噴射解析の結果は、最大噴射速度が約2400m/s、ガス流量が毎秒14.4kg、推力3470kgとなりました。

燃焼室圧力は5MPa、燃焼ガス温度は2700℃です。

次図は速度の等値線分布を色分けで示しています。

次は、このロケットエンジン燃焼噴射流体解析の解析計算中のモニタリング画面です。

今回の特徴として、燃料噴射インジェクターにピントル型を使ってみた点です。

次は、噴射ガスの速度の等値線分布です。

次は噴射ガスの圧力の等値線分布であり、ノズルから出る流れは急激に圧力が下がります。

次図は噴射ガスのマッハ数分布を示す等値線図です。

次は、噴射ガス流れの3次元流線です。

色分布は温度の分布を示しています。

次は、噴射ガス3次元流線となり、ノズルから出た後に縮流しています。

色は速度の分布を示しています。

次は、3次元流線によるガス噴射流れですが、色は圧力の分布を示しています。

<今日の仕事の流れ>

沢山のメールなどからの問い合わせに回答する作業を午前中は行いました。

午後は設計に集中出来るかな?


ピコ衛星用ドローンジェットロケット機 Shinden Kai Pico の設計進捗状況

2018年03月14日 | 宇宙航空産業機械

ピコ衛星を宇宙へ送るためのドローンジェットロケット機である Shinden Kai Pico の設計の進捗状況です。

次図のようにドローンとして自動操縦されることから人が乗るような風防部はなくなっています。

ジェットエンジン飛行での高速化のために、ジェットエンジンをターボファンエンジンから噴射速度の大きいターボジェットエンジンに変更しました。

機体の後端部を長くしてロケット燃料をより多く積めるようにしています。

<今日の仕事の流れ>

午前中は書類の作成を中心に行い、午後は来客での打合せとなります。

その後は見積書作成に入りますので、定時の午後4時には終了せずに5時ぐらいまで残業します。


電動ターボポンプロケットエンジンの燃焼器から拡大ノズル部の噴射流れ解析

2018年03月13日 | 宇宙航空産業機械

電動ターボポンプロケットエンジンの燃焼器から拡大ノズル部の噴射流れ解析です。

燃焼器燃焼圧は5MPaであり、温度は2700℃となります。

毎秒0.8kgのガスがノズルから噴射されます。

ノズルスロート部形状とスロート部面積と拡大ノズル部のバランスが良くなく、噴射流が拡大ノズル内で縮流して噴射が偏差しています。

この噴射のノズル内壁からの剥離による過膨張でのセパレーション縮流により噴射速度は充分に高速とならず、燃焼室と拡大ノズル部の流れからの軸方向反力を合成した解析結果値では推力は600kg程度でした。

この燃焼室からのスロート部面積と拡大ノズル部の広がり形状を修正して電動ターボポンプロケットエンジン噴射解析をやり直します。

適正なノズルからの噴射状態を造った後は、燃料による噴射ノズルの冷却機構を付け、再生冷却部がどれだけの熱をノズル壁から奪い、それにより噴射ガスの壁面付近温度がどれだけ下がるのかを熱流体解析で行いノズル耐熱材が充分な耐久性を持つかどうか確認します。

<今日の仕事の流れ>

午前中はメールでの回答と設計作業を行い、その後昼飯と眠気、そして午後は設計の続きとなり、弊社の定時の終了時間である夕方4時には帰ります。


観測ロケットの最大動圧点MaxQでの機体廻り流れ解析

2018年03月12日 | 宇宙航空産業機械

仮想の観測ロケットが最大動圧点であるMaxQで、どのような機体廻りの流れ状態となるかを流体解析した結果図です。

仮想の観測ロケットの最大動圧点を高度1万m、温度マイナス45℃、絶対圧27000Pa程度、機体速度400m/秒(時速1440km)として機体廻りの流れ解析を行っています。

次図は、機体表面と廻りの空気の圧力分布を色分布と等値線で示しています。

次は機体先端部の圧力分布を拡大して見たものですが、やはり先端部が圧力が高くなっています。

次は前方から機体先端部の圧力分布を見たものです。

次はマッハ数の分布をみたもので、マッハ数が1を超える超音速流れは機体先端部の最先端ではなく少し後ろの丸みを帯びたあたりで最大マッハ数となっています。

また廻りの空気部分のマッハ数も高い領域があり、それらが超音速衝撃波流れを形成している可能性があります。

次はマッハ数分布の機体先端あたりを拡大して見たものであり、まるみを帯びた部分から胴体につながるあたりは高いマッハ数で衝撃波を受けている可能性が考えられます。

次図は、機体先端部の温度上昇を見たものです。

機体先端の温度は廻りの温度よりも70℃ぐらい上がっていますが、廻りがマイナス45℃なので先端温度は25℃程度の意外と低い温度です。

そして最後の図は、機体表面からわずかにオフセットした面での速度の色分布を示しています。

完全な機体表面では速度は0なので、機体からわずかに離れた位置の流れ速度を見る必要があります。

<今日の仕事の流れ>

今日は色々と連絡のメールをしたり、設計解析結果を提出したり、最終段階に近づいた設計の詳細設計をしたり、見積もりを作ったり、昼飯を食べたり、暖かい飲み物を飲んだり、眠くなったり、休憩したり、として最後に早めに帰ります。


Shinden Kai Nano の機体廻り流れ解析

2018年03月11日 | 宇宙航空産業機械

Shinden Kai Nano の機体廻り流れ解析の結果画像です。

機体の速度は900km/hです。

次は、機体廻りの流れ線です。

次は、流体解析用に解析メッシュが切られた機体モデルです。

次は、解析メッシュ全体とマッハ数の等値面ボリュームを表示しています。

次が流体解析用3次元CADモデルです。

<今日の流れ>

今日もターボポンプ設計の続きを行います。


ShindenKai型ジェットロケット機の最高速付近での機体廻り流れ解析

2018年03月10日 | 宇宙航空産業機械

ShindenKai型の形状を持つジェットロケット機の最高速付近の時速1000kmでの機体廻りの流れを流体解析した結果図です。

次の流れ解析結果図は、機体表面のマッハ数分布を色分布で表して、矢印は速度ベクトルを示しています。

次図は機体への飛行による圧力の分布を色分布で示し、速度ベクトルも見えています。

次図も機体の圧力分布ですが、この圧力値により機体表面の各所にどれだけの応力がかかるかを知ることが出来て、機体の構造設計に詳細に役立ちます。

次図は機体の先端部分の圧力分布を見たものです。

機体先端部は圧力が高くなっています。

次図は、飛行時機体表面の速度分布を見たものですが、完全な機体表面は速度が0なので、わずかに機体表面からオフセットした位置の速度分布を色分布で示しています。

<今日の流れ>

今日は自宅でのターボポンプの基本設計計算をエクセル表を更に詳しく作って行います。


ロケットエンジン燃焼室から拡大噴射ノズル部への流れを流体解析してみました

2018年03月09日 | 宇宙航空産業機械

それらしい形状に造ってみたロケットエンジン燃焼室から拡大噴射ノズル部への流れを流体解析してみました。高マッハ数流れ解析です。

次のようなロケットエンジン噴射部モデルを造り、燃焼室に圧力4.5MPaをかけて、燃焼によるガス温度は3000℃としたガス流れ解析の設定としています。

次図は流れの流線を示しており、色分布は速度の分布を示しています。

流れの3次元状態を見ると、ほぼ真っ直ぐにノズルから出た流れは離れたあたりで縮流しています。

次はノズル中心断面での流速の色分布と流れの速度ベクトル矢印を表示した流体解析結果図です。

最高速度は2300m/sに達していて、それは拡大ノズル出口中心部付近です。

次は噴射流の軸断面での温度分布ですが、ガスがノズルから出た直後の中心付近の最大速度付近では温度が下がっており、その後流では再び温度が上がっています。

燃焼室では温度がほぼ3000℃です。

次図は中心断面での圧力の分布色表示です。

ノズルスロート部から出た流れは急激に大気圧付近まで圧力が下がっています。

次はマッハ数の色分布表示です。

マッハ数が高い領域がノズル出口付近中心部に三角形に分布しており、これと温度の分布は似ているので、ロケット噴射ガスに見られるダイアモンドコーンは中心付近の温度が低い領域が膨張して縮流を繰り返すことで見えていると思われます。

<今日の流れ>

今日はノズル設計を進めます。

<今日のロケットターボポンプ設計の基本的な検討>

ロケットターボポンプの基本設計検討は昨日よりも進み、次のような基本設計計算表へ進化しました。

 


ピコ衛星軌道投入用 ドローンジェットロケット機 ShindenKai Pico の構想設計開始

2018年03月08日 | 宇宙航空産業機械

ピコ衛星軌道投入用のドローンジェットロケット機として ShindenKai Pico と名づけたロケット機の構想設計を開始しました。

次の構想図のように、ロケットとしての1段目はジェットロケット機となっている帰還可能部であり、その1段目機体から突き出しているのが2段目のPico衛星を内蔵した液体ロケットです。

1段目ジェットロケット機体に人が乗っているようになっていますが、この部分は自動操縦のドローン機能に代えます。

地上からの離陸時にはロケット推力とジェットエンジン推力を併用して飛び立ち、高度1万m以上の高空までの巡航時はジェットエンジンのみで飛行します。

更に高度を数万mに上げるために1段目の後部ロケットを噴射して高度数十Kmへと上昇します。

高度数万mの高空に達したら機体前部にある2段目液体ロケットを切り離し、その2段目ロケットが更に宇宙空間までPico衛星を運び放出します。

<今日の流れ>

今日の午前中はある案件の設計を行い、午後は別の案件の基本設計計算を行います。

<今日のロケットターボポンプの設計検討>

昨日はロケットターボポンプを1軸方式の縦型で上から液体酸素ポンプ、中央に燃料ポンプ、一番下にタービンとした全体構造の検討を説明しました。

今日はロケットターボポンプの流体要素の中の液体酸素ポンプと燃料ポンプについての具体的な基本仕様を考えています。

液体酸素ポンプも燃料ポンプもポンプ入口での吸い込み圧力低下によるキャビテーション発生を防がないとキャビテーション泡の発生による流路の閉塞や機器の振動、流体部の壊食などが考えられますので、耐キャビテーション用インデューサー羽根部を付けることは必須です。

その耐キャビインデューサー部での圧力上昇をどのくらいとすればポンプ全体として適切であるかを現在検討しています。

液体酸素や燃料を入れたタンクにあらかじめ与圧をかけていてもポンプ入口ではその流量に応じた入口速度を持つこととなり、その速度分の動圧分が与圧よりもポンプ入口圧力を下げることとなります。

また、ポンプ入口のブレードの周速度と入口流入速度から計算される入口相対速度は更に大きな値となり、その値から計算される相対速度分の動圧減圧が大きいとキャビテーションが起こり易くなるので、ポンプ入口相対速度を決めるポンプ入口口径と回転数は慎重に決めなければなりません。

次表は、ターボポンプの概要設計計算をエクセル表で造ってみたもので、今後さらなる変化と拡充をしていきます。


ナノ衛星用ロケット ShindenKai Nano に前部浮上翼を追加

2018年03月07日 | 宇宙航空産業機械

重さ数kgのナノ衛星を軌道に投入するために構想設計を行っている1段目帰還型3段ロケットである ShindenKai Nano の機体前部を離陸時に浮かせるための浮上翼を追加しました。

飛行機方式の離陸時に重量が大きい2段目ロケットと3段目ロケット部分の浮揚揚力を確保するための翼を2段目ロケット本体上部に追加しました。

<今日の流れ>

今日はロケットターボポンプの基本設計計算の前夜からの続きを行います。

<今日の考察>

ロケットターボポンプ設計は色々と検討して計算するほどに全体構成を変えつつあります。

現時点では、縦軸の1軸方式で回転数25000rpmを考えているところです。

液体酸素ポンプの入口が上側に有り、燃料ポンプの入口が液体酸素ポンプの下部で、タービン用駆動ガスの入口が一番下となりますので、現在最も多く使われているターボポンプの流体要素配置となります。

初期には2軸方式を考えていましたが、タービン部の燃焼ガスと液体酸素ポンプ軸部からの漏洩酸素が反応すると爆発的となり非常に危険なので、タービン部と液体酸素ポンプの間に燃料ポンプを挟んで直接な漏洩酸素とタービン部燃焼ガスの接触がないターボポンプ配置をまず考えています。

ターボポンプ1軸の主軸は剛性軸として全回転数での安定性を確保します。

液体酸素ポンプとタービンとの間に挟む燃料ポンプは、遠心ポンプの前部にある程度圧力を上げられる斜流インデューサーポンプを設けた2段方式として耐キャビ性能と吐出圧力と効率を確保します。

液体酸素ポンプ背面には背面翼を付けて主軸漏洩部への圧力のかかりを減じます。

液体酸素ポンプの1次シールはメカニカルシール方式としてその後にラビリンスシールを設け、更にセグメントシールに外部からのガスパージにより外部に漏洩酸素を排出する方式を考えています。

これらのシール機構により燃料ポンプの吸い込み部に液体酸素が混入することを防止します。

軸受けは液体酸素ポンプ背面部に1箇所、燃料ポンプの斜流インデューサーポンプの静翼ボス部に1箇所、燃料ポンプの遠心ポンプ羽根の背面部のタービン翼との間に1箇所の全3箇所として危険速度が定格回転数よりも高い状態になり易くします。