流体機械設計と流体解析シミュレーション

流体機械設計と流体解析シミュレーションを行っている株式会社ターボブレードの社長である林 正基の日々について記載しています

「空飛ぶ車」の設計途中経過

2018年04月02日 | 宇宙航空産業機械

二人乗り・電動・垂直離着陸・水平揚力飛行の「空飛ぶ車」の設計途中の経過を現す3次元CADスクリーンショットです。

2重反転プロぺラユニットが8基付いているのは前回設計と変わりませんが、今回は前後二人乗りにキャビンが変更されています。

<今日の流れ>

今日は午前中に来客があり現在無事に打合せが終了しました。

午後も来客がありますので、今は打合せ内容の検討中です。

午後の来客との打合せも短時間で終わることが出来て、その後は各女性エンジニアが1人ひとつを担当する新プロジェクト関係の準備作業に入りました。

今5時で、1時間残業しましたが帰ります。


遠心タービンの事例です

2018年04月01日 | 宇宙航空産業機械

遠心タービンを設計・製作した事例です。

この燃焼ガス用の遠心タービン羽根は直径65mmほどの小さなもので、材質と製作方法はインコネルからの5軸加工削り出しになっています。

遠心タービンの設計回転数は毎分10万回転という高速回転機となります。

このガスタービンには燃焼器からの900℃ほどの高温ガスが流入しますので、高速回転による強大な遠心力に対する耐熱強度設計に気を使いました。

タービン羽根と主軸を組み合わせて動バランス調整が終わった後の状態です。

もう一つ遠心タービンの設計・製作・使用後の事例です。

これは気体蒸気用の遠心タービンで、直径は250mmで設計回転数は4000rpmとなります。

この遠心タービン羽根は使って分解した後の写真なので、遠心タービン羽根表面が汚れています。

遠心タービン最外周の入口の羽根高さと、羽根出口の直径の比率が非常に大きいのは、タービン膨張比を大きく設計しているためです。

<今日の流れ>

午前中はまだ家でゆっくりしているので、午後はどうするか迷っています。

来週は月曜日から木曜日まで5組の来客があるので、その準備を会社でする必要がありそうですが、会社に出るか出ないかう~ん分かりません。

最近の休日での引き籠り度が大変に上がっているので、本日の出社の可能性は20%ぐらいかと・・・・・

なぜ最近の休日引き籠り度数が上がっているのか考えてみると、面白いファンタジー系ネット小説を又見つけたので、それにはまっているからです。

そのラノベと呼ばれるらしいネット小説を読みだすと休日も朝から深夜までずーっとPCで読んでいるので、眼も疲れるし肩も凝るし腰も痛くなるし寝不足になるしですが、やめられません。


「空飛ぶ車」用の2重反転プロペラ推進機の性能流体解析シミュレーションの結果図

2018年03月30日 | 宇宙航空産業機械

「空飛ぶ車」用の2重反転プロペラ推進機の性能流体解析シミュレーションの結果図です。

この計画の「空飛ぶ車」は、電動・垂直離着陸・水平揚力飛行の方式として設計しています。

次は、2重反転プロペラ流体解析シミュレーションが終了した時点の解析モニタリング画面です。

計算値は収束して、流れの断面図でも充分な下方への流れを2重反転プロペラが造っています。

この解析結果から、下方への推力は70kgを発生していることが分かりました。

「空飛ぶ車」にはこの2重反転プロペラが8機付いていることから、機体全体の浮力は560kgとなりますので、機体設計により二人乗りの「空飛ぶ車」と出来そうです。

次は、プロペラブレード表面は速度分布、圧力の等値面、部分翼断面での速度の等値線分布となります。

次図は、流れの3次元流線です。

プロペラ上面や側面から充分な空気を吸い込み、下方に吐き出す流れも2重反転プロペラの効果で旋回流が無い、非常に力強い良い流れとなっています。

次は、羽根にズームして見た流れですが、モーターがあるボス部分は流れが少なくなっていますが、モーターを冷却するには充分な送風となります。

次はマッハ数の等値面を示しています。

次は、翼断面での流れ状態を確認している解析結果表示です。

<今日の流れ>

今日は3月最終日で、残りのデータをいろいろなところに提出していたりしています。

今日は月末の金曜日で弊社ではプレミアムフライデーを行っていますので、いつもより1時間早い午後3時には終業です。

それまでは仕事を頑張ります。


「空飛ぶ車」の推進機である2重反転プロペラの性能流体解析シミュレーションを開始しました

2018年03月29日 | 宇宙航空産業機械

電動・垂直離着陸・水平揚力飛行の「空飛ぶ車」の推進機として用いる2重反転プロペラの性能流体解析シミュレーションを開始しました。

次が直径1200 mm の2重反転プロペラの単体での性能流体解析シミュレーションの解析モデルとその外部流れ解析領域の設定状態です。

かなり大きな外部空間を2重反転プロペラの周りに造っています。

特にプロペラ流れ解析では外部空間を大きくとればとるほど正確なプロペラ周りの流れを再現出来ます。

次は解析用の2重反転プロペラの解析モデルをズームして見たものです。

この2重反転プロペラは2枚のプロペラが接近して回転する方式であり、2枚のプロペラは2台のモーターで駆動されます。

モーター直接にこの直径の大きいプロペラを回すためにはモーターのトルクは不足しますので、減速機をモーターの上下に付けています。

次が2重反転プロペラ単体での性能流れ解析シミュレーションを開始した初期の解析モニタリング画面です。

空気の流れを見ると強力にプロペラに吸込まれ、下方に真っ直ぐ送風されている様子を見ることが出来ています。

<今日の流れ>

今日は4月から開始されるであろう新しい開発設計関係複数の書類関係の準備を進めています。


電動・垂直離着陸・水平揚力飛行の「空飛ぶ車」の設計を開始しています

2018年03月27日 | 宇宙航空産業機械

電動のみを動力源として、垂直に離陸して垂直に着陸が出来て、水平巡航時には揚力で飛行する「空飛ぶ車」の設計を次のように開始しています。

垂直離着陸のためのこの機体の特徴は、2重反転プロペラを全部で8セット持ち、プロペラ数で言えば16枚ものプロペラで、強力な垂直離着陸用の推力を作り出している点です。

次図のように水平巡航時には2重反転プロペラが全て進行方向に向くので、その推力は強大となり高速で飛行可能です。

あまり速度が必要ない場合も2重反転プロペラは低回転でも効率が良くなり、省エネ飛行が可能です。

<今日の1日の流れを振り返る>

今週は年度末の週なので、弊社が請けている複数の開発プロジェクトでも今月末までに一通りのデータを出して、さらに請求書も出さなければならないので、いささか忙しい感じです。

今日は一つ全てのデータを出せた案件がありますので、今は少しホッとしています。

ただ来年度になる複数のプロジェクトの見積もり依頼も増えてきていますので、そこらの対応も並行して行っています。

そんな感じにより、インターステラテクノロジズ社向けのターボポンプの基本設計進捗が停滞していますが、近日中には体制が取り戻せそうで、専任の女性エンジニア2名も決まっています。

 


MOMO2号機の飛行時機体周り流れ解析の結果図

2018年03月23日 | 宇宙航空産業機械

IST社MOMO2号機の飛行時の機体周り流れ解析シミュレーションの結果図です。

次は、音速に達している飛行状態での機体表面の圧力分布を色分布と等値線で見たもので、飛行時姿勢の下側が主に見えています。

次も飛行時のロケット機体ですが、上側の圧力分布が見えています。

次は、ロケット機軸断面での圧力分布を見たものです。

次はロケット機軸断面での速度分布を見たものです。

これらのロケット飛行時の流れ解析結果データから、機体の圧力中心、機体軸に対して揚力、抗力の値などを求めるデータ解析作業に入ります。

<今日の流れ>

午後は来客での打合せとなるので、午前中に資料の作成を行いますが、それ以外に流体解析計算にかけるノズルモデルを造ります。


インターステラテクノロジズ社MOMO2号機の最大動圧点MaxQでのロケット周り流れ解析を開始しました

2018年03月22日 | 宇宙航空産業機械

IST稲川社長に許可を頂き、インターステラテクノロジズ社の観測ロケットMOMO2号機の最大動圧点MaxQでのロケット周りの流れの様子を見る流体解析シミュレーション計算を次のような解析モデル条件で開始しました。

試験的な解析計算よりも外部流れ解析の空間領域を大きく取り、解析メッシュ数も倍以上として圧縮性の高マッハ数流れ解析としています。

ロケット機体周り流れ解析としての条件は、機体の速度は水平速度ベクトルと垂直速度ベクトルから求められる合成速度として、高度は高空の1万m以上、それの外気温度はマイナス55℃、大気圧は23000PaA程度とした外部の状態を初期条件として入れています。

ロケットの基準飛行経路に対する機体軸の迎え角は、今回のMaxQ地点がキックターン途中かグラビティターン途中のどちらか迷いましたが、キックターン途中でわずかに迎え角を1度程度持つとして機体の周りの流れ方向の初期状態を決めています。

ロケットのロケットエンジンノズルから噴射するガス速度は、今回秒速2100m程度として解析中で噴射させています。

これら条件を設定後に流体解析シミュレーションを開始して直後の解析モニタリング画面が次図です。

今回の解析モニタリング画面にあるように、機体に働くX,Y,Z方向の力を主に計算中に測定しており、これによる本来は揚力が0が望ましい機体軸と垂直方向の力がどのくらい発生してるのかや、それらを基にCP圧力中心位置の計算、重心位置とCPの位置関係、CPでの軸心と垂直方向の力、などを求めます。

これらがうまく計算結果で求まれば、次は角速度を持つ移動体としてこのロケット機体をスライディングメッシュで運動させた時間依存解析にて、遷音速飛行による機体前部のバフェッティングも様子を見れるかもしれません。

<今日の流れ>

今日は、午前中は複数の開発設計が最終にあるプロジェクトのまとめや細部の設計修正、不足部の計画設計などを行っていました。

午後は来客があり、午後3時過ぎに無事打ち合わせが終わりましたので、その後は眠くなりゆっくりとしていました。

弊社の終業定時である午後4時過ぎには帰宅して、5時過ぎに夕飯となり、その後少しまた眠くなりましたがロケット設計に関する興味が増し、色々と資料を見て今になります。


ロケットが飛行する時の機体周りの流れ解析を行ってみた解析結果図です

2018年03月21日 | 宇宙航空産業機械

ロケットが飛行する時の機体周りの流れ解析を、対象のロケットについて試験的に行ってみた流体解析シミュレーションの結果図の色々です。

ロケットの飛行状態の条件は、毎秒数百mの飛行速度でロケットが進み、進行方向とは10度ほどの迎え角を持ち、高度1万m以上の高空で気圧も地上の4分の1ほど、周りの気温はマイナス40℃以下として、圧縮性流れの高マッハ数流れ解析で解析計算をしています。

次図はロケット機体表面の圧力分布を色分布と等値線分布で示し、同様に軸断面での圧力の色分布と軸断面での流れ線群を表示した解析結果図です。

圧力の高い円錐面が機体の先端に見えており、機体後端の当たりの安定翼部分からとロケットエンジン噴射部あたりからも圧力の高い円錐面が見えており、マッハ流れの影響を受けている円錐圧力面と推定出来ます。

次は、ロケット機体軸断面の速度の色分布と軸断面上での流れ線群を示していますが、ロケット機体が進行方向に対して迎え角を持っていることが分かって頂けると思います。

また、ロケットエンジンから噴射するジェットが毎秒2000mほどの噴射速度としているため、噴射ジェットは全体が赤くなっています。

次図は、ロケット機体軸断面でのマッハ数分布を色で示しています。

ロケットの機体本体表面は圧力分布の色表示です。

次図は、ロケット機体の迎え角状態で空気に当たる面であるこの場合下面の圧力分布を色分けと等値線で見たものです。

あまり大きな圧力は機体表面にかかっていませんが、機体表面にある突起物は例えば安定翼の付け根など局所的に圧力が高くなっています。

次図は機体の飛行時の迎え角を持って当たる面の逆側というか背側の機体表面圧力分布を色と等値線で見たものです。

これら流体解析の計算結果図から、今回このロケット機体モデルに対する試験的なロケット飛行時流れ解析計算は問題なく評価出来そうであり、次は詳細なロケット飛行時の流れ解析をより大きな外部流れ解析領域、より密な解析計算用メッシュ数、圧力中心の位置算出、X,Y,Z方向の各揚力、抗力などの計算値を求め、それら結果をまとめて評価してみたりします。

特に機体表面の圧力分布はそれを構造解析の材料表面圧力分布データに出力出来るので、機体の構造と材料を決めて、流体と構造の連成解析で機体各部の安全率や変位を求めることが可能です。

 


ロケットの飛行時の機体周りの流れ解析を開始しました

2018年03月20日 | 宇宙航空産業機械

ロケットの飛行時の機体周りの流れ解析を開始しました。

次が機体周り流れ解析を開始したロケットの解析モデルの状態です。

解析条件は、外部流れ解析として、ロケットの速度、進行方向への迎え角、設定高度の大気温度、大気圧力を条件値として入れています。

更に、ロケット後端のロケットエンジンからはガスを設定した噴射速度で噴出しています。

以上のようなロケット周りの流れ解析条件を設定して解析計算を開始した計算途中でのモニタリング画像が次です。

計算途中の図ですが、左上がマッハ数の色分布、右上が速度の色分布、左下が圧力の色分布、右下が圧力の等値線分布となります。

これは図のロケットの試験的なロケット周り流れ解析なので、この計算が問題なく終了したら次は詳細なロケット飛行流れ解析に入ります。

<今日の流れ>

今日は午前中は出ていました。

午後は急ぎの設計を進めます。


ピコ衛星を宇宙へ運ぶジェットロケット機 Shinden Kai Pico の超音速時の流れ解析

2018年03月17日 | 宇宙航空産業機械

ピコ衛星を宇宙へ運ぶためのジェットロケット機である Shinden Kai Pico が秒速400mで高度1万mを超音速で飛んでいる時の流れ解析の結果図です。

次図は、機体を横から見た超音速状態での機体やその周りの空気での圧力分布を等値線と色分布で示しています。

この機体は進行方向に向かってわずかに迎え角を5度ほど持って飛行しています。

よって機体には5トンほどの大きな揚力も働いています。

次も圧力分布表示ですが、機体の進行方向の空気から受ける抵抗力は計算の結果4トンほどありました。

<今日の流れ>

今日は引き籠りで自宅で過ごしています。

世界中で過去に設計されている参考になるマシンの画像を検索してじっくりと見ることで、そのマシンの設計思想や構造、特徴を色々と考えています。

この歴史的に過去に作られた機械の画像や資料を沢山見て自分の設計に参考とすることは昔から行っていて、既にある技術部分を一から創造する手間を省くことが出来て、自分なりに新しい部分だけを設計に入れることが出来るので大変役に立ちます。

自分の得意な設計対象であるタービン分野でも、例えば水力タービンは既に150年ぐらいの発展の歴史があり、その長い時間の中で沢山の水力タービンの方式が試され、現在の主要な機種が利点が多いことで残っているのですが、そのような歴史を調べない人には、あたかも新しい水力タービンを考案発明したとして宣伝する人がいますが、それらは既に全部試されていてダメだったから機種として残っていないということが分かっていない場合が大変多いのです。

よってそのような機械は結局使われず、また歴史から消えることとなったことを、自分は水力タービンを設計し始めてから35年の間に見てきました。