ロケットエンジン用液体酸素ターボポンプの大流量側での安定した運転シミュレーションの解析結果図です。
次図はインデューサーとインペラの流れ表面の圧力分布を見たものですが、大流量でのインデュサーへの入口相対速度のベクトル方向がインデューサー羽根入り口角度に対して軸方向への傾きが大きすぎる流入状態のためインデューサー羽根の通常は負圧面にもろに衝突して負圧面入口の広い範囲が圧力が高くなっています。
大流量でのインデューサー負圧面への入口相対速度ベクトルのぶつかりは、その下流側にも大きな影響を与えてしまい、次の図のようにインデューサーとインペラのボス面に広範囲の低圧領域を発生させています。
この低圧領域はキャビテーションノ発生領域となるため、ロケットエンジン用ターボポンプでは設計点以外の大流量側での運転を制限することとなりますが、今回の流体解析シミュレーションでは運転全範囲の特性を取るようにしています。
次図は液体酸素ターボポンプの入口配管から液体酸素ターボポンプ本体、ポンプ吐出配管、燃焼室上部液体酸素チャンバー、ノズル入口までが流体解析シミュレーション範囲として解析計算が正常に出来て流れが問題なく流れている様子を見れているものです。
次図は全流体流れ範囲での流れを3次元矢印付き流線群で表示したものを別角度から見ています。
次が今回の液体酸素ターボポンプの流体解析シミュレーションモデルの外観です。
四角い枠は流体解析領域を示しています。
次は今回の流体解析シミュレーションの解析計算モニタリング画面ですが、ほぼ解析モニタリング設定値が収束している最終の様子です。
現在は今回の液体酸素ターボポンプの最大流量付近流れ解析から進んで、設計点付近の解析計算に入っていますので近々結果をお見せ出来るでしょう。
<今日の流れ>
今日は最近の課題である「1000℃付近の耐熱鋼に対する非線形熱解析計算での時間依存による構造部の安全率と変位を求める手法」の確立を勉強しています。