液体ロケットエンジン用ギアードターボポンプのタービン部設計が次図のように進んでいます。
この液体ロケット用ギアードターボポンプを縦軸としてロケットエンジン機側に付ける場合が次図のような縦配置となります。
上側にあるインデューサー付きの遠心ポンプが液体酸素用であり、同軸で下側に向いたインデューサー付き入口のある遠心ポンプがケロシンターボポンプです。
今回設計しているポンプ駆動用タービンは右下側に配置されており、その軸動力を歯車減速機を通してポンプ主軸に伝えます。
この配置では液体酸素ポンプ入口が上側を向き、液体酸素タンクからの与圧された液体酸素が均一な流れとなって液体酸素ポンプインデューサーに流れ込むことから、インデューサーでのキャビテーション発生が起き難くなり理想的です。
下側のケロシンポンプ入口にはケロシンタンクからの配管が180度エルボ配管でケロシンを供給することとなりますが、ケロシンはキャビテーションが起きにくくインデューサーもあるので問題はないでしょう。
タービンの排気部もストレートに排気パイプを下側に伸ばすことが出来て排気し易くなります。
次図は、この液体ロケット用ギアードターボポンプを横軸置きでロケットエンジン機側に配置した場合の姿です。
この場合は液体酸素ポンプへの液体酸素タンクからの液体酸素の流入は90度曲がるエルボ配管を経て液体酸素がインデューサーに流入するので、配管90度エルボで生じる流れの偏流はインデューサーでのキャビテーション発生につながる原因ともなるので、あまり横軸配置はしたくないところです。
それとタービンの排気パイプも一度横に出てそれから90度エルボで下方へ導かれるので滑らかではなくなり、避けたいところです。
次はタービン部を拡大して見たもので少々分かりづらいのですが、回転数が高速型で小型の圧力複式2段衝動タービンとして設計されています。
速度複式衝動タービンともしすればタービン設計回転数は更に低下出来るのですが、タービン効率が低くなるため今回の設計では歯車減速機での減速比を上げてより設計回転数とタービン効率の高い圧力複式衝動タービンの適用としています。
次は衝動タービン2段目動翼の出口を見たものです。
多数枚のシュラウド付き衝動タービン動翼ブレードが回転する円盤の周りに付けられています。
次図ではタービンからの動力伝達歯車減速機の内部構造を見ることが出来ます。
次図が透明化をしていない現在の設計進行中のギアードターボポンプの外観です。
この液体ロケット用ギアードターボポンプを設計してくれている社員は、22歳の女性エンジニアです。
<今日の流れ>
今日は自宅にいる一日となりそうです。
自宅では3DCAD Inventorでのダイナミックシミュレーションをやってみようと思っています。