流体機械設計と流体解析シミュレーション

流体機械設計と流体解析シミュレーションを行っている株式会社ターボブレードの社長である林 正基の日々について記載しています

発電電動ターボチャージャーをハイブリッド電源飛行機やドローンのガスタービン発電機として改造設計する計画を開始

2018年12月02日 | 宇宙航空産業機械

発電電動ターボチャージャーをハイブリッド電源飛行機やドローンのガスタービン発電機として改造設計する計画を開始します。

次がハイブリッド電源飛行機やドローンの電源として改造設計するための基の発電電動ターボチャージャーです。

この発電電動ターボチャージャーは、2段遠心コンプレッサーと遠心1段タービンの組み合わせとなっていて、発電電動機は永久磁石ローター式のブラシレスインバーター発電電動機です。

ガスタービン発電機とするためには2段遠心コンプレッサー出口に新たに単筒型燃焼器を加えて900℃程度の燃焼ガスを造る必要があります。

遠心1段目コンプレッサーと2段目遠心コンプレッサーの中間に発電電動機が配置されていて、吸込み空気で発電機は空冷されます。

全体的な流体機械要素から考えると、この発電電動ターボチャージャーを小型軽量発電機に改造すれば20kwクラスの小型軽量ガスタービン発電機となるでしょう。

20kwクラスの小型軽量ガスタービン発電機とすれば、主にドローン用のハイブリッド電源となることが多いと思われます。

<今日の予定>

今日はあまり天気が良くない一日曇りのようですが、とりあえず外出しようと思っています。


ガスタービン発電機ハイブリッド電源ドローンのプロトタイプ計画とその飛行性能解析

2018年12月01日 | 宇宙航空産業機械

ガスタービン発電機ハイブリッド電源ドローンのプロトタイプ計画とその飛行性能解析です。

次図が先日このブログで載せた100KW超小型ガスタービン発電機を積載したハイブリッド電源ドローンのプロトタイプ設計モデルです。

このガスタービン発電機ハイブリッド電源ドローンは、次図のように機体後部に小型ガスタービン発電機を積み、機体中央部には燃料タンク、そして機体前部にはバッテリーと電子機器を積むことでドローン本体部の重量バランスを構築しています。

機体枠組み構造はアルミ型材による構成としています。

ドローン用のプロペラはモーター駆動2重反転プロペラタイプとして、なるべく小型で大重量を持ち上げられる計画です。

次は垂直に浮上した場合のハイブリッド電源ドローンの機体周り流れ解析結果であり、ドローンの浮上力が充分にあるかを調べるシミュレーションです。

このドローン浮上シミュレーションでは、2重反転プロペラ周りの流れを詳細に見ることが出来ますので、プロペラ流れが乱れていたり、不均一な流れなどを捉えて機体の改良設計を行うことが出来ます。

次はドローン浮上状態を下から見た流れ解析結果図です。

機体とプロペラの距離や位置関係は、このシミュレーション結果を見ると良い状態です。

<今日の予定>

朝一番からはインフルエンザの予防接種を受けに近くのかかりつけの病院に行ってきました。

そろそろ風邪にかかっている人が多そうな感じでした。

風邪にならないように気を付けて、バイクに乗れる体調を維持していこうと考えたりしました。


インデューサー一体型オープンインペラ遠心1段燃料ポンプのキャビテーションを減らすことが出来ています

2018年11月30日 | 宇宙航空産業機械

インデューサー一体型オープンインペラ遠心1段燃料ポンプのキャビテーションを減らすことが、インデューサー羽根形状の改良により出来ています。

次はポンプ入口から出口までの3次元流線群です。

次図は、圧力表示色範囲として最低が0PaAで最大が100000PaAとしたインペラ表面での圧力分布ですが、インデューサー入口縁外周側の負圧面にわずかに低圧領域が存在するだけとなっていて、改良設計の効果が出ています。

次図はシュラウド近傍流れ面での流蹟線群表示ですが、このインデューサー一体型オープンインペラ設計ではシュラウド近傍でのメリディアン速度の低下が防げていて、相対流れも滑らかです。

<今日の流れ>

午前中の昼前に用事で出ていました。

午後は書類作成となりますが、本日はプレミアムフライデーなので弊社は午後3時までの業務です。

社員の皆も早く帰る日は色々と用事を済ませることが出来るのだと思いますが、終業後は全く干渉しないのが弊社の方針なので皆が会社以外ではどのように過ごしているのか知りません。

弊社では平日でも終業時間は毎日午後4時なのでその後の時間を皆は有効に使っているのだと思います。

ちなみに弊社の朝の開始時間は午前9時なので、1日の実労働時間は昼休みの1時間を除くと毎日6時間であり、労働時間をなるべく短縮する方針で行っています。

さらに弊社では、飲み会、忘年会、新年会、食事会などの会社関連行事は全くやっていません。


ハイブリッド電源を持つ航空機やドローン用の超小型ガスタービン発電機100KW

2018年11月29日 | 宇宙航空産業機械

ハイブリッド電源を持つ航空機やドローン用の超小型ガスタービン発電機100KWの設計です。

全長は760mm程度で重量は25Kg程度に納まっている小型高出力の航空機やドローンのハイブリッド電源用ガスタービン発電機として設計しています。

1軸式ガスタービン発電機であり、始動は発電機がモーターとなって余裕で始動可能であり、電力負荷の変動に対しても1軸式ガスタービンなので安定性があります。

タービンの回転数は毎分10万回転と高速ですが、永久磁石式ローターのインバーターブラシレス発電機が直結で発電を行うことが出来て発電機部も軽量に出来ています。

<今日の流れ>

午前中は少し出ます。

午後は来客があり、打合せです。

 


片側2mm直径を増やしただけで設計圧力達成で流量は2倍に

2018年11月21日 | 宇宙航空産業機械

片側2mm直径を増やしただけで設計圧力達成で流量は2倍になりました。

ほんの少しの直径拡大でも大幅にポンプ特性が変わることをこのシミュレーションは示しています。

設計点ピッタリの流量と圧力を出しながら高効率で耐キャビテーション性能も高いターボポンプを設計することはなかなかに難しいことなのです。

流量が予定の2倍近く流れているので入口メリディアン速度が大きくなり次図のようにキャビテーション発生範囲が拡大しています。

<今日の予定>

午前中から用事で出ています。

直接帰宅する予定です。


液体ロケットエンジン用の燃料ターボポンプ部を遠心1段で高圧が出るように改良設計中です

2018年11月20日 | 宇宙航空産業機械

液体ロケットエンジン用の燃料ターボポンプ部を遠心1段で高圧が出るように改良設計中です。

次図は、遠心1段燃料ターボポンプの性能流体解析モニタリング画面で解析計算が終了した時点です。

ポンプ吐出圧は600万PaAが出ていて、流量も7kg/s出ています。

ただ690万PaAの吐出圧を流量7kg/sで確保するには足りないので、次改良では羽根外周直径をわずかに増やして吐出圧と流量を確保します。

次はポンプ入口から出口までの3次元流線群ですが、全体的に流れは滑らかです。

次図はインペラ流れ表面の流蹟線群と圧力の色分布を示しています。

これで気になる点は、入口ブレード負厚側での圧力降下領域です。

ブレード入口負厚側での圧力降下が良く分かるように次図では圧力表示幅が0PaA~100000PaAとしていますが、0PaAに近い領域があることからこの箇所ではキャビテーションが発生すると考えられます。

それを防ぐために今後の改良として入口縁を吸い込み側に更に延長して、入口羽根部をインデューサー的な形状として耐キャビテーション効果を持たせるように改良します。

次図は、シュラウド近傍流れ面での流堰線群表示ですが、メリディアン流れではシュラウド側で曲がり切れない流れの影響が渦領域の発生として現れているようです。

次図はミーンライン流れ曲面上での流れ状態表示ですが、かなり良い状態です。

<今日の仕事>

午前中は来客での打合せがあり、午後は請求書などの書類作成を中心として作業します。


A3用紙サイズ大きさとなる「A3ロケットエンジン」の第一形態構想

2018年11月17日 | 宇宙航空産業機械

液体ロケットエンジン設計を進行中のA3用紙サイズ大きさとなる「A3ロケットエンジン」の第一形態構想が次図です。

最近のロケットエンジンで主流となる1軸式縦軸ターボポンプがエンジン燃焼筒の横に設置される形態をこのA3ロケットエンジン第一形態も持っています。

この設計構想図では大まかな全体構造が出来ただけなので、これからバルブシステムやタービンガスジェネレーター、頂部ジンバル機構、ジンバルサーボなどを構築していきます。

この第一形態の次の第二形態(ターボポンプが燃焼筒上部に横軸で配置される)も現在構想を進めています。

<今日の予定>

昼ぐらいに会社に出て色々と準備をします。


手のひらに乗るサイズのタービン部が213KWの軸出力を確保しました

2018年11月16日 | 宇宙航空産業機械

液体ロケットエンジン用ターボポンプの手のひらに乗るサイズのタービン部が213KWの軸出力を確保したことをシミュレーションで確認しました。

次はターボポンプ駆動用タービン部の性能流体解析における解析計算モニタリング画面の計算収束終了時画面です。

タービン断面のモニタリング画像として、圧力、速度、エンタルピー、温度を表示させています。

この解析計算によりタービン動翼の回転モーメントが求められますので、それに回転数をかけることでタービン軸出力が分かり、これまでで最も大きい213KW出力となりました。

次図はこの速度複式衝動タービンの1段目ノズル、1段目動翼、2段目ガイドベーン、2段目動翼でのガスの流れを色分布で見ています。

ノズル静翼では絶対速度表示となっていて、動翼部では相対速度表示なっていますから、翼間の流れ状態を鮮明に理解することが出来ます。

どの翼でも入口と出口の流れが翼にそって滑らかに流れており、速度複式としての速度変化の様子も適した状態です。

次図はタービン部断面での速度分布を示す解析結果図です。

気になる点があり、初段ノズルからのガス流が半径方向外向きに速度を持って流れているようであり、動翼の外周側の隙間を通るガス流が多くなっている点です。

これを改善する為には、初段ノズルの出口を内側に傾けてガス流を軸となるべく平行に流すようにノズル子午面形状を変更すると良さそうです。

次図はタービンを流れるガス流の3次元流線群表示です。

最も速いガス速度は1000m/秒以上出ていますが、ノズル出口ガス速度を平均化した値はより小さくなっているのが問題であり、それを改善することでよりタービン出力を上げることが出来るので、今後更なる改善設計を行います。

<今日の流れ>

まだ見積作成案件があるので、見積作成作業を続けます。


A3ロケットエンジン設計のターボポンプ部構想設計が進みました

2018年11月15日 | 宇宙航空産業機械

A3用紙サイズに大きさがほぼ納まるような小型のA3ロケットエンジン設計を進めていますが、それのターボポンプ部構想設計が次のようになりました。

この推力1トンのA3ロケットエンジンのターボポンプは非常に小型高速回転であり、現時点の計画では最近のロケットエンジンによくあるようなエンジン燃焼筒の横に縦軸配置で取り付けられる縦軸1軸式のタービン駆動ターボポンプとなっています。

この超小型ターボポンプの回転数は毎分5万回転以上として高圧の液体酸素と燃料がエンジン燃焼筒に供給されるように設計しています。

このターボポンプから供給される燃料液体はノズルスカートの出口部のところに再生冷却のために送られますが、それらの配管や液体酸素が燃焼筒上部に供給される配管取り回しなどはこれから計画されます。

液体供給配管の途中には調圧バルブやスロットルバルブ、タービン駆動用ガスジェネレーター配管などを計画する必要がありますが、特にバルブ関係は超小型となり市販品が使えることにはならないので、自分でバルブシステムを設計する予定です。

バルブシステム設計に於いても、弊社の得意とする流体解析にて流体力によるバルブモーションまで解析出来るシミュレーションを使うことで、性能を満たすロケットエンジンバルブシステムを設計出来るでしょう。というか絶対に設計完成します。

<今日の仕事>

見積り作成作業を続けます。

そのほか、女性エンジニア担当プロジェクトの自由表面流れ解析の状態を打ち合わせたり、これまでで最も性能が上がったターボポンプタービン部をこれで一応完成か?と判断したり、多段ポンプの構造設計検討を打ち合わせたり、YouTubeに上げる発電所動画関係の作成について打ち合わせたり、しています。


液体ロケットエンジン設計の燃料ターボポンプ部も良い性能が出ていることを確認

2018年11月14日 | 宇宙航空産業機械

液体ロケットエンジン設計の燃料ターボポンプ部も良い性能が出ていることを確認した性能流体解析結果図です。

次図は入口ケーシングから2段のインペラ、そして渦巻きケーシングを燃料が流れている流線図となり、色は圧力分布を示しています。

今回の改良設計では、入口ケーシング内にセパレーター翼を入れて、以前の入口ケーシングに発生していた回転と同方向の1段目インペラ吸い込みにより発生していた旋回流れを無くすことが出来ています。

次図は2段のインペラの流れ表面の流蹟線と圧力分布を示した解析結果図です。

初段のインペラは低比速度斜流タイプとなっていて、2段のインペラは低比速度遠心タイプです。

初段インペラの入口の圧力は大気圧以下に下がっていないので、燃料の飽和蒸気圧から考えると全くキャビテーションは発生しないでしょう。

更に、燃料の相対流れ状態に対して非常に最適化した羽根設計を行えていることから、翼間流れは停滞や渦領域も無く、しかも非常に滑らかな圧力をしていますので性能が高くなっています。

この設計は、入社2年目の女性エンジニアが行ったものであり、特にポンプ多数枚ブレードの良さを引き出しています。

低比速度遠心インペラにおいて特に圧力を高くする必要が有る場合には直径を大きくすればいくらでも高圧になりますが、インペラ出口の羽根高さが小さくなりすぎて効率の低下が大きくなります。

よって適切なインペラ出口羽根高さを維持したままで圧力を上げるためには翼枚数の多数化が非常に有効なのです。

多数翼枚数にすると摩擦損失による効率低下が大きいと考える人もいますが、それは経験が足りないことによる考え方で、ポンプでも翼枚数が多くて翼間流れが羽根形状に沿って滑らかに流れる多数枚翼は効率も高くなるのです。

次図はシュラウド近傍流れを初段から2段目までの流れ曲面上で見たものです。インペラ部では相対流れ、静翼部では絶対流れとなっています。

この流蹟線群を見ると、初段から2段へのリターン翼では流れが適切に転向されるようになり、渦領域がほぼ無い状態に出来ました。

ただ、2段目インペラのシュラウド側にメリディアン方向流れが曲がりきれてなくて、2段目入口部で停滞流れが生じています。これを修正するのは現状難しいと思われます。

次図はミーンライン流れ曲面での流れ状態図です。

良い状態です。

次はミーンライン流れ曲面の流れを下側から見たものですが、リターン静翼部にところどころ渦領域が見られます。これはリターン静翼の翼形状を修正することで無くせるでしょう。

次は、解析計算モニタリング画面です。

解析計算が終了した状態の画面ですが、子午面流れ状態は概ね良好です。

<今日の作業>

今日は見積作りが中心作業です。