流体機械設計と流体解析シミュレーション

流体機械設計と流体解析シミュレーションを行っている株式会社ターボブレードの社長である林 正基の日々について記載しています

液体ロケットエンジン燃料ターボポンプ設計と流体解析にて、必要圧力と流量を達成

2018年10月30日 | 宇宙航空産業機械

液体ロケットエンジン用の燃料ターボポンプの設計と流体解析を繰り返して、必要圧力690万PaAと必要流量を達成しました。

次がメリディアン流れ平均位置流れ面での1段目斜流ポンプ動翼から静翼、そして2段目遠心ポンプインペラへの圧力色分布と相対流れ流蹟線群を見たものです。

これを見ると斜流ポンプで圧力がある程度上がり、2段目インペラで滑らかに昇圧している様子が分かります。

相対流れ流線も滑らかにブレードに沿って流れ込み、翼間の渦領域や停滞領域もインペラでは無く効率の高い良い流れ状態です。

流れ状態は全体的に良いことから2段インペラの必要軸動力は98kw程度になっています。

次はボス近傍の流れ面での圧力分布と相対流線群の表示です。

次はシュラウド近傍の流れ面での流れですが、斜流ポンプ静翼の翼間流れに滞留渦領域が見られることから、この部分を改良設計したモデルの流体解析計算も開始しています。

次は燃料ターボポンプの入口から出口までの3次元流線群表示です。

これを見るとポンプ入口ケーシングでは回転と同方向の旋回流れが生じているので、入口セパレーター翼を次モデルで追加します。

<今日の流れ>

午前中は資料関係の作成を行い、午後は来客があり打合せです。


液体ロケットエンジンターボポンプの燃料ターボポンプ部の設計と性能流体解析

2018年10月27日 | 宇宙航空産業機械

液体ロケットエンジンターボポンプの燃料ターボポンプ部の設計と性能流体解析です。

この燃料ターボポンプ部は小流量で高圧の低比速度遠心ポンプとなるため、ポンプインペラは次図のように平たい円盤形状です。

それとインペラはシュラウドの無いオープンタイプとして設計しています。

シュラウドが無い遠心インペラだと効率と圧力がかなり低下すると思っている人もいるようですが、実際はそんなことはなく効率低下もわずかです。

次図のように遠心インペラでの入口から出口までの圧力上昇はその色分布で見られるように非常に滑らかに行われており、担当女性エンジニアの設計の良さが出ています。

このような低比速度遠心ターボポンプであっても高効率化の為にはインペラブレードは3次元羽根として設計しています。

次図はメリディアン平均位置流線を軸周りに回転させた流れ面での相対流れ流蹟線群を表示していますが、ブレード入口縁ではブレード入口角度に相対流入角度が滑らかに沿っていることが分かります。

次図は入口ケーシング部から渦巻ケーシング吐出部までの3次元流線群表示で色は圧力分布を示しています。

入口ケーシング内ではインペラ回転と同方向の吸込み旋回流れが生じていますので、それを防ぐための入口ケーシング内セパレーター翼が追加で必要に思います。

渦巻ケーシング出口での圧力の色を見ると、ポンプ出口では600万PaAの圧力が出ていて高圧になっていますが、690万PaAには届かず、この遠心インペラの前に低比速度斜流ポンプを入れるように現在設計変更して解析計算を始めています。

<今日の予定>

昨日夜に喉が痛くなり段々と寒くなって来たので、これは風邪だ~! と慌てたのですが、すぐに喉を殺菌して風邪薬を飲み夜9時には寝て、今朝は9時に起きたらかなり状態は良くなっていました。

でも用心して今日は自宅で療養します。まあいつもの土曜日もほぼ自宅にこもっているのでそれと同じ過ごし方です。

自宅で今日は療養しながら何をしようかなと考えていますが、最近会社の終業後にやっているひとり部活のようなDance Practiceは体力的に無理なので、やっぱり色々な動画視聴に落ち着きそうです。


液体ロケットエンジンターボポンプ用圧力複式2段衝動タービンの設計と性能流体解析の結果図

2018年10月25日 | 宇宙航空産業機械

液体ロケットエンジンターボポンプ用圧力複式2段衝動タービンの設計と性能流体解析の結果図です。

圧力複式2段衝動タービンなので、段毎のノズルで2段階に圧力を減じています。

まだ1段目での圧力降下が大きすぎるようです。

次の段間流れ図を見ると特にノズルでの改良設計が必要です。

次の設計変更では、1段目ノズルの軸方向長さが短く設計したので、それに合わせて動翼も軸方向幅を半分ぐらいにしています。

2段目ノズルも圧力複式だから1段目ノズル形状に近づけなければなりませんので、設計変更中です。

<今日の仕事>

朝一番から産業科学技術センターに行って、部品の3次元測定をお願いしてきました。

大分県産業科学技術センターさんではいつも大変親切に測定などで対応して頂いているので、大変に有り難く思っています。


設計したロケットエンジンとターボポンプ

2018年10月21日 | 宇宙航空産業機械

設計したロケットエンジンとターボポンプです。

使用流量の少ない小型ロケットエンジンなので、主燃焼器は小さくてターボポンプ部との釣り合いがなんだか微妙な感じになっています。

ターボポンプ部が大きすぎる点は、現在は全設計のやり直し中であり、最終形態は小型化したターボポンプとノズルスカート再生冷却部の適正化が行われた形態となります。

次のターボポンプ4分の1断面図では内部構造が見えていますが、特にシール部と軸受け部構造は全く仮の姿の為、そこら辺も詳細構造設計でやり直しです。

<今日の予定>

明日からの出張に備えて、進行中計画設計をより進めることで明日にはそれを詳細計画設計にしてもらう担当女性エンジニアへのプロジェクト引継ぎの準備をします。

よって今日は一日自宅での作業を行います。

それにしても1年以上ぶりの出張になります。長期出張ではなく、車でフェリーを使って1泊の高知県までなのですが、それでも久しぶりだと準備がちゃんと出来ているかどうか気になりますね。

自分があまり出張しないのは、ターボブレードでは常に5個ぐらいのプロジェクトが並行して進んでいるために、各プロジェクトの担当女性エンジニアの設計や解析途中での方向性や疑問点を自分に確認することが滞ると短期開発プロジェクトばかりなので会社の業務遂行に支障が出るからです。

もう一つの出張しない大きな理由は、自分の体力があまりなく、出張後の翌日は疲れて仕事にならないこともあります。


ロケットエンジン設計 4連クラスターロケットエンジンの設計

2018年10月20日 | 宇宙航空産業機械

ロケットエンジン設計の例です。

次図は4連クラスターロケットエンジンの設計事例です。

複雑な機械に見えていますが、配管やバルブなどを簡略化していたり、センサー類やアクセサリー装置を入れていないので、詳細な設計を進めればもっと複雑でごちゃごちゃしたロケットエンジンに見えるようになります。

このロケットエンジンの更なる設計変更点は

1)主燃焼器のインジェクター詳細設計

2)主燃焼器とノズルスカート部の再生冷却構造の再検討と詳細設計

3)配管の取り回しとフレキ配管部の設計、継ぎ手部の詳細設計

4)ポンプ入口弁やポンプ吐出圧力調整弁などの主バルブシステムの設計

5)ガスジェネレーターとそれの配管設計

6)ジンバル機構部設計のやり直しと詳細設計

7)ジンバル用サーボシリンダーの形式の再考と詳細設計

などがこのロケットエンジン設計の残り作業です。

<今日の予定>

今日は会社に出て用事を済ませます。

会社に出て来たので、少しの模様替えと片付けと掃除を行います。


液体ロケットエンジン用の電動ターボポンプの構造設計

2018年10月19日 | 宇宙航空産業機械

液体ロケットエンジン用の電動ターボポンプの構造設計です。

液体ロケットエンジン燃料用のターボポンプとして設計していて高速回転遠心インペラ羽根はインデュサーサーとインペラが一体化した設計となっています。

高速回転としてポンプを小型化していますが、ポンプを駆動するモーターはキャンドタイプでローターが永久磁石式のブラシレスDCモーターであり、パワーを出す為にローターとステーターの軸方向長さが非常に長い設計となっています。

モーターのローター主軸を支える軸受けはポンプが吸込む燃料で潤滑と冷却をされる動圧すべり軸受けとなっています。

ポンプインデューサー部の上流入口部には非常に特殊な耐キャビテーション用の流体構造を入れています。

ポンプインペラと反対側にあるモーター軸受けはポンプ渦巻きケーシング吐出側から高圧液体をパイピングで取り出して、モーターの端部に液体を供給することで軸受けの潤滑と冷却を行います。

その供給される液体がローターとステーターのギャップを通過しながらローターステーターの冷却も行い、さらにインペラ側の軸受けを潤滑冷却して最終的にはインペラのバランスホールを通ってインペラの背面圧力を下げながらインペラ入口側に吸込まれます。

<今日の流れ>

今日はメール問い合わせへの回答を最初にやるべきでしょう。

社長としての日々の仕事の種類は大変に多くあり、主に仕事の受注に関係することは問い合わせへの回答、見積や折衝も含め全て行っていて、仕事が終われば請求書作成や一度終わった仕事へのお客様からの色々な問い合わせに対する回答、プロジェクト進行中の色々な技術的な問い合わせへの回答、取材以来への対応、設置した発電所への視察への対応など、これだけいろいろとやっていると自分の設計が遅くなるはずだわという言い訳についしてしまいます。

これらの社長としてやっていることを社員に分担すればよいのではないかとお思いでしょうが、これらは売り上げを上げる場合に弊社のような零細小企業にとっては社長がやるべき仕事と認識していて、女性エンジニア社員の皆には設計と解析だけに集中してもらって煩わしいことは自分が全部やってしまう、会社における執事のような立場が自分であると思っています。

つまり女性エンジニア社員の皆を色々な面でサポートして、例えば頻繁な打ち合わせによる各自担当プロジェクトの問題点解決方法の提示、居心地の良い事務所環境、使い易いPCとディスプレイ環境、平均よりもずっと高い年間所得、有給の全取得、短い勤務時間(弊社は朝9時から夕方4時までの勤務時間で昼休みが1時間ありますので実質労働時間は6時間です)、残業のほとんど無さなど、女性エンジニアの皆が円滑に全ての仕事が進むようにすることが自分の第一の仕事ですね。


液体ロケットエンジン用の燃料ターボポンプの改良設計進行中状況

2018年10月18日 | 宇宙航空産業機械

液体ロケットエンジン用の燃料ターボポンプの改良設計進行中状況です。

次は流体解析計算終了時の解析モニタリング画面です。

ポンプ断面表示に見られるように、燃料ターボポンプは斜流ポンプと遠心ポンプの組み合わせで構成しています。

そのような2段ポンプ構成になったのは高圧に対して流量が少ない低比速度ポンプとなることからインデューサーも兼ねた斜流ポンプである程度与圧して遠心インペラが有効に圧力を上げるように考えています。

次はメリディアン流れミーンライン回転面での圧力と等値線、流線群の表示です。

斜流インペラで充分に圧力が上がっていないので、設計変更が必要です。

斜流ポンプ部静翼が相対流れに合っていません。

次はシュラウド近傍流れ面での状態です。改良の必要性が沢山有ります。

<今日の仕事>

今日も一日頑張ります。


液体ロケットエンジン設計の燃料ターボポンプ設計と性能流体解析の結果 最新

2018年10月16日 | 宇宙航空産業機械

液体ロケットエンジン設計の燃料ターボポンプ設計と性能流体解析の結果の最新です。

斜流インデューサーポンプのインペラと、遠心ポンプ部インペラの圧力分布と相対流線群の表示が次です。

次は燃料ポンプ入口ケーシングから出口渦巻きケーシングまでの3次元流線群の表示です。

次はチップ側流れ面での相対流線群と圧力分布の表示です。

この計算結果は充分な収束をしていない不安定な解析計算結果なので斜流ポンプと遠心ポンプの間の空間では充分に流れておらず圧力低下領域が大きくなっています。

次はミーンライン流れ面での相対流線群と圧力分布の表示です。

次はボス側流れ面での相対流線群と圧力分布の表示です。

次は流体解析計算のモニタリング画面ですが、次計算では出口圧力設定を大きくして不安定計算がなくなるかを試してみます。

<今日の仕事>

午後から来客での打合せがあるので、午前中に設計作業を進めます。


超小型衛星用ロケット設計 1段目推力24トン、2段目推力2トンの小型ロケット計画です

2018年10月14日 | 宇宙航空産業機械

超小型衛星用のロケット設計を行っています。

1段目推力24トン、2段目推力2トンの小型ロケット計画です。

この2段ロケットの1段目には推力12トンのロケットエンジンが4台並べて付いています。

ロケット2段目のロケットエンジンは推力2トンの小型が付けられています。

<今日の予定>

今日は朝ゆっくり起きて外に出る体制も無いので、自室でのいつもと同じような設計作業となりそうですが、ポルシェ博士の生き方に感動しているので集中力が増えそうに思います。


ロケット設計 1段目推力60トン、2段目推力6トンのロケットエンジンを搭載した人口衛星用ロケット計画

2018年10月13日 | 宇宙航空産業機械

ロケット設計を進めていて、1段目推力60トンで2段目推力6トンのロケットエンジンを搭載した人口衛星用ロケットを計画しました。

ロケット1段目は4連ロケットエンジンを搭載していて、1台が15トン推力×4台=60トン推力となります。

2段目には推力6トンのロケットエンジンを搭載しています。

<今日の流れ>

土曜日の休日としてのいつものダラダラとした過ごし方の予感です。

<今日の成果>

ガスタービン発電機と超軽量ポンプ装置による排水システムの構想を思いつくことが出来たので、良い一日だったと思います。

<今日の体調>

最近は喘息も落ち着いていて、かなり動けるようになっています。

今日は朝早く起きたので夕方に眠くなり夕寝をしましたが、ちゃんと布団を着ておらず寝冷えしそうになり、油断していました。