流体機械設計と流体解析シミュレーション

流体機械設計と流体解析シミュレーションを行っている株式会社ターボブレードの社長である林 正基の日々について記載しています

クラスター小型衛星用ロケット構想

2019年05月21日 | 宇宙航空産業機械

クラスターになっているキューブ型の多数の小型衛星を地球低軌道に投入するためのロケット構想です。

ロケット初段は、6トン推力液体ロケットエンジンを4台束ねたロケットをさらに3連として全推力72トンとなります。

2段目は3トン推力高膨張比液体ロケットエンジンを3機使用した直径の大きなクラスター小型衛星軌道投入用機体です。

初段3連ロケットの1台の直径は1.2m程度です。

4連ロケットエンジンのさらなる3連はなかなかに複雑なマシンとなっています。

<今日の流れ>

午前中は来客での打ち合わせがあります。

午後は流体機械設計作業となります。

 


初段帰還型小型衛星ロケット構想の飛行シミュレーション

2019年05月17日 | 宇宙航空産業機械

初段帰還型の小型衛星ロケット構想の飛行シミュレーション結果図です。

2段式の小型衛星用ロケットとして構想しています。

1段目は6トン推力液体ロケットエンジンを5台並べた全推力30トンエンジンです。

2段目は3トン推力の液体ロケットエンジンを持ちます。

この小型衛星ロケット飛行シミュレーションでは次図のように5台のロケットエンジンからガス噴流が噴射している状態での飛行解析となっています。

1段目ロケットの直径は1.6mほどになります。

ロケットエンジンからの噴流の状態は不足膨張になっています。

飛行シミュレーション結果としてロケット表面の圧力分布とロケット外部空間のマッハ数の分布などを見ることが出来ます。

この構想に1段目帰還時用の着陸脚を付け足していく必要があります。

<今日の流れ>

午前中はお問い合わせに回答する作業が中心です。

午後は来客での打ち合わせの予定です。


小型衛星ロケット構想と飛行シミュレーション

2019年05月12日 | 宇宙航空産業機械

4連ロケットエンジンを持つ小型衛星用のロケットを構想してみました。

次は構想した小型衛星ロケットが飛行する状態をシミュレーションした結果図です。

巨大なシミュレーション風洞による解析計算となっています。

圧力の分布を見た結果が次です。

この解析計算ではロケットの噴射は条件に入れておらず慣性飛行の状態です。

ロケット先端が圧力が高い領域となっています。

圧力の分布状態をロケットの構造解析計算に持ってくることが出来ますので飛行時強度を求めることも可能です。

マッハ数の分布を見たのが次です。

<今日の流れ>

今日の午前中は散歩に出てカフェにてブランチです。

午後は会社で用事を済ませます。


4連ロケットエンジン構想設計

2019年04月06日 | 宇宙航空産業機械

4連ロケットエンジンの構想設計例です。

1軸式の縦軸ターボポンプを持つロケットエンジンを4基近づけて配置したクラスターロケットエンジンとなります。

<今日の流れ>

今日は少しうろうろとしてみます。

熊本のHSR九州で開かれているエンジョイホンダ祭りに行ってみました。

人も多くて賑やかでした。

一番興味を引かれたのが次のF1エンジンの展示です。

このエンジンのポンプあたりを詳細に見ようとしましたがエンジンブロック内部にあることと、他の補機が邪魔ではっきりと見えておらず少し落胆しています。


二軸式ターボポンプ付きロケットエンジン 推力2トンクラス

2019年04月03日 | 宇宙航空産業機械

二軸式のタービン駆動ターボポンプによるロケットエンジンを構想してみました。

推力は2トンクラスであり、電動ターボポンプのモーター部をタービン駆動に換えた設計となっています。

使用流体は液体酸素とメタンとなるイメージです。

<今日の流れ>

設計検討のまとめを行う作業が中心となります。


ロケットエンジン用インデューサー付きメタンターボポンプの設計と流体シミュレーション

2019年03月05日 | 宇宙航空産業機械

ロケットエンジン用としてインデューサー付きメタンターボポンプを設計して、流体解析シミュレーションをしてみた結果です。

ターボポンプとしてインデューサー+2段遠心ポンプの構成を持つ設計です。

次は流体解析シミュレーション計算のモニタリング画面であり、インデューサーでの昇圧状態や流れ速度ベクトルでのインデューサーシュラウド部流れ位置での流れ停滞などが見えています。

解析計算は安定して収束している状態です。

次はシュラウド近傍流れ円錐曲面上での流れ流蹟線群の表示です。

色分布は圧力を示しています。

インデューサーでの少しの逆流と初段遠心インペラでの顕著な流れの乱れが見えています。

次は子午面断面ミーンライン流れ円錐曲面上での流れ状態です。

これも初段遠心インペラでの流れの乱れが見られ、それの原因はインデューサーでの加圧不足があると推測しています。

次はボス近傍流れ面での流蹟線群です。

滑らかに流れていて、圧力も滑らかに増えています。

次は3次元流線群であり、色は圧力分布を示しています。

インデューサーシュラウド側での滞留や逆流が流線で見えています。

この設計と解析結果では、小流量メタン液体を高圧に加圧出来ていますのでロケットエンジン用メタンターボポンプとしての良い可能性を持つ試験的な設計でした。

<今日の流れ>

二相流タービン計画設計を行いますが、基本設計計算から開始です。


メタンターボポンプの設計研究を開始 ロケットエンジン用

2019年02月21日 | 宇宙航空産業機械

メタンターボポンプの設計研究を開始しました。

用途はロケットエンジン用です。

最初のメタンターボポンプ設計形態は、液体酸素ターボポンプの流体モデルをそのまま使って開始しています。

液体酸素に比べてメタンの密度は半分以下なのでポンプ回転数が同一であればメタンターボポンプの昇圧能力は低くなります。

よって次のメタンターボポンプ性能流体解析モニタリング画面ではポンプ出口圧力設定値を液体酸素に比べて半分以下にしていますが、それでも逆流が生じているので次の解析では出口圧力の更なる低下での計算となります。

次図は流れ流線群表示です。

色は圧力分布を示しています。

ポンプインデューサー入口部上流側では特にシュラウド側での逆流現象が顕著となっています。

入口逆流があることからポンプの吐出側流量が減っており、それが出口圧力の低下を招きます。

メタンターボポンプは流体形状設計として、低比速度高圧ポンプ形態を持ち、更にインペラ出口に羽根付きディフューザーを持つように設計を進めることとなります。

今後いろいろと試してみます。

<今日の流れ>

午前中は昨日の夜の風邪引きそうな体調から休んでいました。

昼には会社に来ましたので、ぼちぼちと仕事を進めます。

でも無理せず早めに帰ります。


今年も宇宙航空産業機械設計を続けて行います

2019年01月28日 | 宇宙航空産業機械

最近は新しい分野の流体機械設計が多くなってきていますが、今年も宇宙航空産業機械設計は続けて行います。

続ける宇宙航空産業機械設計の主な対象は、ロケットエンジン関係とジェットエンジン関係となります。

ロケットエンジン開発設計は前年のポンプ部担当者がバイク設計担当に移り、タービン部担当は空気機械担当に移りましたので、今年は主に自分がやることにします。

ロケットエンジン開発の対象としては、タービン駆動ターボポンプ式液体ロケットエンジンでは大変小型機種となる推力2.5トンぐらいの型式を自主設計して、海外の現在売れている電動ターボポンプロケットエンジンに対抗する性能を持たせることを考えています。

ジェットエンジン関係は、ジェットエンジン自体というよりも、そのガスタービン部を使ったハイブリッド飛行機やドローン用のガスタービン発電機設計が中心となりそうです。

ロケットエンジン開発設計は完全なやってみる設計なので、どこまで出来るかは不明です。

<今日の流れ>

午前中は少し出ていましたが、午後からは月末の資料まとめと提出関係が忙しくなります。


直径150mmインデューサー展開角300度チップギャップ0.5mm、出口圧力175000PaAでの流れ解析

2019年01月17日 | 宇宙航空産業機械

直径150mmのインデューサーで羽根展開角300度、チップ側ギャップ0.5mm、出口圧力175000PaAでの流れ解析の結果図です。

解析結果図から4枚羽根インデューサーの外周側ブレード部での低圧領域はかなり少ない良い状態です。

次は流線群での流れ表示ですが、インデューサー外周のケーシングとのギャップ隙間が0.5mmですが、今回のギャップからの逆流漏れ流れが発生しています。

羽根外周隙間ギャップからの逆流漏れ流れにより生じる渦は、次図でもはっきりと出ています。

インデューサー直径150mmに対して外周隙間0.5mmの割合でも今回の結果で逆流が生じているのは、インデューサー出口昇圧が大きいということもあり、出口を低圧とすれば逆流は収まるでしょう。

他の逆流防止策としては、インデューサー外周部がこれでは円筒形状ですが、それを斜流となるテーパ壁として外周側に遠心力による昇圧を持たせて逆流を防ぐことが考えられます。

または、インデューサー入口縁直前に円筒型の溝を設けて、その溝空間に渦流れを誘導して流れを反転して羽根に吸い込ませる方式などが考えられます。

それらの設計変更と流れ解析も余裕があれば行う予定です。

<今日の仕事>

見積もりを作ったり、完成したデータを提出したり、設計変更を行ったり、問い合わせに答えたり、皆の質問に答えたり、終業後はバイク設計女子のバイク練習を行ったりで過ごします。


ロケットインデューサーの入口隙間旋回逆流を減らす目的のブレード展開角拡大の効果は?

2019年01月10日 | 宇宙航空産業機械

ロケットインデューサーの入口隙間旋回逆流を減らす目的のブレード展開角拡大の効果を見た流体解析結果が次図です。

ブレード展開角を300度まで増やして螺旋形状羽根の重なりによる羽根チップ側戻り旋回流を減らそうとしましたが、次図のようにチップ側からの逆流流れが造る渦はかなり勢いが少なくなりましたが完全にはなくなっていません。

次は戻り旋回流れを流線で見た状態ですが、羽根入口縁に入る前に旋回渦は強く出ています。

この逆流旋回流れは高速流れとなるので、それがキャビテーションを発生させて、それの生成と消滅の繰り返しによる不安定現象がインデューサー入口側で起きてしまいます。

入口旋回流れは強いのですが、インデューサー羽根だけで見ると次図のように極端な低圧領域は少ない良い状態です。

このロケットインデューサーは、チップ側ギャップが1.5mmと大変に大きいので逆流が起こっていると考えられ、通常のチップ側ギャップである0.5mm以下とすればこのような逆流現象は相当に防げることとなりそうなので、現在ギャップ0.5mmに設定した改良流体解析を行っています。

<今日の流れ>

午前中は書類関係作業を行い、午後は来客での打合せです。