流体機械設計と流体解析シミュレーション

流体機械設計と流体解析シミュレーションを行っている株式会社ターボブレードの社長である林 正基の日々について記載しています

耐キャビテーション用インデューサー付き遠心ポンプと性能実験装置

2018年01月30日 | ロケットターボポンプの設計

耐キャビテーション性能が高いインデューサー付きの遠心ポンプを設計して、それの性能実験装置を製作した写真です。

耐キャビテーションインデューサー付き遠心ポンプの羽根は次写真のように小型で3次元羽根を持つ高比速度タイプの高効率ポンプ羽根となっています。

このインペラの製作方法はステンレス素材からの5軸加工削り出しで複雑な羽根曲面を製作しています。

次写真のように、耐キャビ用インデューサー部と3次元羽根遠心ポンプブレードは別部品ですが合体状態に見え、一体的に流れに作用するように流体設計を行っています。

このポンプ設計ではインペラにアクリル製の透明シュラウドを付けて、シュラウドがポンプ効率に与える効果と、インデューサーとインペラブレード部でのキャビ発生状況が目視出来るようにしています。

そして渦巻きケーシングはゴツイステンレスの固まりから形状を削り出す製作方法を取っています。

次写真がポンプの部品を並べてみたものです。

ポンプを駆動する高速モーターはこのポンプ専用にローターとステーターを特注で製作して、ポンプケーシングにビルドインタイプとして組み上げます。

部品の特徴としては高圧に耐えるように分厚い設計として製作されています。

次写真はモーターにインデューサーポンプインペラを組み付けた状態です。

次が、この耐キャビ用インデューサー付き遠心ポンプの性能を実験する装置の全体です。

真空度は真空ポンプで耐圧タンクから空気を抜いて造り、ポンプ入口真空度に対してのキャビ発生状況や流量・圧力・動力などを測定します。

次がポンプインペラ部に透明なアクリルインレットカバーを被せて組み立てものです。

この透明カバーを通してインデューサー部とインペラ部のキャビ発生状況を目視出来ます。

組み上がったポンプ全体が次です。

部品が全てステンレスなのでごつくてピカピカです。

次はポンプ吸い込み側からインデューサー羽根が見えているものです。

次は、ポンプ性能実験装置に耐キャビインデューサーポンプ部を組み付けた状態です。

色々な測定センサーが見えています。

次は、実験を待つポンプ本体部であり、運転中には透明アクリル部から羽根の様子が見えます。

羽根の流れはストロボライトを使うことでキャビや羽根は止まって観察可能です。

以上の耐キャビテーション遠心ポンプの設計と実験装置による研究は、ロケットターボポンプ設計につながるものとなっています。

<今日の流れ>

開発設計作業を続けています。

午後は来客です。