竹島問題100問100答 批判2 発刊の辞 17世紀に、日本は朝鮮の領土である鬱陵島に密かに渡海して漁労作業をしたことがある。そうするうちに安龍福の鬱陵島渡海を契機に朝鮮朝廷がこれを知ることになり、数年間の交渉の結果、日本の徳川幕府が日本人たちの鬱陵島・独島渡海を禁止することによってこの問題は自然に終結した。 その後、19世紀に再び今津屋八右衛門という日本人が浜田藩の官僚と組んで鬱陵島でなく独島[松島]に渡海するという名分で渡って行って発覚し、死刑にされた(1836)。この時、事件を担当した評定所は対馬藩に独島[松島]が朝鮮領であることを確認した後、当事者及び関係者たちを処刑し、再度、厳重に渡海禁止令を下した。当時、八右衛門は密かに鬱陵島に渡海した罪で死刑になったのではなく、朝鮮の土地である独島に渡海した罪で死刑にされたのだ。したがって、当時、独島渡海を許諾した実務者はもちろん、上級の関係者まで死刑を受けたり自決せざるを得なかったのだ。 事情はこういうことなのに、どうしたことか、1950年代以後に日本は再び独島は自らの土地だと言っている。このような日本の主張に対して、韓国は一貫して韓国と日本の各種資料を提示して日本の主張が誤っていることを理解させようとして来たが、日本は頑としてこのような資料を認めようとしない。 さらに、日本は、2014年に『竹島問題100問100答』(以下『100問100答』と略す)という冊子を発刊して、独島問題の内容を知らない多くの人々を混乱に陥れることもした。これに対して、慶尚北道独島史料研究会ではすぐにこれに対する反論書を出版して、『100問100答』の内容が事実でないことを立証した。そして、この反論書の内容を慶尚北道の「サイバー独島」ホームページに掲載して多くの人々が活用できるようにした。すると、日本側では自分たちの本を無断で翻訳して掲載したとして文句を言い始めた。実際に、私たちの研究会が発刊した反論書は韓国と日本の全ての国民を対象にしたものなので、『100問100答』の内容を一字も漏らさず正確に全文翻訳した後、その内容の一つ一つに反論を提起する形式を取った。 だが、私たちは無断で『100問100答』の内容を掲載したのではなく、事前に日本の『100問100答』出版社であるWiLL側に私たちの意図を説明して全文掲載を許諾してくれるよう要請したが、数ヶ月が過ぎても良いか悪いか何の返事もなかった。 これに対し、私たち研究会は、再び、返事がない場合は許諾するものと見なすという最終の手紙を送って十分な期日が過ぎるのを待った。だが、やはり何の便りもなくて、通告したとおりに発刊してインターネットに掲載したのだ。前後の事情はこういうことなのに、私たちが公式に要請した時は動かずにいて、インターネットに掲載すると無断翻訳云々とけちをつけ始めたのだ。それでやむを得ずインターネットから削除すると、今度は自信がなくて削除したのだととんでもない陰湿な攻撃をしている。私たちは、今でも、島根県が公式に要請するならばいくらでも再び掲載する用意がある。 先に述べたように、今まで数回にわたって韓国と日本の間に独島領有権に関する論争があった。その時ごとに、韓国は一貫して歴史的にも地理的、国際法的に独島は疑うところのない韓国の領土であることを論証してきた。それでも日本は韓国側の資料が直接的でないといって意図的にこれを無視して来た。 今回もやはり同じだ。私たちの研究会が『100問100答』批判書を出版すると、すぐに竹島問題研究会の座長下條正男は「『竹島問題100問100答』、反論にならない韓国の反論」(『WiLL』9月号掲載)を発表した。そして、再び竹島問題研究会が研究会の3期最終報告書に付録として韓国側反論に対する再反論の性格を帯びた三編の文を載せた。それは下條正男の「『竹島問題100問100答批判』に対する客観的検証(ワック出版)」と藤井賢二、山崎佳子の文だ。 両国国民が明確な判断をするためには今回も日本側の反論を一字も漏らさず全文を翻訳して掲載することが正しいが、そうすれば、また無断転載をしたと難癖をつけることが火を見るより明らかなので、しかたなく今回は日本側の反論を要約して記述した後、それに対して反論する形式を選んだ。このことについて韓日両国国民の了解を求めたいと思う。 事実、17世紀に日本は朝鮮よりも鬱陵島・独島に対する地理的知識が相対的に豊富だった。朝鮮が建国当初からの海禁政策によって鬱陵島の住民を全て陸地に移住させたので二島に対する識見が不明瞭になる中で、日本は鬱陵島で不法的に漁労活動をしたので二島に対する識見が朝鮮よりも相対的に明確だったというのが事実だ。だが、そのような中でも朝鮮は二島に対する領土意識が明らかだったし、日本は領土意識がなかったために最終的に二島が朝鮮の領土であることを確認して両国間の事件を終結したのだ。ところが今になって、当時の朝鮮は独島を認知できなかったと継続してとんでもない主張をするのは、あたかも他人の家の味噌甕台の石を盗んで観賞用の石として展示しておいて、主人が返してくれと言うと、石にどういう模様があるか、重さがどれくらいかと言って、そういうことを詳しく知っている自分が主人だと主張するのと少しも違わない破廉恥な行為だ。韓日両国国民の賢明な判断を望む。 2016年10月 慶尚北道独島史料研究会会長 金柄烈 <コメント> 読んで見たら思わず笑みがこぼれるようなほのぼのとした文章ですねー。一応、外国と国土の領有権を争う文集の巻頭言ですよ。それなのに、言い訳とか漬けもの石とか、ちょっと迫力に欠けるのではないですか? どうでもいいのだが、「返事がなければ承諾と見なす」と通告して返事がなかったから翻訳全文をアップしたのだというのなら、後で無断掲載だとかちょっと言われた(島根県は公式抗議はしていないと思う)としても、そのまま掲載を継続しておいて良かったんじゃないでしょうかねー。竹島の領有権についてならいくらでも話にならない強弁を繰り返すのに、今回の全文翻訳掲載問題はあっさりと引っ込めるというのはおかしいでしょう。やっぱり、著作権への配慮ということではなく、下條氏の指摘のように、島根県の見解が韓国国民に知れ渡ることになるのがまずいと思ったからだろうと思えますねえ。それに、独島史料研究会が島根県の研究会の見解の全文翻訳を掲載するということについて、島根県が一体何を「公式に要請」する必要があるのか、これも意味不明です。 そして、下線部ですが、元禄竹島一件では鬱陵島だけでなく今の竹島についても幕府が渡航禁止にしたとか、八右衛門事件(天保竹島一件)では八右衛門は鬱陵島に渡ったからではなくて今の竹島に渡ったから刑に処せられたのだなどと、史料のどこをどう読んだらそんな結論になるのか分からないようなことを言っていては、島根県竹島問題研究会の説明に反論するなんて無理だろ。 おまけで、小さなことですが、キム・ビョンリョル先生は、島根県竹島問題研究会の第3期最終報告書に載った反論のことを、「それは下條正男の「『竹島問題100問100答批判』に対する客観的検証(ワック出版)」と藤井賢二、山崎佳子の文だ。」と書いていらっしゃるのだが、この捉え方自体が間違いで、正しくは、三氏の文章の全体に「慶尚北道独島史料研究会の「竹島問題100問100答(ワック出版)に対する批判」の客観的検証」という題がついているのであって、三氏が分担して(その1)(その2)(その3)を書いているという構成なのですよ。ついでに「ワック出版」と書くべき位置も間違えていらっしゃる。批判を加えようとしているのに、こういう基本的な構成さえもちゃんと読み取れていませんよ。大丈夫ですか? |
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