・このサイトの古い写真が、おもにモノクロである理由 1. 自分でフィルムの現像・引き伸ばしをしている写真好きにとって、1980年代に入っても、常用するフィルムはモノクロでした。カラーの現像・引き伸ばしは温度管理が非常に難しく、印画紙や薬品の価格もケタ違いでした。 2. ネガカラーフィルムは発色、粒状性、保存性が悪く、カラーで撮って後世に残すか出版するならポジカラー(スライド用フィルム)しか選択の余地がありませんでした。しかし、ポジフィルムは価格が非常に高い上に、ラチチュードもひどく狭かった(露出の許容範囲が狭い)のです。 3. 私のなかでは、ポジカラーは旅行に使うよそいきのフィルムという位置づけ。でも、ラチチュードが狭いので町並み写真には向きません。コントラストがつきすぎて、道路の日陰側にある建物は真っ暗になってしまうのです。 4. モノクロフィルムは、量販店で500ft.の長尺フィルムから詰め替えた非常に安いものが購入できたので、学生の分際でもいつもカメラに入れて常用できました。値段を気にせずに気軽にシャッターが押せたので、これだけの記録が残せたと思ってください。カラーならば、フィルム代・現像料金を心配しなくてはいけないので、この10分の1も撮れなかったでしょう。 5. 当時の写真集やカメラ雑誌を見ればわかるように、1980年代なかばまで、本格的な写真はモノクロがまだ主流でした。カラー印刷技術が進歩していなかったのと、高精細なモノクロフィルムの技術が成熟していたためだと思います。 6. その他、モノクロの表現力の素晴らしさや、人間が対象を見るときは色よりも形に目が行くとかいう話も書きたいのですが、長くなるのでこのあたりで。 |