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徴用被害者の未払い賃金請求は困難、政府が立場表明

記事一覧 2009.08.14 13:53

徴用被害者の未払い賃金請求は困難、政府が立場表明

【ソウル14日聯合ニュース】韓国政府が日本へ強制徴用された被害者の未払い賃金供託金還付の推進は難しいとの見解を示した。政府がこうした見解を示したのは1965年に韓日請求権並びに経済協力協定が締結されて以降、初めて。

 また、被害者らの未払い賃金を放棄する見返りとして、同協定締結の際に経済協力資金を受け取った点も認めたため、波紋を呼びそうだ。被害者らの未払い賃金は現在の価値で3兆~4兆ウォン(約2300億~3000億円)に達すると推定される。

 ソウル行政裁判所が14日に明らかにしたところによると、徴用被害者が政府の慰労金政策に問題があるとして起こした訴訟で、外交通商部は裁判所に提出した書面を通じ、「日本に動員された被害者(未払い賃金)供託金は請求権協定を通じ、日本から無償で受け取った3億ドルに含まれているとみるべきで、日本政府に請求権を行使するのは難しい」と明らかにした。

 また、日本に供託金として保管されている強制動員労働者と軍人・軍属の未払い賃金は額面でそれぞれ2億1500万円と9100万円の総額3億6000万円と把握していると説明した。

 外交通商部のこうした立場は、強制動員被害者らに還付されるべき賃金を国が日本から代わりに受け取り、国民個人の権利を消滅させたことを公式に認めたものだ。過去数十年間、政府はこの問題に戦略的にあいまいな態度を示してきた。

 韓日国交正常化交渉(韓日会談)と関連した最も最近の政府のまとまった立場表明は韓日会談文書公開直後の2005年8月に行われた。当時政府は「韓日会談文書公開の後続対策官民共同委員会」を設け、請求権協定は両国の財政的・民事的債務関係を解決するためのもので、反人道的違法行為は解決されたわけではないとの公式立場を表明した。

 その一方で、請求権協定を通じ日本から受け取った3億ドルは、個人財産権と強制動員被害補償問題解決の性格を帯びた資金などが包括的に勘案されたとみるべきであるため、政府が相当額を被害者救済に使わなければならない道義的責任があるとのあいまいな立場を堅持した。

 これを土台に政府は、「太平洋戦争強制動員犠牲者支援法」を制定し、2008年から人道的レベルで苦痛を慰労するとの名目で未払い賃金被害者らに1円当たり2000ウォンに換算して慰労金を支給している。しかし、被害者らは物価上昇分が十分に反映されていない上、日本であれ、韓国政府であれ加害者の謝罪がないと反発し、一部は受け取りさえ拒否している。

 このように韓日政府が未払い賃金に対するあいまいな立場を取っているため、被害者らはこれまで日本政府を相手取り供託金還付を求める訴訟を起こすたびに敗訴してきた。

 慶北大学のキム・チャンロク教授は「外交通商部の今回の見解は法的責任は逃れつつ、人道的責任は取るとした後続対策官民共同委員会のものとは異なり、今後政府に対する賠償要求が強く提起されるだろう」と予想した。

 一方、外交通商部関係者は、請求権協定で受け取った無償支援3億ドルに未払い賃金が含まれていたという外交通商部の見解は一貫して変わらないと話している。

japanese@yna.co.kr

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