p_shirokuma(熊代亨)

私の政治的傾向としては、動物が肉食されない権利・鶏舎のような場所で過ごす苦痛を回避する権利よりも、たとえば、低賃金で巨大な倉庫で労働を余儀なくされている同胞の疎外をどうにかするほうに関心があるように思う。

もし、私が動物を食べるという既得権益を守りたいなら、守るための意思表示、ジェスチャアを示したほうがいいのかもしれない。どんどん食べて、食べる、という通念や習慣に貢献したほうがいいのかもしれない。正反対の影響勢力があるのなら、戦わなければならないのかもしれない。

権利を守る、という考え方は、ある部分までは納得できるし、それは西洋由来の近代社会のさまざまな考え方や正当性の土台をなしているとも思う。ただ、その土台をうのみにできるほど私は西洋化していない。その思想を徹底させたいとも思わない。動物を食べるという既得権益を私は失いたくない。

「動物の権利を守る」論は、文明化の過程と合致するし、諸権利を守るムーブメントとも合致する。だけどこれはもう人間ではないよう、私にはみえる。契約社会の主体としては筋が通っているが、だったら人はもう人でないほうがいい、生まれてこないほうがいいのでは。釈尊に接近しすぎてついていけない。

……ということで、「案件」は第四コーナーを回り第五コーナーにさしかかりました。さてどうなることか。

『ロスジェネ心理学』時代は、「正義感がミクロな法からの逸脱をネットで炎上させる」という視点だったし、多分そのとおりだろうけど、今は「どうして私たちはミクロな法からの逸脱で正義感を燃やすほど法からの逸脱に敏感になったのか」「その敏感さの向上にネットは何を果たしたのか」のほうが興味

ただし、たぶん昭和50年くらいに唐突にtwitterとインターネットを普及させた場合、最初の10年くらいはミクロな法からの逸脱がたくさんネットを彩るだろうけど、みんなの法からの逸脱に対するセンシティビティが急激に高まって、昭和60年頃にはかなり燃えやすくなってしまうとみた。

大人も子供も、今日ほどには法制度をしっかり内面化していなくて、日々の生活も曖昧で、取り締まられる以上に法が破られていた時代だったら、小さな法からの逸脱がネットに投稿されても「ま、そんなものだよね」で終わってしまう。たぶん00年代前半のネットに田舎のDQNが投稿してた案件はその名残りか

『ロスジェネ心理学』の頃から「ネットで正義感がドライブする」ってやつは何度も言及しているけど、これ、ネットだからに加えて、法制度や社会契約に対する意識が元々高くなっていたからってのもあるよね。どこの子どももミクロな違法脱法がある時代だったら、スイカ泥棒ぐらいではバズりようがない

今、高校生が「隣町の畑でスイカパクッてきた　これから仲間とスイカ割り」って写真付きで投稿したらバズるはず。皆様の正義感がウオーンってドライブして大拡散してニュースになるだろう。これ、ある部分はSNSというメディアの特質だけど、ある部分は皆様の正義感とか世界観がそうであるから、文字数

自分の曾祖母が住んでいたのが千里だったんだけど、昭和五十年代の千里で一番記憶に残っているのは、自動改札。あれは未来っぽかった。あと大阪市内を行き来する幹線道路が高架化されていてナトリウムランプがいっぱいついていたのも、未来っぽかった。大阪はすごい都会だなぁ感じた。

人工的な街を探していたらめっちゃ凄い新興住宅地を見つけてしまった。比叡平か、ここで暮らすのは簡単ではなさそうだ．．． https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AF%94%E5%8F%A1%E5%B9%B3 …