テキサス州が「赤信号監視カメラ」違法化へ。事故防止効果の反面、追突誘発の指摘も
日本にもある?
米国・テキサス州が、車道用交差点の赤信号監視カメラを禁止する法案を可決しました。これによりテキサスは赤信号監視カメラを禁止する、米国で11番目の州になる見込みです。赤信号監視カメラは要するに交差点用のオービスみたいなもので、監視カメラによって交差点での信号無視および、右折時の一旦停止義務違反を自動的に検出して撮影するしくみのこと。
米国では多くの年でこの赤信号監視カメラが稼働しており、違反すると最大で500ドル前後の罰金が科せられます。このカメラによって赤信号なのに無理に交差点に侵入して発生する事故を減らす効果があることがわかっています。しかし、すべての交差点にこのカメラが設置されているわけではないため、交差点直前になってカメラの存在に気づいたドライバーが急ブレーキを踏んだ結果、後続車に追突されるという余計な事故を誘発していることも、研究によって判明しています。
またこのカメラのもう一つの問題と考えられるのが、取り締まりによって得られる罰金を、自治体が財源として利用しようとする動きが見られること。
シカゴやカリフォルニア州フリーモントの関係者によると、ドライバーが赤信号監視カメラの存在に慣れると違反者が減少してきたため、わざと黄色信号の時間を短く変更し、赤信号に引っかかるような措置を講じる例が発生しました。一部市民は赤信号違反を財源化することの合法性に異議を唱えています。テキサス州でも、赤信号監視カメラを撤去することで、向こう2年間の収入2200万~2800万ドル(およそ2億4000万~3億1000万円)を手放すことになると予想されます。ただ、それでもある種の事故を減らすために別の事故を増やしていると状況であれば、むしろない方が良いと言えるかもしれません。まして、違反を意図的に増やしているようでは話になりません。
ちなみに、このような赤信号監視カメラは、実は日本にも存在します。たとえば、京都市河原町通りにある荒神口交差点には「信号無視監視機」としてこのようなシステムが2004年から稼働しています。ただ、"たとえば"とは記したものの、どういうわけか実際に導入し運用されているのは日本全国でこの1か所のみ。なかなかレアな取締り機なので、京都観光の際にはちょっと見学してみてはいかがでしょうか。
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